老人ホームに入居すると住民票は移す必要があるのか
2023.07.28毒親だったのか?
「遺品整理、大変ね」と言う友に母は「大丈夫、うちには女中がいるから」と答えました。
それを夫が「あの言い方はひどいよね」と指摘した時、突然60年間の洗脳が溶けた気がしたのです。それは謙遜した言い方と思っていたけれど、振り返ってみると違う親に見えてきたのです。
そういえば、「あそこに行って何々を買ってこい」と言われても、「元々扱ってないって」と手ぶらで帰ってくると「あら、そう」とだけで、謝罪はありません。
「卵から帰ったヒナは最初に見たものを親と思いこむ」、この時私は初めて客観的に自分を見つめ直したのかもしれません。
その頃の母は暴走がひどくなり、わがままで屁理屈だらけ。デイサービスで仕入れたウソ情報を信じ、私の言うことをききません。
「マンション裏の土手には行かないでね、虫とか泥がつくと、マンション(廊下がカーペット)を汚すし、家に虫が入るからね」とリスクを説明しても、その2日後、玄関に種がびっしりついた泥靴を発見するのでした。
膝から崩れ落ちる
また、ある時母宛の健康食品のDMが届きました。
引っ越しを機に、詐欺防止のため住所や電話番号は家族や友達以外には教えてはダメと約束したのに、なぜ個人情報が漏れた?
それは、テレビ通販で「今なら2個目無料!」などにホイホイ電話をかけたらしく、「はぁ~今までの私の努力は何だったの」と膝から崩れ落ちました。
さらには、勝手に知らないクリニックに通ったり、薬をもらったり、財布にカードが増えていたり。
ついに私の血圧は300になり、帯状疱疹も出て、肉体的にも限界。ニュースで介護殺人を目にすると、自分もああなるのではと不安になりました。
また、緊急搬送も増え、隣に住んでいても気が付かない限界を感じていました。
とどめの事件
そんなある晩、母が「不用品を買い取る人が来るから、お前も何かない?」と言ってきました。
こんな時間に? 変だなと思い、母宅で待っているとスーツ姿の男が現れました。
そして、玄関に鍋やら小物やらを広げて待っていた母に「こんなもんじゃなくてアクセサリーとかありませんかね」と言った途端、「あっ押し買いだ!」とわかり、あわてて夫を呼び、追い返してもらいました。
私は怒りが沸点に達し「お母さん! 殺されてたかもしれないよ、どこで知り合ったの?」
「電話がきて不用品買い取るって……」
「それ、お母さんが自分の名前や住所、年齢を電話で言ったからブラックリストに載ってカモにされてんのよ。もう何回言ったらわかるの? どうして私の言うこと聞いてくれないのかな?」もう涙の抗議です。
ハラハラ泣きながら、「もう限界。プロに任せよう」と母を施設に入れる決心をしました。
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