枝元なほみさん 病気を受け入れて見つけた新たな使命
2024.11.262024年04月25日
老いの成長―共に楽しむ⇒独りででも愉しむにシフト―
駆け足で楽しんだ長女にとって23年振りの日本の春
2024年4月13日・14日、長女が「終の棲家」へ来てくれました。ボストンから越してきて1年も経たない内の4回もの訪問。23年間封印してきた、「会いたいときに会えない寂しさ」から解き放たれ、「会いに来て」と言える幸せ。
「会いに来て」で叶った日本の春を楽しむ
23年間、日本にやって来るのはアメリカの長い夏休み(6月下旬から9月中旬まで延々と続く)ばかりでした。日本の、美しく過ごしやすい、おいしい物いっぱいの季節、春と秋を孫たちにも味わわせたい……長年の願いでした。
長女・次女・私の3人でグループLINEをしています。長女から一足早い東京の桜を早速楽しんでいる写真が送られてきました。続いて次女からニューヨーク市の桜の写真が送られてきました。
どうやら、私が住む地域の開花が一番遅れているようです。東京から車を走らせて「終の棲家」へやって来た長女・孫娘・son in lawを、近くの直売所で買った濃い濃い「よもぎ餅」でもてなしました。
来訪予定日までに竹の子が出たら掘らせてと竹林を持つ友人にお願いしていたのですが、残念ながら未だでした。代わりに「苺狩り」をすることにして、運良く1枠だけ空いていた人気農園を予約しました。
参加できない私にも「ハウスの中に入って休んでくださいね」「少しぐらいなら一緒に食べてもらって良いですよ」と言ってくれる優しいオーナーの農園です。
アメリカにも苺はもちろんありますが、手のかけ方が全然違うので日本の苺は100倍おいしい!! Son in lawは、感動して「優に1kgは食べたなあ」とのこと。
―独りででも愉しめる読書―その2
長女が訪れるのを待ちながらその頃私が読んでいたのは、講談社刊『続 窓ぎわのトットちゃん』著者は言わずもがな。『窓ぎわのトットちゃん』から42年後の続編です。何とも徹子さんらしい話です。
この本を読みながら私が強く感じたことの一つは、子どもとの関わり方についてです。深い愛情に包まれてこそ、物事を真っ直ぐに受け止める心が育つということ。それから、出会いの大切さです。
戦争中にもかかわらず、楽しく、着る物や食べる物、暮らし方を工夫するママ朝さん。家族写真を復員するまで上着の胸ポケットに持ち続けたパパ守綱さん。ありのままを愛してくれた両親があってこその「素直さ」が90歳の現在まで続く最大の魅力となっていると思います。
多動であるが故に小学校になじめず2年生で転校。転校先の巴学園での小林宗作先生との出会い。「本当は良い子なんだよ」と毎日言い続けてくれたその言葉との出合い。
失敗の多かったNHKでの劇作家飯沢匡氏との出会い。「直すんじゃありませんよ。そのままでいてください。それがあなたの個性で、それが僕たちに必要なんです」個性を必要とされる場との出合い。
3人の我が子はこの本を読んだでしょうか。自分自身の育てられ方をどう受け止め、自分の子育てについて何を学ぶでしょうか。
もう一つ感じたことは反戦の心です。90歳代の多くの著名人が長い沈黙を破って、自身の戦争体験を書いています。徹子さんもあとがきに「私が体験した戦争のことを書き残しておきたいと考えたことが、『続 窓ぎわのトットちゃん』を書くきっかけの一つだ」と書いています。
その心はユニセフ親善大使としての活動につながっていると思います。
ドライブスルー花見と近場の桜
娘達から送られてきた写真に刺激を受けて、ならば私もと億劫になりがちな心に鞭打ってドライブスルー花見で目と心を楽しませてきました。
「会いに来て」と言え、それにすぐに応えてくれたおかげで、景色だけではなく心まで春爛漫の2024年4月でした。
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