蛭子能収さん・認知症がもたらした生活と夫婦の変化
2024.06.142024年12月10日
ゆるっとふざけて暮らしたい
平均寿命と健康寿命の狭間、10年の重みを考える
あの手この手でやっと踏み出せた義母のデイサービス。あれから2年半……義母は97歳になりました。本人もまた私を含む介護者も、一年一年さまざまな思いをめぐらせながら生活しています。
要介護2から要介護3へレベルアップ
今まで審査の結果、要介護2レベル判定だったのですが、数か月前からこれどう考えても「3」でしょう~。と、担当ケアマネージャーさんに再審査の依頼をしました。
要介護3は、日常生活の全面的な介助が必要、問題行動がある状態です。
義母の場合は認知症状としては今までどおり幻覚幻聴によることが多いのですが、身体的にはかなり衰えています。体重はここ1~2年で約10kg減少し、体力や気力も落ちています。
ポータブルトイレも大事なお部屋のアイテムとなり、家のトイレへは行けなくなりました。お風呂に関しては、私が介助中に支えきれずに腰を痛めてしまったことがきっかけで、サービスを使っています。
デイサービスとショートステイの組み合わせ
なんとか通ってくれるようになったデイサービスは、長生き体操や手芸、塗り絵や家事リハビリで食器拭き等々。家ではできないことを無理なく楽しいプログラムにし体験させてもらえ、とても良い刺激になります。
しかし体力や気力、意欲までもが低下し「スキあらば横になりたい……」と思う義母の場合は良いことばかりではありません。
また家では夜間覚醒して大きな声が出たり転倒したり、ポータブルトイレ以外で排泄をしたり……。私たち介護者の疲れもあり、ショートステイの利用をはじめました。
現在はショートステイとデイサービスを組み合わせて利用しています。
前向きな自問自答で乗り切る
私もいろいろな思いがあります。心の中で自問自答して答えを出して動いています。
でもこれは前向きな自問自答です。不満や文句を口に出したらきりがないので、いい答えにたどり着くような自問自答にします。
そして必要以外は義母の事を考えないこと、忘れることです。
介護をしているときは考えますが、いったんその動作を終えると考えない。そしていい意味で義母のことを可愛い笑いにかえること。それを近しい家族や友人に話して笑いをとっています。
平均寿命と健康寿命、この約10年をどうする?
2023年の日本の平均寿命は、84.3歳(男性81.5、女性86.9)で健康寿命は74.1歳(男性72.6、女性75.5)。※WHO世界保健統計より
この統計で考えても、闘病や介護支援が必要となる約10年という期間は、何かまたは誰かの支援が必ず必要になるということです。
反対に介護や支援をする側になる人も必要に。しかしこの10年のあいだ、介護者が必ずしも健康とは限らないし介護者にとって貴重な時間かもしれません。
介護保険制度は2000年に創設され定着はしています。しかし必要な支援はその家庭や介護者ごとに千差万別です。
衆議院等の選挙では「子育て支援」や「若者支援」を選挙公約として掲げる方が多い印象です。
子育てしながら定年まで目いっぱい働いたという方が、自ら高齢に近づくなかで介護者になっていることに対する支援はもうここまでなのだろうか……と考えます。
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