これで極楽行きは確定!奈良大和四寺めぐり
2023.12.04
公開日:2025年03月21日
静かに拝観できるお寺を探して
奈良・南都七寺「大安寺」、京都・南山城「浄瑠璃寺」「岩船寺」
京都や奈良の主な観光地はインバウンドで大混雑。そこで、ここなら空いているだろうと、奈良は南都七寺のひとつ「大安寺」、京都は南山城「浄瑠璃寺」「岩船寺」へ行って来ました。
JR特急「まほろば」、空いてる!
奈良へは、新大阪駅から特急「まほろば」で。
ポカポカお出かけ日和の日曜なのに、ガッラガラです。
JR「奈良」駅前も、ガッラガラ。駅のトイレも空いています。助かる~。
ちなみに、近鉄「奈良」駅は、徒歩圏に奈良公園や東大寺があるので、駅前は観光客でカオスとなっています。
仏教の東京大学?! 大安寺
大安寺は、東大寺、法隆寺、薬師寺などを含む南都七大寺の一つ。
ボランティアガイドさんによると「奈良時代は国家筆頭寺院で、仏教の大学でした。東京大学みたいなもんです。ここで空海さんや最澄さんも学びました」、とのことでかなりスゴイのです。天平時代の一木造の仏様が伝わり、お堂や宝物殿で間近に拝むことができます。
にしては、ガッラガラです。駅から歩いて20分ほどかかるからでしょうか。
大安寺は癌封じ、病気平癒の寺としても知られており、絵馬は新幹線のお医者さん「ドクターイエロー」。そして、ダルマのおみくじにちなんでダルマさん。
この日は、運よく月に1度の護摩祈願の日でした。
誰でも参加できるというので、護摩堂の特等席に。
護摩を焚く炎が天井に燃え移らないか、ろうそくの火が僧侶の衣を焦がさないか心配しつつ、「依般若波羅蜜多故、心無罣礙、無罣礙故、無有恐怖」。太鼓のリズムに合わせて般若心経を一心不乱に唱和。
なんだかとても気持ちよくなってきた! 第九を合唱している時のような、快感! 恍惚感!
般若心経は、力強くてカッコいい。
で、般若心経などが書かれた「大安寺勤行次第」を購入(日本酒は駅ビルの地酒屋で)。
南山城古寺の美仏さまと美青年にドキドキ
限りなく奈良に近い、京都南端「南山城(みなみやましろ)」には平安時代の古寺が点在しています。駅から遠く、バス便も少ないため、混雑することはありません。
浄瑠璃寺は、池を中央にして東に三重塔があり、西に本堂があります。
ススキなど野の草が自由奔放だし、ネコがあちこちで遊んでいるし、京都中心部の洗練されたお寺とは様子が違います。
それでも、三重塔は国宝だし、阿弥陀堂も国宝。正面十一間の横長の阿弥陀堂にズラリと並んだ九体阿弥陀如来像と九体阿弥陀如来中尊像も国宝。空いているから、その広い空間を独り占め。暗くて静か。仏様の視線を感じてドギマギします。
浄瑠璃寺から岩船寺は歩くのが早い。タイミングよくバスが来ればいいけれど、めったに来ません。
岩船寺のご本尊はケヤキの一木造りの阿弥陀如来坐像。アジサイをはじめ、季節折々の花が楽しめます。
が、私が見たかったのは、テレビ番組で紹介されていた花を浮かべた“映える”手水鉢。
若い僧侶が手掛けているとのことで、彼のおじいさんが住職、お父さんが副住職。
この日、手水鉢に花がなくて、がっかりしていると、
「水が氷ると手水鉢が割れてしまうので」と、そこにテレビで見た彼が!
それがもう清潔感が溢れすぎるシュッとした超好青年。
箒で落ち葉を集めてハートを作って、こんなこともしているんです、とニッコリ。
この日で一番、心が洗われた瞬間でした。
■もっと知りたい■