公開日:2020/06/02
毎月のようにご主人といろいろな所を旅してきた松本さんですが、新型コロナの影響を受け、旅行はお休み中。大好きな映画を見て、おうち時間を楽しんでいます。
2月末から新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、私もずっと家に閉じこもっています。久しぶりに時間をかけて家事をこなしても、昼食後は時間がありますので、ときどきDVDで映画を見ています。
私が一番好きな作品は、「小津安二郎監督作品」。中でも1953年の作品の「東京物語」は何回見ても心にしみて考えさせられ、感動します。
この映画は私が2歳のときに制作されたものですが、レンタルビデオやTV放映などで何度も見て、親子の情愛、家族間の問題、人間の生と死など、自分の年齢に重ね合わせると身に迫るものがあり、今の生き方を問われる作品です。
小津作品のDVDは「戸田家の兄妹」「晩春」「晩秋」など、9枚ありますので、ときどき夫と見ています。
一般庶民よりハイソな家庭を題材にしているにしても、作品の中には美しい日本語の尊敬語、謙譲語、丁寧語の会話と、思いやりや心遣いがあり、妙に懐かしく心が癒やされます。
小津作品の常連の、笠智衆、東山千栄、佐分利信、高峰三枝子、杉村春子、田中絹代、そして、原節子さんなどの昭和を代表する名優たちも素敵ですね。
ゆったりとした話し方、間の取り方、一方チャキチャキの早口の江戸っ子(?)口調の話し方など、今では使われていないけれども、でも、どこか懐かしく思う言い回しが多々あります。、子どものセリフで出てくる「ちぇっ」「しらねいやい」などは死語ですよね(笑)。
そういえば、「戸田家の兄妹」「晩春」「晩秋」などの常連女優の三宅邦子さんは、さいたま市岩槻区の古くからの割烹料亭「鮒又」がご実家で、先日食事に行ったら店内に当時の写真が飾られていました。
また、洋画では「風と共に去りぬ」「嵐が丘」「カサブランカ」のDVDもありますので、ときどき懐かしんで名優たちの映像を見ています。難点は、雑音と、ときどき時々映像が止まったり乱れたりすることです。
私は池波正太郎、佐伯泰英さんの時代小説の大ファンです。「鬼平犯科帳」は24冊、「仕掛け人藤枝梅安」は7冊本棚にあり、何回読み返しても面白いです。
佐伯作品は、シリーズ全て揃えて持っている知人の男性がいて数年前から借りて、就寝前の睡眠導入剤代わりに、朝の目覚めにと少しずつ読んでいます。
「酔いどれ小籐時次」「居眠り磐音」「交代寄合伊那衆異聞」「鎌倉河岸捕物控」「古着屋惣兵衛」「秘剣」などを読み、今は「吉原裏同心」を借りて、じっくりと2回目の再読中です。悲しいかな乱読と認知気味のため、すでに再読しているのに新鮮に読めています(笑)。
TVドラマで放映済みの作品もありますが、佐伯作品は放映時には本にたどり着けなかったので見ていません。これからぜひ見たいと思っていますが、映像を目にすると、登場人物が固定され、想像する楽しみがなくなるということがあります。
50年以上の愛読書「赤毛のアン」のTVアニメや実写版でがっかりしたことがあり、その後読み返す度に私の思い描くアンの世界とのギャップに心がもやもやしました。
やはり作品に対する思い入れと想像の広がりは自分だけのものですね。私の中で作品とキャスティングが一致していたのが、吉衛門さんの「鬼平犯科帳」と渡辺謙さんの「仕掛け人藤枝梅安」です。最近また、渡辺謙さんの「仕掛け人藤枝梅安」を見ましたが、最高でした!
外出規制中に私たち世代に懐かしい、上記のような作品のTVでの再放送を切望します。
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