老いた髪を隠す帽子からトレンド帽子にアップデート
2021.10.302021年11月29日
大人の品格と若々しさが同居した飽きのこないトラッド
手持ちの服に流行の要素を足すネオトラッドスタイル
トラッドスタイルは老若男女を問わず着られる普遍的なファッションですが、ルールが定まった制服のようなコーデばかりしていると、飽きて新鮮味が薄れます。見慣れた手持ちの服に、流行の要素をスパイスとしてプラスするネオトラッドスタイルを提案します。
伝統的なトラッドにも流行はある
イギリスやアメリカから始まった伝統的なファッションで、老若男女に似合うのがトラッドスタイル。私が大学生だった当時の若者ファッションは、アイビー&トラッド派とコンチ(コンチネンタル)派に分かれていました。
その中間を行くスタイルとして人気だったのが、女性誌『an・an』や『JJ』から生まれたニュートラとハマトラです。大人っぽいニュートラに惹かれた私は、サンローランのウエッジヒールやグッチのバックル付きベルト、エルメスのスカーフなどで飾り立てておりました。
高級ブランドブームが去ってからは、その時代なりの流行を追いかけてきましたが、なぜか近ごろは普遍的なトラッドスタイルに目が向きます。ただしルールが定まった制服のようなコーデだと老けこんでいくばかり。
シルバーヘアが生き生きとするコーデを模索しながら、見つけたのは大人の品格と若々しい流行が同居したネオトラッドです。進化するトラッドに、飽きのこない居心地の良さを感じるようになりました。
ネオトラッドスタイルを楽しむコーデ3例
ファッションの趣味をガラッと替えるにはお金と労力が要ります。今さらクローゼットに詰まった服たちを追い出すわけにはいかないので、手持ちのアイテムで工夫するのが「ネオトラッド」なスタイル。きちんと感のある伝統に、流行の要素も取り込んだコーデを考えてみました。
英字ロゴ入りのパーカー
アイビールックとして人気のあった英字ロゴパーカーが懐かしくて、グレイヘアでもOKなコーデにしてみました。イェール大学のロゴが入ったネイビーのパーカー(any FAM)は、そのまま着ると幼くなるので、白の襟付きシャツを中に入れて大人の清潔感を出します。
ボトムスはカジュアルになるパンツを避けて、マキシ丈のフレアスカート(aquagarage)を履きました。アメリカのシルバーエイジ女性が着ていそうなカントリー・スタイルです。
グレンチェックのボトムス
トラッドの代表的な柄・グレンチェックは、古着っぽくならないよう、今っぽいシルエットのワイドクロップドパンツ(DoCLASSE)を履きました。
トップスはボトムスのチェックから拾った1色でコーデ。ネイビーのクルーネックニットの差し色には真っ赤なマフラーを短めに巻き、若々しさをプラスします。足首からは明るいブルーのリブソックスを見せて、イギリスの老舗ブランド(Dr.Martens)の3ホールシューズを履きました。
アーガイル柄ソックスとビットローファー
オフホワイトのニットプルオーバーとリーバイス(LEVI’S)のデニムパンツというリラクシーなコーデには、ビットローファーを履いてトラッド感を高めます。パンツの裾は広めにロールアップして、アーガイル柄のソックスを履きました。
首元の防寒対策にはネックウォーマー。金ボタンの紺ブレ(nicholson&nicholson)は短めの丈で、流行のレイヤードスタイルを作ります。
ネオトラッドスタイルを完成させるコツ
オーソドックスなアイテムをメインにして、流行のアイテムをスパイスとして加えると、ネオトラッドは簡単です。
下のコーデでのメインは長く愛用している仏ブランドのピーコート(OLD ENGLAND)とチノパン(DoCLASSE)ですが、中に着ているのは1枚で着られるユニクロ(UNIQLO)のヒートテックコットンと、プチプラのアーガイル柄ニットベスト(fifth)。
どちらも今っぽいルーズフィットで、コートを脱いでも昭和コーデに戻らずに済みます。
新旧アイテムを組み合わせたコーデに共通しているのは色使いです。
ネイビー、黒、ベージュ、グレーなどのベーシックカラーを組み合わせて、目立つ差し色は小物使いで取り入れます。ネオトラッドはコーデを工夫する頭の体操としても、一生続けられるサスティナブル・ファッションではないでしょうか。
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