保護犬を引き取り16年間育ててみとりました

愛犬をみとる

公開日:2022.07.02

保護犬を含めて3頭の犬を飼ってきましたが、3頭目の介護の日々はつらいものでした。

保護犬との出会い

家を建ててすぐに2頭の犬(モモとラン)を飼い始め、数年経った頃でした。

最初に飼ったモモと同じバセンジー犬が、保護犬として飼い主を探していることを知り、引き受けることにしました。保護されるまで何日もさまよっていたようで、疥癬(かいせん)で皮膚はボロボロ、栄養失調で目は真っ白でした。

初めてひなたが家に来たときは、がりがりに痩せて、すさんだ眼をして、表情がありません。お漏らしも繰り返しやります。水を異常に飲みたがるのは、水を求めてさまよっていた時の記憶のためか。

この子に「ひなた」と名付け、家族5人と3頭の生活がスタートしました。

保護犬との出会い

ひなたと暮らす日々

時間はかかりましたが、先住犬のモモとランもひなたを受け入れてくれました。皮膚の状態も少しずつきれいになりました。不器用で甘えるのも下手ですが、それが愛おしくてたまりませんでした。

下の写真は1年後のひなたです。

依然として水を吐くまで飲んでしまうため、係留しています。ずいぶんかわいくなりましたが、やはり無表情です。隣のモモが屈託ない表情なので、違いが良くわかりますね。同じ犬種ですが、色が違うこの2頭はとても仲良しになりました。

ひなたと暮らす日々

次の写真はさらに時が進み、引き取ってから3年後です。もうつながれていません。穏やかで堂々として美しい犬になりました。夜は私の足の間で丸くなって眠りました。2回もがんになりましたが、2回の手術をたくましく乗り越えました。

ひなたと暮らす日々

子供たちの巣立ちと、犬たちの介護の日々

やがて、我が家の子供たちも犬たちもぐんぐん成長し、子供たちが進学や就職で家を離れるとき、ペットたちを看取る頃になりました。

モモとランは、それぞれ16年生きて、老衰で穏やかに亡くなりました。

そして最後に残ったひなたも、家に来て16年になりました。徘徊のような動きが出だしてからは、老化の進行は早く、ぐるぐると一か所を回り続けるようになりました。

家具にぶつかってけがをするので、家人が仕事で出かけている間はビニール素材のサークルの中に入れました。でも、家人が帰宅すると、そのサークル内で転んだまま起き上がれず、糞尿に体を汚した状態でもがいて苦しんでいるようになりました。

毎晩帰宅した後ひなたの体をきれいにして、傷に薬を塗って手当をしました。お留守番させてごめんねと、抱きしめながら泣きました。有給を取って休んだり、勤務時間を夜に変えてもらったりして、留守の時間が少ないようにはしましたが、会社を辞めることはできなかったのです。

そこで、ペットシッターさんなど、助けてもらえる手段を探しました。徘徊をしているほかの時間はほとんど眠っています。もう私たちのことはわからないようでした。

子供たちの巣立ちと、犬たちの介護の日々

助けてくれるところがありました

そんな時、千葉県八街市で、寝たきりになった犬を預かってくれる施設がみつかりました。

「リリモナハウス」さんです。佐藤さんという女神さまのような施設長さんが、スタッフの方たちと素晴らしいチームワークで運営されています。広いお庭で、一時預かりの若い犬たちもたくさんいて、海までお散歩に連れて行ってくれるなど、素晴らしい環境です。

初めてひなたをこちらに連れて行ったとき、歩けなくなっていたひなたがいきなり歩き出したのはびっくりしました。ここで預かっていただくことがベストだと思いました。毎週末、土日には会いに行けます。

助けてくれるところがありました

リリモナハウスさんに預かっていただいてから、ひなたが危篤との連絡をいただくまではそう長くはありませんでした。急いで自宅に引き取り、翌日に、ひなたは生涯を閉じました。

堂々と生きて、私たちにたくさんの愛をくれました。リリモナハウスさんに助けていただいたこと、忘れません。

リリモナハウス  

 

■もっと知りたい■

カオルコ

東京都杉並区出身。建築士としてコンサルタント会社勤務。2匹のシンガプーラとちび猫1匹と次女と暮らしています。ユニバーサルデザインとしての家・街などの空間について学びながら発信したいです。また現在3拠点生活をしているのでその暮らしについても書きたいです。
 

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