“おせど”って、なぁに?
2021.10.292021年09月30日
お箏の仕組みをご紹介します
聞かれた私もビックリ!お箏は丸太ではありません!?
お箏を運んでいたら、その様子を見ていた方に「お箏って持てるんですね!?」と驚かれました。なぜそんなに驚かれるのだろうと、その理由を尋ねてみて今度は私の方がビックリ! お箏は「丸太」だと思われていたなんて……。
私はすごい力持ち!?
マンションのエレベーターでお箏を運んでいたときのことです。一緒に乗り込んでこられた近所の方に「それは何ですか?」と尋ねられました。
私が「お箏です」と答えると、「え? お箏って持てるんですか? だって木でできているんでしょう?」と、その方はものすごい驚きようです。
私にはなぜそんなに驚かれるのかわからず、詳しくお話を聞いてみると、その方はお箏は木そのもの、つまり“丸太”で出来ていると思っていたとのことでした。
なるほど。もしそうなら確かにものすごく重たいでしょうね。私が軽々と持っているのを見て、ビックリされるのも無理はありません。
そこで「いえいえ、確かに木でできていますが、中はくり抜いてあって空洞なんですよ」とお伝えしたところ、その方はようやく納得してくださいました。
お箏は私にはごく身近な楽器ですが、多くの方はご存じないのが普通なのだと改めて実感させられる出来事でした。
お箏の仕組み
そんな訳で、お箏のことをご存じの方には当たり前のことに思われるかもしれませんが、もしかすると同じように勘違いされている方もいるかもしれないと思い、今日はお箏の仕組みをご紹介したいと思います。
ご承知の通り、お箏の本体は木でできています。材質は桐で、一般的な長さは約180cm(6尺)、幅は約24〜25cm(8寸)です。
中は空洞になっていて、裏側の板には上下に一つずつ穴が開けられています。弦から伝わる振動が内部の空間に共鳴して音が鳴る仕組みです。ギターなどと同じですね。
重さは木の質によってそれぞれ違いますが、おおよそ6〜7kgくらいでしょうか。試しに家のお箏を測ってみると6.8kgでした。
琴柱(ことじ)は取り外せます
箏の表面で弦を支える役目を果たしているのが琴柱(ことじ)です。琴柱は普段は取り外してあり、演奏するときに一つずつ立てて使います。移動するときにはもちろん外して、お箏本体とは別々に運びます。
でもやはり運ぶのは大変で……
お箏は基本として演奏をする場所へ、それぞれ自分で運びます。ただ持ち運びができるとはいっても、その他に必要な道具や衣装など、すべてを運ぶのはなかなか重労働なのは確かです。自宅から車で行けるところは良いのですが、沖縄まで飛行機で運んだときは本当に大変でした。
今は街中でお箏を運ぶ姿を見ることは滅多にないかもしれませんが、もしお見かけの際には、どうか温かい目で見守っていただけたら幸いです。
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