夫との結婚が転機でした

12回の転勤人生(4)平田市 夫を根無し草に例えて

のりたの母

北は福島県、南は福岡県まで。夫の転勤に伴って各地へお引っ越し。その回数はなんと12回! 各地での思い出や、遭遇したエピソード、今も続く仲間との出会いなどを振り返ります。今回は島根県平田市でのお話です。

道湖の夕景
道湖の夕景
【目次】
  1. 神話を身近に感じる平田市(現:出雲市)へ
  2. 宍道湖の思い出深い情景
  3. 荒波を怖がった息子も、カブスカウトへ
  4. 義父母が訪問。夫を「根無し草」に例える

神話を身近に感じる平田市(現:出雲市)へ

平田市は出雲市に隣接する小さな市で、現在は合併で出雲市平田町になっています。10月は神無月とも言いますが、出雲では全国の神が集まるので神在月と呼ばれます。神様も集まって会議をするのでしょうか。

出雲大社の創建は古事記に記されるほど古く、由緒があります。参道には樹齢400年を超える松並木が続き、真ん中は神様の通り道なので参拝者は道の両端を歩きます。縁結びの神として知られ、全国から参拝者が訪れるパワースポットで、ご祭神は大国主命(おおくにぬし)です。我が家も元旦には出雲大社にお参りして、感謝と家族の健康をお願いしました。平田には陶器を重ねて積み上げる一式飾りや、岩見神楽があり、神話の名残を感じる町でした。

宍道湖の思い出深い情景

近くには宍道湖があります。汽水湖だから、しじみが美味しいです。湖を茜色に染めて沈む夕日は美しい日本の景色そのものです。県都 松江と出雲大社の間を一畑(いちばた)電車がスイッチバックしながらコトコトと湖に沿って走ります。社宅の裏を通り過ぎて行くのです。社宅の横には、一式飾り(陶器を積み重ねて、神話の一場面や歴史上の人物を表現する民族芸術)の会館があり、お祭りには勇壮な神楽の奉納舞が見られました。

宍道湖をバックに走る一畑電車。
宍道湖をバックに走る一畑電車。

 

荒波を怖がった息子も、カブスカウトへ

長男は小学校3年生になりカブスカウトに入隊しました。ボーイスカウトに入る前の低学年の児童が入隊するのがカブスカウトです。子どもの自立心を促すためと、グループに所属することで友だちもできやすいのではと思ったからです。私はデンマザーという世話役を受けました。デンとは小動物の巣を意味します。

この団体活動を通じて自信がついた長男は、一人で中国地方一周の旅に出ました。体の線も細く、日本海の荒波を怖がっていた息子ですが、長男としての意識が芽生え始め、親離れを徐々にしていったのがこの頃のような気がします。旅の詳細は知りません。息子が自分で決めたことですし、変な行動は起こさないだろうと信じていましたから。

義父母が訪問。夫を「根無し草」に例える

目の神様を祀る一畑薬師にお参りするために、義父母が岡山から来ました。短歌を習っていた姑は、短期間で転勤する息子の人生を「根無し草」に例えて詠みましたが、短歌の先生からは根無し草という名の草はないと言われたそうです。

姑は、遠い転勤先から岡山へ帰省時には「横になって休みなさい」と声を掛けてくれました。自身、姑さんで苦労したから、嫁にはそんな思いをさせたくないとの思いがあったようです。亡くなってもう20年近くになりますが二階建ての実家は今も残っています。京都府長岡京市に住む長兄が、月に一度は訪れて管理してくれるので安心です。ご近所の人も高齢化しているのですが、子どもの頃から見知っているので故郷の空気はやさしいのです。

ご先祖の墓も岡山市内にあるので、私達もお彼岸には毎年墓参りし、花と線香をお供えします。大阪から車で行き、私の両親が眠る墓にも足をのばして手を合わせています。いずれは墓じまいを考えなければなりませんが、もう少し先でも良いかと思っています。できた姑に至らぬ嫁で、申し訳なかったです。今は私も姑の立場になり気持ちがわかります。

岡山市から初めての転勤地 津山市、江津市、そして平田市。3カ所6年を過ごした中国地方を離れて、次は九州の福岡県久留米市となります。近ければ自家用車で移動しますが、今回は遠いので車は陸送を頼みました。

のりたの母

大阪府 /71歳
大阪府 /71歳

倉敷市生まれ。23歳で結婚し夫の転勤に伴い、引っ越すこと12回! 住まいを転々とする中でも、習い事をしながら趣味を広げました。そして、かけがえのない友にも出会うのです。 転勤順に思い出をたどってみます。

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