スマホや財布入れにピッタリ!簡単手作りミニバッグ
2022.11.30
公開日:2025年01月19日
少部数・低価格の冊子印刷にチャレンジ!
初めてのリアル本制作体験記(2)
来年8月に迎える還暦記念のため、少部数・低価格での冊子印刷にチャレンジしました。リアル本制作でのさまざまなハードルを乗り越え、やっと印刷までたどりついたのですが……。そこには思わぬ事態が待っていたのです。
信じられないミス!
初めての自作フォトエッセイ『flow Essence』のデータをP社に送信してから4日後、待ちに待ったリアル本が30冊、送られてきました。
ワクワクして箱を開けたところ、表紙はなかなかの好印象。
本文の紙質もしっかりしていて、写真は思いのほかシャープに印刷されています。
このお安さでこの品質はちょっとすごいかも、とうれしく思っていた、まさにその時……。
「あれっ、1ページ原稿が抜けてる……」
最初のエッセイの、大切なエピソードのページがないことに気付きました。
「そんな、まさか……」
真っ白になったアタマで、あわてて元の原稿を確認したなら、なんと私のミスでそのページが抜け落ちたまま、P社に送信していたのです。
印刷のデータ入稿は初めてのことだったので、本当に念入りに何度も何度もページの抜けがないか、確認をしたはずでした。
「それでもこんなことが起こってしまうんだ……」
大切なページが抜けている30冊のリアル本を目の前にして、私はしばし呆然としてしまいました。
ありがたい「再印刷保証制度」のはずが……
P社では印刷初心者のために「再印刷保証制度」があります。
初回のみ、利用者側の落ち度であっても無料で再印刷をしてくれるというものです。
気持ちが落ち着いてからそのことを思い出し、きちんとページを足してから改めてデータを再入稿。
無料での再印刷をお願いしたのですが……後日、送られてきた30冊の本は、前回とは比べものにならないほど粗い印刷のものでした。
全体的に赤っぽく、写真はピントそのものが合っていないような感じで、とても他の方に読んでいただけるような印刷ではなかったのです。
P社にメールでその旨を伝えたところ、二週間ほど経ってから丁寧な謝罪と、改めて再印刷をさせていただく、との返信が届きました。
ところが三度目に送られてきた本も、やはり印刷の質は粗いまま。
版下のない「オンデマンド印刷」の質のばらつきとはこういうものだったのか、と納得せざるを得ない出来事でした。
新たなる印刷会社への入稿
「ここまでがんばったのに、諦めるわけにはいかないな」
気を取り直して、私は別の印刷会社をネットで探し始めました。
そうして見つけたのが、地元和歌山の老舗N社。別部門で少部数のオンデマンド印刷を手掛けていることがわかりました。
価格は30部で約1万8000円、P社のほぼ3倍です。
「オンデマンド印刷は不安だけど……この価格と、老舗のN社なら大丈夫かも」
そう思いつつ、N社のサイトで改めて入稿手順をチェックし、メールで印刷依頼。
その日の午前中にはN社への『flow Essence』データ送信を終えました。
またまたページが……!
「今度こそ、やっと終わった~!」
と、解放感に包まれていた午後、バラバラになっているデータをきちんと整理しておこうと、私は再びパソコンに向かいました。
何気なく、N社に送信した入稿データも確認のため開いたところ……。
「あああっ! 見開きページが、左右逆になってる!」
それからは疾風のようにN社の電話番号を調べて担当部署に電話をかけ、
「さ、先ほど、いえ、午前中に送信したデータなのですが! まだ修正の方は大丈夫でしょうかっっ!」
半ばパニック状態の私に、担当の女性は始終おだやかな声で、滞りなくデータの順序を修正してくださいました。
ようやく『flow Essence』の完成!
N社から本が送られてきたのは、それから4日後のことでした。
印刷は美しく、細い彼岸花の蘂(しべ)もくっきりと表現されています。
ページの抜けもなく、見開きはきちんと正されていて、今度こそ本当の完成です!
思い立ってから約4か月、ずっと試行錯誤の連続だったのですが、ようやく慌ただしい日々が終わりました。
今回、痛感したのは、データという実体のないものを扱う難しさです。
自分としてはぬかりのないよう、しっかりと確認したつもりだったのですが、ページ抜けと見開き順の逆転、二度も同じようなミスをしています。
そして、やっぱり自分の意識の詰めの甘さにも問題がありました。
「リアル本を作ろう!」と思うと、わくわくした気持ちばかりが先行して、知識のなさも制作のための労力も深く考えず、先へ先へと突っ走ってしまう……。
それもまた、ミスにつながったような気がします。
『flow Essence』はこれまでご縁のあった方にお渡しをして、ありがたいことに30部では足りなくなり、追加で再び30部を印刷しました。
この本が名刺代わりとなり、また新しい良きご縁をつなぐ縁(よすが)となることを願っています。
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