春を感じる豪華な花「ラナンキュラス」の楽しみ方
2023.02.272023年02月26日
プロに聞く!花を最後まで楽しむテクニック
春の代表格「チューリップ」おしゃれで素敵な飾り方
春の花の代表格「チューリップ」を最後の一輪まで楽しみつくしませんか?「花を知り、楽しむ」がコンセプトの第一園芸のWEBサイト・花毎(はなごと)の連載で、「二十四節気の花あしらい」を担当する谷中直子さんに、飾り方・生け方を伺います。
2022年2月19日から二十四節気は雨水に
雪から雨に変わり、氷が溶けて水になる「雨水」の頃。草木が芽生え、昔から農耕の準備を始める目安とされてきました。
我が家のベランダでも、眠っていた種が芽吹いてちょっとした春を感じています。でも本格的な春はまだ先。三寒四温を繰り返しながらですが、確実に春に向かっていきます。
チューリップはどんな花
今回は春のお花の代表格「チューリップ」を生けてみようと思います。
チューリップが切り花として出回る時期は、11~4月です。チューリップらしい形の「一重咲き」、花びらが反り返って咲く「王冠咲き」、フリルが入った花びらが特徴の「パーロット咲き」など多種多様な咲き方と、さまざまな色の品種が存在しています。
- 出回り時期:11月~4月
- 開花時期:3月~5月
- 香り:あり
- 学名:Tulipa
- 分類:ユリ科チューリップ属
- 和名:鬱金香(ウコンコウ/ウッコンコウ)
- 英名:Tulip
- 原産地:地中海沿岸から中央アジア
- 日本での花言葉:「思いやり」など
- 海外での花言葉:「Perfect love(完璧な愛)」など
- 色別の花言葉:赤「愛の告白」、ピンク「愛の芽生え」「誠実な愛」、白「新しい愛」、黄色「正直」、紫「永遠の愛」、緑「美しい目」
チューリップを長持ちさせる手入れのポイント
チューリップは水をぐんぐん吸いますが、深く水に浸かるのは苦手。水はあまり高く張らずに、毎日減った分の水を足してあげましょう。
チューリップの形を生かして無造作に生ける
今回選んだチューリップはグリーンのラインがスタイリッシュな「スプリンググリーン」と、ころっとしたフォルムがかわいらしい八重咲きの「パスワード」。花持ちがよく、長く楽しめる品種です。
緑や白の花は、デスクワークで疲れた目にも優しく、私にとっては癒やし効果が抜群。草木が芽吹く季節に合わせたフレッシュグリーンの色合いで、部屋の中に春を呼び込みましょう。
チューリップの魅力は花のかわいらしさももちろんですが、すらりと伸びる茎や尖ったスタイリッシュな葉も魅力の一つ。
まずは茎の美しさを楽しむために、なるべく長いまま生けてみましょう。葉は1、2枚を残してすっきりさせた方が長持ちしますので、水に浸かりそうな葉や(もったいないですが)その他の葉は取り除きます。
下処理ができたら、花瓶に投げ入れてみましょう。
チューリップは葉がストッパーになって形が固定しやすいので、生けたい位置に花を挿すことも簡単。あまり考え過ぎずにざっくり自然に投げ入れてみましょう。
今日は左から光が来る部屋に合うように、太陽に向かうイメージで生けてみました。
生けたばかりの時と、翌日の姿で変化が楽しめるのもチューリップの魅力。
品種にもよりますが、しだれて咲いていたものも、翌日にはピンと上向きに変わっていることも。
この左に向かって生けたチューリップも、翌日には直立していました(笑)
水替えのたびに花の向きを変えたり、まっすぐ伸びやかに上に向かう姿を楽しむのもいいですね。チューリップは動きも楽しめる花です。
花材をプラスして早春の芽吹きを表現
チューリップだけでも十分素敵ですが、お手入れで短くなってきたら、枝ものとグリーンを足してより春らしくイメージチェンジ。
同じ花瓶に、白い小花が咲く枝もの「ユキヤナギ」と、斑が入ったツル状のグリーン「コロニラ・バリエガータ」を加えてみましょう(チューリップの本数が多い場合は、少し減らすと生けやすくなります)。
最初にチューリップで形を決めたら、ユキヤナギで全体をふんわりと見せます。チューリップと枝ものをつなぐ役割として合間にコロニラを挿すと一体感が出て、ナチュラルな雰囲気に仕上がります。
ユキヤナギがだんだんと咲き進んで、雪が積もったように白くなっていく姿も楽しみの一つです。
ユニークなシルエットを活かして生ける
たくさんの本数のチューリップも素敵ですが、少ない数を生けてもかっこよく決まります。
いきいきとした葉は捨て難いので初日は葉を付けたまま楽しみ、数日後には葉をすべて取り除いて、動きのある姿を楽しみましょう。チューリップのユニークなシルエットをいかして、お気に入りの花瓶に生けてみてくださいね。
水替えの際に葉を取り除くことで花も長持ちしますし、変化も楽しめますよ。
チューリップを集めて、分けて飾る
大きさや形が異なるガラス瓶に一本ずつランダムに生けます。花の長さや向きも変えるとバランスがとりやすいですよ。
日中はリビングやキッチン、玄関などバラバラに置いておいて、夜は寝室に集めてみるといった、一輪挿しならではのフレキシブルな花飾りを楽しんでみましょう。
チューリップは切り花になってからも茎が伸びたり、花びらが大きくなったりと成長する花。そんな様子も一輪挿しなら観察しやすいですね。
チューリップの花を最後まで楽しむ
チューリップは咲き進んで行くと、花びらは薄く透けたような感じになり、葉はだらりとして丸まっていきます。花に元気がなくなってきたら、思いきって花首くらいの長さまで短くカットしてアレンジしてみましょう。
チューリップだけでもすっきりとして素敵ですが、コロニラを添えて動きを出してみました。つる性の植物はしなやかで曲げやすいので、浅い器の中に丸めてあしらうことも簡単。
二つの器を並べて使えば、少ない本数でも広がりが出てボリュームアップして見えます。
きらきら輝く水面もデザインの一つ。最後の最後は花びらを水面に散らしても素敵ですよ。
チューリップはプレゼントにも最適
老若男女、抜群の知名度を持つチューリップはプレゼントにしても間違いない花!
今回はグリーンと白の花を使いましたが、たくさんの色や形がありますので、あなたのお気に入りの花を探してください。
まずはご自分でチューリップの美しく不思議な姿を楽しんで、その虜になったらぜひ大切な方へプレゼントして、魅力を伝えてくださいね。
谷中直子さんのプロフィール
第一園芸入社前から学生バイトで働く生粋の第一園芸人。百貨店系ショップでいわゆる花屋さんを数年経験後、ホテル店に移動しブライダル関係を十数年経験。店長職を経て本社勤務に。現在は広報担当としてリリースなどの社外発信を担当。
文=石川恵子(第一園芸・花毎)
花屋の第一園芸が運営する花にまつわるコトを楽しむWEBサイト「花毎」。二十四節気とともに感じる季節の花を軸に、買うだけではない花の楽しみ方をさまざまな角度からご紹介。花毎の書籍に『 花月暦』(株式会社パイ インターナショナル刊)
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※この記事は、花毎での連載「二十四節気の花あしらい」を基に制作しています。