「詩」で閉ざされた心の扉を少しだけ開く

「空が青いから白をえらんだのです」奥が深い1行

公開日:2024.11.06

2011年7月に当時入っていた「本の定期便」で届いたのは、青空に白い文字で~空が青いから白をえらんだのです~『奈良少年刑務所詩集』と書かれた1冊でした。「何で?」と本を開いて「はじめに」の頁を読んだだけで涙がこぼれました。

寮美千子さんのこと

寮美千子さんのこと
空を見上げて青空と白い雲を見ると思わずパシャリ!

この1冊の本に出会ってから9年後、雑誌『ハルメク』に寮美千子さんのインタビューが掲載されました。

何度も読み返した本の方~初めてお顔を拝見。その後、ハルメク365でインタビュー記事を読むことができる。でも、当時は365会員ではなかったので、会員限定のインタビューは未読でした。

秋晴れの空を見上げると開きたくなる本。この度、会員限定インタビューを読みました。そこで改めて、寮さんが作家であること、「音に出す言葉の力」と提唱されていることを再認識しました。

寮美千子さんのこと
たった1行の詩なのに、涙が止まらない

たった1行の詩のこと 

「空が青いから白をえらんだのです」 

たった1行の詩、本の中では詳しく書かれていなかったことを第2回を読んで知りました。本を読んで号泣ですが、このインタビューを読むと涙が止まりません。

このたった1行の詩で、起きた奇跡のような出来事にも感動です。そしてたった1行の詩に込められた理由が語られます。その後も参加者が次々と感想を言い合うことになります。ここには書き切れません。

そして、読むときはティッシュを準備して読んで欲しいです。寮さんは言います。

言葉は文字ではないと思います。その言葉を表現できる場があること、それを聞いてくれる人がいること、そして安心して語り合える場があることで、文字で記されるだけよりも、何倍もの価値が生まれます。

たった1行の詩のこと
忙しい方は、音声番組のご利用をおすすめします。目で読むとは違う感動がありますよ!

少年刑務所で気付いた「人間の本質は優しさ」最終回の第3回で気付いたこと 

「社会性涵養(かんよう)プログラム」とは? 作家・寮美千子が少年刑務所で見つけた言葉の可能性#1で下記のようにお話しされています。

涵養という言葉は耳慣れないですが「水が染みこむように育てていく」という意味で、社会になじむことが困難なタイプの子、軽度の知的障害や精神疾患を抱えている子に、会話や絵画、言葉を通して内面を豊かにしようという教育プログラムなのだそうです。

自分の子どもを、「水がしみ込むよう育てていく」ことができていた?「人間の本質は優しさ」って気づいていた? と自分を振り返りました。

寮さんは2017年奈良少年刑務所が廃庁となりその後は、自立援助ホームで同様の活動をされます。そんな中で集まって顔を合わせることの大事さを話されています。

ただ、コロナ禍を経てなかなか集まって顔を合わせることができなくなっているのが目下の悩みです。どんなにテレビ電話などが発達しても、現実に顔を合わせ、言葉を交わす臨場感や場の空気感にはかないませんから。

寮さんのお話で、「詩」と「言葉」について深く考えました。でも、いざ詩を書く! とはいきませんが読むことはできますね。ちょうど季節は秋です~秋の夜長に声に出して読んでみませんか?

詩集
~空が青いから白をえらんだのです~『奈良少年刑務所詩集』  詩:受刑者 編:寮美千子 長崎出版
『おひさまの贈り物』詩/垣内磯子 けやき出版 12ページのさらならがスキです。亡き父と重なるので…
 『一秒の言葉』 小泉𠮷宏 メディアファクトリー 声に出して読むと言葉の意味が深く沁み込みます
早朝の空
早朝 青空になる前の空もスキです

■もっと知りたい■

クニ子

64歳、2022年4月から3年契約週19時間勤務のパートタイマー。2年後働き続けるのか、またはやりがいのあるボランティア活動なのか、暮らしの楽しみ方、普段着のおしゃれについても探求中です。そんな日常を綴ります。ブログInstagram
 

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