地域のふれあい

ご自由にお座りください「みんなのイス」プロジェクト

公開日:2022.03.09

我が家のカーポートの前には、ちょっとうす汚れたプラスチック製の椅子が置いてあります。市の収集を待つ粗大ゴミ? いいえ、違います。これも大切な地域の財産なのです。

NPO法人と町内の有志が始めたプロジェクト

近所にあるNPO法人が、「区の魅力と活力推進事業補助金」制度を利用して、東日本大震災による塩害杉材で平成25年(2013年)にベンチを作製したのが、わが町内での「みんなのイス」プロジェクトのスタートでした。

NPO法人と町内の有志が始めたプロジェクト
ベンチとテーブルの「ビフォアフター」10年近く経って、ずいぶん日焼け(?)していますが、健在です

家庭で使われなくなった椅子(食卓椅子や学習机の椅子など)を道路に面した家先に置いて、「誰もが座ったり休んだりする場所にしよう」というのが、このプロジェクトの主旨です。私を含め、町内の有志がこれに賛同して参加し、10脚余りの椅子が設置されました。

区としても新しい試みだったのでしょうか、区が「見学ツアー」のバスを仕立てて、近隣地域の代表者や市役所・区役所の人たちが視察に来られたこともあります。

我が家の「みんなのイス」

我が家の「みんなのイス」
左:翌年(平成26年/2014年)見学ツアーの皆さんをお迎えしました 
 右:現在の「みんなのイス」

カーポートの中に椅子を置くと、「よその家」ということで座りづらかろうと思い、あえてカーポートの外に設置しています。

木椅子は雨に濡れたり陽に照らされたりして傷みが激しく、現在の椅子は5代目です。椅子に貼られたステッカーは、長年の雨露や日差しに晒されて見えづらくなりましたが、当初は鮮やかでした。

私の知る限りでは、我が家の椅子に最初に座ったのは学校帰りの児童でした。好奇心いっぱいの子供たちは、ジャンケンしながら帰宅する途中に見つけた椅子に、試しに座ってみずにはいられなかったようです。

また、家族や介護士に付き添われてゆっくりと歩行訓練をしている高齢者の方たちが腰を下ろしてちょっと休憩されている姿も、窓から時折拝見したことがあります。

私には、タクシーで帰宅した時、運転手さんに「あの椅子が置いてある家の前でとめて下さい」と告げる目印になるというメリットもあります。

コロナ禍で変わったこと

コロナ禍で変わったこと
ウォーキングクラブの活動で、団地を1時間ほど歩くこともあります

昨年(令和3年/2021年)9月末に緊急事態宣言が解除されて、人の動きが少しずつ戻ってきました。しかし、またオミクロン株で第6波が襲来。またもや自粛生活です。

そんな中で気づいたことがあります。コロナ禍での健康維持のために、ウォーキング人口が以前より増えたようです。逆に、訪問介護などで付き添われて散歩する人たちを見かけなくなりました。

3年目に入ったコロナ禍。早く収束して、買い物帰りに荷物を置いて一休みしたり、散歩の途中で休憩したり、近所の人たちが立ち話ならぬ座り話で交流したり……。そんな光景が再び見られたらいいなと思っています。

 

■もっと知りたい■

とし古

祖母は60歳の頃、針仕事や寺参りを日課にしていました。母は70歳の頃不自由な体で家族のために働き趣味の書道教室にも通っていました。そして私はいま八十路を歩いています。体力・知力は衰えを感じますが考える事・感じる事は昔と変わらないと思っています。死ぬまでにやっておきたい事に色々チャレンジしたいです。

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