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2月13日、原発・千葉訴訟東京高裁判決で原告住民が逆転勝訴しました。2011年の東日本大震災では日本中が「想定外」の大自然の脅威の前に立ちすくみました。あれから10年。あのときの災害のすべてが本当に「想定外」の自然災害だったのでしょうか?
東電福島第一原発事故の国の責任を巡って
この問題で、国の責任を問う高等裁判所での判決は3例目となるのだそうです。1例目は昨年9月の「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の仙台高裁での判決、2例目は今年1月の群馬訴訟の東京高裁判決、そして3例目が、福島県から千葉県内に避難した住民が起こした今回の東京高裁判決です。
その内、2例目の群馬訴訟だけが、国の責任を認めず、原告住民の敗訴となりました。国の責任を認めた前橋地方裁判所での判決を覆してのものです。2002年に国の地震本部が公表した地震予測「長期評価」の見解が「津波評価技術」の知見と整合しておらず、津波の発生を予見できたとはいえないから国に責任はなかったというのがその理由です。
今回の東京高裁では、「長期評価」と「津波評価技術」とをそれぞれ検討し、「長期評価」を「相応の科学的信頼性のある知見」と評価。その上で、想定津波に対する対策を講じていれば全電源喪失の事態には至らなかったとして、「規制権限不行使と事故との間に因果関係があった」と、国の責任を認める判決を下したのです。
今日の新聞には、今年2月13日の震度6強の地震発生時、驚くまいことか、東電福島第一原発3号機の1階と5階に設置していた地震計が故障したまま放置されていたため、地震の揺れのデーターが取れていなかったことが明らかになったと報じられていました。
「オリンピック2020の開催地は東京」と発表されたのは2013年9月。大震災後の明るいニュースに心弾ませた人がいた反面、復興が進まない中でのこの決定に違和感を表明した人も多くいました。こと、世界中に向かってプレゼンテーションした安部首相(当時)の発言にいたっては、「嘘」を感じずはいられなかったはず。
―福島は「The situation is under control」(状況はコントロール下にある)―
「私が安全を保証します。状況はコントロールされています」
嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれるよ
小学校低学年の頃、時折我が家を訪れる父方の祖母に連れられて、近くのお寺へ法話を聞きに行きました。そのお寺のお堂の壁の上方には死後の世界の絵が描かれていました。祖母たちが念仏を唱えたり、ご住職のお話を聞いたりしている間、私は様々に想像を巡らせながら、真ん中に閻魔大王の姿が描かれたその仏画を見ていました。
帰りには、子ども用の小冊子をいただきました。そこにも死後の世界が描かれていて、やっぱり真ん中には閻魔大王が立派な椅子に座った姿が描かれていました。いつしか、私の心の中には、人は死んだら三途の川を渡って彼岸に行き、冥土の入り口には閻魔様がいて、生前よい行いをした人は極楽へ、悪い行いをした人は地獄に落とされるというイメージが出来上がっていきました。
一番怖かったのは、自分がしてきた悪行を隠そうと嘘をついたとしても、全てのことは浄玻璃鏡(じょうはりのかがみ)に映し出され、嘘をついたことはすぐにばれ、嘘をついたその舌は閻魔様に抜かれてしまうということでした。
「舌を抜くぞう」と、ペンチを持って追いかけてくる鬼から必死に逃げる夢を何度見たことでしょう。そして、小さいながらに「絶対嘘はつかない」と心に誓ったものでした。
「浄玻璃の鏡」は「自分自身の良心」のこと
長じてからは、「浄玻璃の鏡」のごとく、自分がしてきたことが全部映し出されるのは、「自分自身の良心」にではないかと考えるようになりました。人をだましたり誤魔化したりはできたとしても、「嘘」で自分自身をだましたり誤魔化したりすることは決してできない。
「舌を抜くぞう」と、追いかけられるような人生はごめんです。
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