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家族の誕生会で会うたび、作り笑いが気になっていた次男。気付けば、ふとしたときの表情がどんどん暗くなっていったのです。子供はいくつになっても子供、心配になります。2021年8月に家に立ち寄った次男は、見違えるほど逞しくなっていました。
息子がボクシングを始めたきっかけ
誰でも社会に出ると人間関係で悩むものですが、次男の場合はかなり深刻でした。普通に話をするだけでも顔のひきつれが起こり、手も小刻みに震えるのです。さすがにこのままでは自分がダメになると思い、彼が始めたのはボクシングでした。
スパーリングは何もかも忘れて没頭でき、脳をリセットする大切な時間になっていきました。続けていく内に技術の習得、体力の配分や集中力もつき、ボクシングの奥の深さにのめり込んでいったのです。いつしか肉体的にも精神的にも強くなり、自信を取り戻していきました。
コロナ禍で筋肉トレーニングへ方向転換
ボクシングを初めて一年くらい過ぎた頃から「アマチュアの試合に出てみたら」と言われるほどになりました。本人も出る気満々で、練習に励んでいたようです。
ところがコロナ禍で試合は中止、事務所は閉鎖で、挑戦は叶いませんでした。親としては殴られる姿は見たくなかったので、ホッとしましたが……。
テレワークになり、自粛生活で大半を家で過ごすようになったので、今までつけた筋肉を維持すべく、自宅でできるトレーニングをスタート。
筋肉をつけようと、栄養学を学び、トレーニングを始めたのですが、思うようにはいきませんでした。そこで、プロのトレーナーに筋肉づくりのノウハウを学び、自分の体を少しずつ自由自在に改造できるようになっていったのです。
新たなチャレンジ、ボディコンテストに参加
FWJ(アマチュア最高峰ボディコンテストなどを開催)の大会参加を決意後は、過酷な食事制限とトレーニングの毎日。想像以上のつらさでした。
糖質を摂ることができないので、常に空腹感と頭がボーッとした状態。そんなとき、友達から「そこまでする必要があるの」という言葉は残酷だったそうです。 目標を成就させるために必要があっての参加で、決意は揺るぎませんでした。
大会当日は2部門で参加。初心者が2回しか参加できないノービスチャレンジ部門にはある程度自信があった次男ですが、受賞者に名前は呼ばれませんでした。
人生の岐路に関わる挑戦だったので、すぐに気持ちを切り替え、友達に撮ってもらったステージでの見せ場(ポーズ)を反省し、ダメもとでノービスカテゴリー部門(経歴のある部門)に参加。諦めたたらその時点で終わりですから。
悔いのないようにステージを思い切り楽しもうと臨んだ結果は3位でした。わずか半年間の筋トレ、そして初参加での受賞は、彼にとって大きな励みとなりました。
年齢に関係なく、目標に向かってがんばる姿は輝いています。今までに見たこともない息子のキラキラした表情に、元気パワーをもらいました。
加齢に伴いできることが少なくなる中でも、息子に習って、チャレンジしたいです。とりあえずは、コロナワクチン接種でお休みしていた空手の再開です。
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