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- 80歳の母。ひとり暮らし一年生
これまで、ひとり暮らしなどしたことがなかった母。父が亡くなり、大丈夫かな、寂しくないかな、と心配していたのですが……。そんなことは杞憂でした。ひとり暮らしになって変化したこと、父がいなければ何もできなかった母の成長ぶりを書きました。
水道代が半分に
父がいた頃は「やれ汗をかいた」「下着が汚れた」と言っては、しょっちゅう着替えていたので、一日に何回も洗濯機を回していました。
おまけに認知症になってから、父は日に何度もうがいをするように。蛇口はひねるけど、しめることは忘れているので、うがいをしている間、水はじゃーじゃー出しっぱなし。
なので、多い時は、水道代がひと月で2万円を超えたこともありました。
それが、亡くなってから一気に半分に減ったので、水道屋さんが「何かありましたか?」と実家に聞きに来たぐらいです。
「(使っている量が)増えたのならわかるけど、減ったんだからそんな何度も聞きに来なくてもいいのにねぇ」と母も笑っていました。
一人の食事にも慣れてきた
父が亡くなってから、一番心配したことは、食事面です。
父がいたときは、喉に詰まらせないよう、食事中ずっと見ていなくてはいけませんでした。食べたら食べたで、すぐに片付けないと父が不機嫌になるので、気忙しくてゆっくり食べられませんでした。
しかも、麺類は喉に詰まるからダメ、鍋は父が食べ方を忘れてしまったから作れない、など作るモノも限られていました。
一人になったら、その反動で好きなモノばかり食べるかも、あるいは、面倒くさくなって作らないかもしれない、と思ったのです。
案の定、最初は「お昼、何食べる?」と聞くと、手軽に食べられる「パン」と答えることが多かったのですが……。
最近はおかずを作り置きしたり、余った分はアレンジ調理をしたりと、一人でもちゃんと作って食べています。
電動ノコギリまで使えるように!
父が認知症になるまで、家のことは、ほとんど父がしていました。
母は、電球の交換さえできない人だったので、最初はわたしに教えてもらいながら、家のこと(家電の手入れやちょっとしたDIYなど)を覚えていきました。
そして、今や、電動ノコギリを使いこなせるようになるまでに、成長!
近頃は、荒れ放題になっている祖母(母の実家)の庭をキレイにするため、電動ノコギリを使って、ばんばん枝を切り落としています。
「もう80歳になるんだし、あまり無茶をしないように」とわたしが注意するぐらい、なんでも自分でするようになりました。
いくつになっても、その気になればできるようになるんですね(笑)。
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