下半身の筋肉をレベルアップ!「ゆっくりスクワット」
2024.05.282024年05月28日
きつくないのに効く!“究極のゆるトレ”#1
将来の健康的な生活を守る「4つの力」
健康を保つには、1日8000歩歩くのが目安。「積極的に外出しなければ1日2000~3000歩程度」と医師の横山美帆さん。補うために、専門家がチームで考案した、室内でできる体操を紹介!まずは、日常生活を支える4つの力をチェックしましょう!
教えてくれたのは専門家の2人!
横山美帆(よこやま・みほ)さん
順天堂大学医学部循環器内科学准教授。同病院健康スポーツ室と共同で健康維持のためのトレーニングプログラムを開発。著書に『順天堂大学医学部健康スポーツ室式 長生き部屋トレ』(文響社刊)他。
佐藤優成(さとう・ゆうせい)さん
健康運動指導士。順天堂大学医学部附属順天堂医院健康スポーツ室で指導にあたる傍ら、サッカーチームのトレーナーとしても活躍中。
将来の健康的な生活を支える力とは?
「医療現場のさまざまなデータから、日常生活を支えるために必要な力は究極的には4つに絞られるとわかりました」と語るのは、医師の横山美帆さん。その4つとは、脚力・柔軟力・バランス力・握力のこと。
「例えば、筋肉がついていても体が硬いと日常の動作がケガにつながったり、バランスが悪いとちょっとした段差で転倒したり。この4つがそろっている人ほど健康寿命が長いというデータもあります」
一生動ける体に必要な「4つの力」
その1:活動量を維持する「脚力」
お尻や太ももなど下半身の筋力は、立つ・座る・歩くといった動きに必要不可欠。ここが衰えると活動量が減り、代謝が悪くなる、骨が弱くなるなど、全身に悪影響が。
その2:ケガを防ぐ「柔軟力」
年齢を重ねると、じん帯や腱が硬くなります。すると関節の可動域が狭くなり、ちょっとしたことでつまずきやすくなります。柔軟力を高めることは、血流の改善にも効果的です。
その3:転倒を防ぐ「バランス力」
加齢とともに平衡感覚は鈍くなり、体幹の衰えとあいまってバランスを崩しやすくなります。転倒は骨折などの原因になるだけでなく、その結果さらなる運動不足の引き金に。
その4:生活の質を保つ「握力」
物を持つ、つかむなど、生活動作になくてはならない力。これが弱いといざというとき体を支えられず、大きなケガにもつながります。全身の筋力の目安ともされています。
まずはあなたの「4つの力」をチェック!
チェック1:脚力
「脚力」は立つ・座る・歩くといった、日々の活動を維持する基礎力です。
いすに座って、立つ・座るを5回繰り返してください。何秒かかりましたか?
【やり方】
●手は胸の前で交差させる
●浅く腰掛ける
●足は肩幅に開く
【ルール】
ひざと腰を伸ばしてしっかり立つ。中腰でお尻を上下させるだけではNG!
チェック2:バランス力
「バランス力」は転倒→骨折→運動量減少という負の連鎖の防波堤です。
片足立ちで何秒キープできますか?
【やり方】
●手は腰に
●上げやすい方の足でOK
●上げた脚のスネは軸足と平行に
【ルール】
手が腰から離れた、上げた脚が軸足についた、軸足の親指が床から離れたとき、は測定終了
チェック3:柔軟力
「柔軟力」はスムーズな身体活動を促し、ケガを遠ざけます。
壁に背中とお尻をつけて座り、上体を倒します。どこまで手が届きますか?
【やり方】
●ひざは真っすぐ
●勢いをつけずゆっくりと倒す
●息を止めない
【ルール】
床に座れなければ、いすに座って行ってもOK
チェック4:握力
「握力」は握る、つかむ、持つなど生活動作に必要な力です。
新品のペットボトルのふたを開けられますか?
要注意!だった人は……
日常生活に必要な力が衰えてきているようです。次から紹介するトレーニングでは、初心者マークのメニューでトレーニングしましょう。2~3週間おきにチェックし、要注意でなくなったら、メインのメニューにトライしてみてください。
医師&トレーナーが究極のトレーニングを考案!
今回紹介するのは、医師とトレーナーがタッグを組んで、誰でも取り組めるゆるめの動きで、4つの力を効率よくアップできるよう考案されたトレーニング。
「始める前と、その後も2~3週間に1度は自分のレベルをチェック、それに合わせて行うのがポイントです。週2~3回、4つの動きすべてをやるのでも、1日おきに2つずつでもいい。ぜひ日常の習慣にしてください」(横山さん)
次回からはさっそく4つの力を育てるトレーニングをスタート! まずは脚力のトレーニングです。
取材・文=松尾肇子(ハルメク編集部)、撮影=中西浩人、ヘア&メイク=榊美奈子、モデル=明石千種
※この記事は雑誌「ハルメク」2023年9月号を再編集しています
動画で一緒に!おうちでトレーニング4週間チャレンジ
「一生動ける体に必要な4つの力のための、究極ゆるトレ」を3回の動画レッスンで紹介しています。医師と運動指導士の解説を聞きながら、毎回少しずつ負荷を増やした動きに一緒にチャレンジしてみましょう!
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