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2022.07.262022年01月30日
お箏から広がる世界が日々を豊かに彩ります
岩山が一転、海辺の磯に見える? 知るって面白い!
地図に記されていた難しい漢字の名前の神社。「何と読むのだろう?」という、ふとした好奇心から訪ねてみると、そこは有名なお箏の曲にちなんだ場所でした。思いがけない驚きに「知るって面白い!」と改めて感じた出来事でした。
ふとした好奇心
所用で山梨県山梨市へ出かけた折、地図を見ていると、何やら難しい漢字の名前の神社があることに気づきました。何と読むのだろうと、ふと気になって調べてみてビックリ。そこはお箏を習う人でしたら誰でも一度は耳にしたことがある「千鳥の曲」という曲にゆかりのある場所だったのです。
その神社の名は「差出磯 大嶽山神社(さしでのいそ だいたけさんじんじゃ)」です。
笛吹川を見下ろす岩山の上にあり、川側から見ると海辺の磯のように見えるところからこの名が付けられたとのこと。古くからの景勝地で、古今和歌集を始めとして、松尾芭蕉や与謝野晶子など40首余りの和歌に歌われているそうです。
「千鳥の曲」
さて、箏曲「千鳥の曲」の歌詞とされているのは、古今和歌集におさめられている次の歌です。
しほの山 さしでの磯に住む千鳥 君が御代をば 八千代とぞ鳴く
ここで歌われている「さしでの磯」というのが、まさにこの地のことを指していたのでした。
実は恥ずかしながら私は“磯”という言葉から、てっきりどこか海の近くで詠まれた歌だと思っていたのです。それがまさかこのような山に囲まれた場所で作られていたとは、思いもかけない驚きでした。
和の世界は次々とつながって
お箏を習っていると、このように興味が次々と異なる対象につながっていくのが面白いところです。これまで私も単に演奏の技術を学ぶだけでなく、歌詞となっている和歌や源氏物語などの文学や、曲に関連する能や歌舞伎、さらには衣装の着物等々、少しずつ興味の対象を広げ、学んできました。
好奇心のアンテナが立つと、日々のちょっとしたことの中にも新たな発見があって、ますます楽しみが深まりますね。
知ることは面白い
せっかくならば、この歌のシンボルのようなものはないものかと周囲を歩いてみたところ、川のほとりに歌碑を見つけました。
なるほど、ここから神社の方を見上げてみると、確かに「岩山が差し出でる海辺の磯」のようにも見えますね。
お箏の曲を知らなければ、こんな風に景色を見渡すこともなかったことでしょう。
そう思うと、私の人生はお箏のおかげでずいぶんと豊かになっている気がします。知らなければそのまま通り過ぎてしまうことでも、ちょっとした好奇心が湧くことで日々の生活に彩りが増すようです。
さぁ、2022年はどんな発見があるでしょうか。今年(2022年)も、これからも、好奇心のおもむくままに日々を楽しんでいきたいと思います。
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