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- お酒が飲めない下戸(ゲコ)の話
2020年3月、28年勤めた会社を早期退職したソレイユ子です。料理は食べるのも作るのも好きで、好き嫌いも無いのですが、お酒が飲めないことがひとつのコンプレックスでした。
飲めそうに見えるのに……
何ごとも腹を割って話したい。比較的モノをハッキリ言うタイプの私は、江戸っ子ではまったく無いのに(笑)「チャキチャキだね」とか、「サバサバしている」とよく言われます。私にそんな印象を持つ方々と宴席を囲むとき、必ず言われるのがこのセリフ。「え、お酒飲めないの? 酒豪に見えるのに」(笑)。
そうなんです、残念ながらアルコールの分解酵素が皆無のようで。実際のところ、飲める・飲めないは「アセトアルデヒドを分解する酵素の型」によって決まるのだそうです。それもALDH2型における活性遺伝子の型によるとか……。
もはやよくわからないので、詳しくは国税庁のこの記事をご参照ください。
とにかく、私にはそのALDH2型の活性遺伝子がほとんどないDD型=ほぼお酒が飲めない、に該当するようです。
予防接種などで上腕をアルコール消毒すると真っ赤になるのも、まさにDD型の特徴。そしてこのDD型、欧州系ではほとんど見られず、日本人などアジア系に一定数存在するというから、なんだか興味深いです。
ソーバーキュリアスって?
そんなわけで、私は長年酒席でこのカミングアウトを繰り返しています。
ところで、最近は「飲めるのに飲まない」若者が増えているってご存知ですか? 英国で広まった
“ソーバーキュリアス”=sober(しらふの)とcurious(したがる/ふりをする)を掛け合わせた造語、という概念で、「あえて飲まない生活スタイル」が支持されているそうです。
ちなみに、厚生労働省(2019)の国民健康・栄養調査によると、酒を飲まない層は55%を超え、「もともと飲めるがほとんど飲まない」と「やめた」が全体の18%、20代ではその率が27%に上るとか。理由は「時間を有効活用したい、飲酒は対費用効果が低い」というから、まさにイマドキですね。
最近ではコロナ禍の影響もあるでしょう。でも「人生の残り時間を考えると、酔っぱらっている時間や二日酔いの時間がもったいない」という考えには賛同しかねます。人生ってそんな時間があってもいいんじゃないの? 人間だもの(笑)。と、飲まなくても「怠惰」で「昭和」な私は思います。
普段きけない話がきけたり、意外な人の意外な一面が垣間見られたりするのもお酒のチカラ。だから、飲めるのに飲まない人が増えていることはちょっと残念です。私に分解酵素を分けてほしい(笑)。
昭和な下戸が期待すること
とはいえ、「ソーバーキュリアス」ブーム、個人的には歓迎です。飲酒を強要しない社会が常態化し、ノンアルコールドリンクが充実するお店が増えることは健全で好ましいことです。
でも、巷の大半の飲食店では、まだまだノンアルドリンクの品ぞろえは貧弱です。私は未だにウーロン茶やジンジャーエールでお茶を濁していますから(笑)。できればワインの専門店や大人向けのBAR、老舗の居酒屋であっても、ノンアルコールのバリエーションを増やしてほしい。
そうすれば、私たち下戸もほろ酔いの「風情」とおいしい「酒のアテ」を楽しみ、酔った皆さんと同じ高揚感がもっと味わえるはず、と信じています。
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