巨石はパワースポット⁈

南紀熊野・奇岩をめぐる旅

公開日:2023.11.20

2023年10月下旬、紀伊半島南部の奇岩を巡る旅をしました。「南紀熊野ジオパーク」としてユネスコにも認定されている一帯です。「神倉神社」のゴトビキ岩や「花の窟(いわや)」の巨大なご神体は、パワースポットとしても知られています。

南紀熊野・奇岩をめぐる旅
絶景・鬼ヶ城から望む熊野灘

「古座川の一枚岩」でジビエを味わう

「古座川の一枚岩」でジビエを味わう

まず訪れたのは、古座川沿いにそそり立つ「古座川の一枚岩」。のけぞって見上げなければならないほどの巨岩なのですが、「一枚」の名のとおり平坦な形をしています。

2022年にはこの一枚岩をスクリーンとした「大地を見上げる映画祭」が行われました。

「古座川の一枚岩」でジビエを味わう
河原で座っていると、あちらこちら、川面で銀の魚が跳ねています
よく見ればすぐ近くにもたくさんの魚たち
時がゆったりと流れる風景です

「道の駅 一枚岩 モノリス」ではジビエ料理を味わうことができます。クセがなく、でもジビエの風味は残っていて、とてもおいしくいただきました。

「古座川の一枚岩」でジビエを味わう

「古座川の一枚岩」でジビエを味わう

「古座川の一枚岩」詳しくはこちら

冒険者の気分「滝の拝(たきのはい)」

「一枚岩」の次に向かったのは、異界のような風景が広がる「滝の拝」。

大小さまざまなポットホール(岩穴)があり、橋の上から見下ろすだけではなく、実際に岩の間を歩くことができます。

冒険者の気分「瀧の拝(たきのはい)」

冒険者の気分「瀧の拝(たきのはい)」
まるでダンジョンのような地形
冒険者の気分「瀧の拝(たきのはい)」
滝の流れは激しかったです

「滝の拝」詳しくはこちら

古代の神域「神倉神社」

古代の神域「神倉神社」

熊野速玉大社の末社、「神倉神社」。源頼朝が寄進したと伝わる、500段を越える石段を登った先にある「ゴトビキ岩」がご神体です。

お社を覆うように横たわる奇岩は、熊野大神が一番最初に降臨された聖地だと言われています。

パワースポットとして紹介されることも多い場所です。

古代の神域「神倉神社」

石段はかなり急で、始めは手をつかなくては登れないほどですが、登り切った先の風景は素晴らしく、苦労した甲斐がありました。

古代の神域「神倉神社」
この日は旅をする蝶・アサギマダラを見かけることができて幸運でした

「神倉神社」詳しくはこちら

大迫力!「那智の滝」

大迫力!「那智の滝」
正式には「那智御瀧」、高さは133mもあり、毎秒1トンもの水が流れているそうです

次に訪ねたのは、那智勝浦町にある「飛瀧神社」です。那智の滝がご神体となっており、滝近くの舞台に立つと、細かな飛沫が飛んでくるのがわかります。

しん、と冷えた大気の、清浄な空間です。

大迫力!「那智の滝」
落ちてくる水の動きは複雑で、いつまでも見飽きることがありませんでした
大迫力!「那智の滝」
「飛瀧神社」との扁額の鳥居が建っていますが、お社はなく、直接、那智御瀧にお参りします。

「那智の滝」詳しくはこちら
 

日本最古の神社「花の窟(いわや)神社」

日本最古の神社「花の窟(いわや)神社」

紀伊半島をぐるりと北上、三重県に入ります。

「花の窟神社」は日本最古の神社。国産みの女神・伊弉冊尊(イザナミノミコト)が火神・軻遇突智尊(カグツチノミコト)を産んだため、灼かれて亡くなった後に葬られた御陵です。

日本最古の神社「花の窟(いわや)神社」
ご神体の大岩は高さ約45m。なめらかな白い岩肌はパワースポットとして紹介されることもあります
日本最古の神社「花の窟(いわや)神社」
御陵の向かいには息子の火神・軻遇突智尊(カグツチノミコト)もおまつりされています。

生まれたばかりの火神・軻遇突智尊は激高した父に切り殺されてしまいます。

辛い神話の伝わる地ではありますが、境内は穏やかで、ご神体の大岩からは、何もかも包み込むようなおおらかさを感じました。

「花の窟」詳しくはこちら

伝説の「鬼ヶ城」

伝説の「鬼ケ城」

「花の窟神社」から海岸沿いを車で数分、熊野灘に面して壮大な奇岩の数々が現れました。

深い瑠璃色の海に秋の陽が反射して、気持ちがすうっと大きく広がるような風景です。

伝説の「鬼ケ城」

伝説の「鬼ケ城」

伝説の「鬼ケ城」
被膜が破れた瞬間のような岩肌

この場所には平安時代初期、ここを根城にしていた海賊・多娥丸(たがまる)を坂上田村麻呂が討伐した、という「鬼ヶ城伝説」が残っているそうです。

「鬼ヶ城」詳しくはこちら

南紀の奇岩巡りでは、ここでしか見られない空の色、海の色も印象的でした。

自然と信仰の満ちる国、熊野。心をリフレッシュするために、再び訪ねたいと思える場所でした。

■もっと知りたい■

美年~mitoshi~

自然豊かな和歌山県在住のフリーライター。高野山や丹生都比売神社、和歌浦三社が暮らしの中にある日々を送っています。神仏や野の花と向き合えば心の風通しが良くなり、視界がすっと澄むような。(社)和漢薬膳食医学会認定 和漢薬膳師。(社)自分史活用推進協議会認定 自分史活用アドバイザー。

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