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クリスマスといえば七面鳥や鳥料理。これは、私の中の常識ですが……。以前クリスマスに旅行で訪れた、チェコのクトナーホラという街で見たものにびっくり驚きました。
クリスマスがやってくる
年末の楽しみは、なんといってもクリスマス。街がきらめき、ショーウィンドウがカラフルさを増す街の情景。見ているだけで心が浮き立ちます。
友人への小さいプレゼントをあれこれ考えたり、カードを探したり、工夫を凝らしてクリスマスを楽しみます。
そして、夫婦で教会のイブ礼拝に出席し、その後教会のみんなでキャロリングに出かけます。ろうそくを手に、門口でクリスマスソングを歌う。するとその家の主が顔を出し、歌の続きを共に歌うキャロリング。クリスマスの楽しみの一つです。
夫婦二人暮らしになってからは形ばかりのクリスマスですが、それでもケーキを買い、鳥料理を食卓に並べます。
きっと西洋では七面鳥なのでしょうね。
骸骨と大聖堂の街、チェコ・クトナーホラ
コロナ旋風吹き荒れる昨今、すっかり海外旅行を忘れたように暮らしています。
クリスマスが大好きな私は、コロナ禍の前には、12月になると必ずヨーロッパに出かけていました。とりわけプラハやウィーンが好きで、重点的に7回も8回も繰り返し、この時期に訪れていました。
チェコの首都プラハから少し足を延ばすと、クトナーホラという街があります。
13世紀に銀鉱脈が発見され、大いに繁栄を極めた街です。しかし17世紀に入り、鉱脈が尽き廃坑になり街は静かにたたずんでいます。
炭鉱夫の守護神・聖バルバラ教会が町の中心にあり、広場から石畳の道が続き、なんとも趣のある静かな街です。街の中心の広場には、ヨーロッパの街中がそうであるようにクリスマスマーケットが並びます。
クリスマスには鯉を食べる
積もるほどでもない雪がチラチラ降る夕方。シニヨンに結った銀の髪、肩にウールのショールの老女が坂道を登っていきます。ゆっくりと歩く手には何やら動くものが……。なんと、広場の簡易プールの小さめの水槽で売られている鯉を、ポリ袋に入れて持っているのです。
そうです、チェコではクリスマスといえば「鯉」を食べるのです。 鯉料理とポテトサラダでクリスマスをお祝いします。
広場で売られている鯉を買い求めて、家族連れが家路を急ぎます。父親らしき男性がモミの木を肩に、母親らしき女性が鯉の入った袋を下げ、子供たちはもうたまらないといった表情でクルクル回りながら両親と戯れながら踊るように歩いて行きます。
その光景を、私は娘とウキウキしながら見送っていました。そんな日ももう遠くなりました。またコロナ禍が落ち着いたら、娘と共にあの街を歩きたいと思っています。
きっと同じ静けさで、クトナーホラは迎えてくれることと思います。
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