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- 花の飾り方Q&A!花の捨て時、猫に安全な花は?
「花を知り、楽しむ」がコンセプトの第一園芸のWEBサイト・花毎(はなごと)の石川恵子さんが、アンケートに寄せられた「お花のお悩み」に回答! 花瓶の選び方、花の捨て時や飼い猫がいても安全に花を飾る方法等を解決します。
花瓶の選び方がわからない。どんな花瓶がおしゃれ?
Q.花瓶の選び方がわかりません
A. 一つ持っていると便利な形は、口が少しすぼまっていて、底が広がっているダルマ型の花瓶です。花を生けたときに口がすぼまっているので安定感があり、花が多くても少なくてもバランスよく生けられます。高さ20cm前後のものであれば、花だけではなく、枝物なども生けやすいですね。
写真の花瓶には花留になるように、銅製のワイヤーを適当に丸めて入れています。こうすることで、花が動かず生けやすくなりますし、銅の効果で水が濁りづらくなります。
大き目の花瓶に加えて、一輪挿しもあると花を生ける楽しみが広がります。こちらも口が狭いタイプがおすすめです。花瓶だけでも美しいデザインのものであれば、花が入っていないときも楽しめますね!
ブーケをいただいたときはまずはそのまま飾って、数日楽しんだ後は一輪挿しや空き瓶などに1本ずつ生けたものを集めて飾るのもおすすめです。「ブーケの花は生け方を変えれば長持ち&5倍楽しめる!」を参考にしてみてください。
枝物であれば、「水差し(ジャグ)」型の大ぶりの花瓶がおすすめ。「春の花ミモザの飾り方から学ぶ、枝物の飾り方・生け方」を参考にしてみてください。
また「100均のおしゃれな花瓶大集合!アレンジも画像付で」でご紹介したように、100円ショップにも、さまざまな形の花瓶が販売されていますので、気軽にチャレンジしてみてくださいね。
花の生け方がマンネリ……いつもとは違う生け方をするには?
Q. 花を飾るための花器がいつも同じなので、手軽に変化させたいです。
A. まずは食器を使って花を生けてみてはいかがでしょうか? 水が漏れないものであれば、ちょっと視点を変えるだけでなんでも花器になりますよ。100円ショップなどでもかわいい器が見つかりますので、食器のコーナーなどをのぞいてみてください!
花を飾る生活を送る上での注意点は?
Q. 初めて花のある生活をする上で気を付けるポイントを知りたい。
A. 花は、花瓶に飾ったら終わりではありません。清潔な花瓶にお花を生けて、小まめな水替えと同時に少しずつ切り戻しを行ってください。でも、花の種類や花瓶、飾る場所にルールはありません! 一輪のお花でもあるとないのとでは、暮らしの潤いが違ってきます。ぜひ自由にお花を楽しんでみてください。
切り花は、いつどのタイミングで捨てればいい?
Q.花の処分しどきがわかりません。どの程度のしおれ具合で捨てるべきか悩みます。
A.「色が褪せる」「花びらが茶色くなる」「花首がうなだれる」「茎が傷みはじめる」といった状態が花の処分のタイミングです。また、輸入のバラなどの場合、開かないまま花びらにシワが寄り始めることがありますが、それも終わりのサインです。
香りが強いユリを飾るには?
Q. 百合の花は日持ちも良く華やかで好きなのですが、香りがきついのが困ります。花粉を切りとってもやっぱり強い香りが気になります。
A. ユリは品種によって香りが変わり、特に華やかなカサブランカは強く香ります。テッポウユリなどはカサブランカよりも香りはだいぶ控えめですので、ぜひお試しください。
飼い猫がいても花を飾りたい!猫に危険な花は?
Q. 猫がいます。好奇心旺盛のため花が気になって仕方ありません。モグモグしてみたりクンクンしてみたり。害は無いと思いながらも心配になります。
A. 自身も2匹の猫を飼っているガイア動物病院院長・松田さんにお話を伺いました。
「花の種類によっては中毒を起こすことがあります。また、どの花も安全とも言い切れず個体によっては食あたりなどの症状が出る可能性があるので、大前提として猫がお花を食べないように気を付けないといけません」と松田さん。
よく家に飾られる花で最も危険なのが「ユリ」。ユリは花も生けている水も猛毒で、猫がほんの少し口にするだけでも中毒を引き起こす可能性が。他にも球根植物(アネモネ、チューリップ、水仙、ヒヤシンスなど)やキク、カーネーション、トルコギキョウなども注意が必要です。特にトルコギキョウはマタタビと同じように猫にとって魅力的な植物のようですが、食べないように注意なさってください。
猫にとって危険な花
中毒症状が報告されている花として代表的なものをお伝えします。誤食すると、下痢や嘔吐、震えなどの神経症状を起こす場合や、皮膚や粘膜の赤み、下痢嘔吐、高カリウム血症など不整脈、呼吸麻痺などを起こす可能性があります。
- ユリ
- 球根植物(アネモネ、チューリップ、水仙、ヒヤシンスなど)
- 朝顔(種)
- ツツジ科
- イチイ(赤い実以外)
- オシロイバナ(種・葉)
- キョウチクトウ(樹皮・葉)
- シキミ
- シクラメン(茎・根)
- スイートピー
- スズラン
- ヒガンバナ
- フクジュソウ
- ランタナ(葉・種)
- アネモネ、チューリップ、水仙、ヒヤシンスなどの球根植物
- キク
- カスミ草、カーネーションなどのナデシコ科
- アジサイ(蕾)…下痢や嘔吐、震えなどの神経症状
- トルコギキョウ
※上記は、一部例です
猫が花を食べてしまったときの対処法
- 吐かせる
- 吸収されてしまった毒素を薄めたり、ダメージの入った臓器の回復を促したり、排出を早めるために点滴を受ける
- 吸着剤(活性炭など)を飲ませる
- 血液検査の結果によって障害の出ている臓器の治療をする
猫が食べたことがわかっている場合は、即座に吐かせる処置を行うべきだそう。「時間がたつほど吸収されてしまうので、できるだけ早い段階で病院へ行ってください。食べたかどうかわからない場合の方は難しいですが、念のため吐かせたり、動物病院で検査をしてもらってください。ちなみに花はレントゲンやエコー検査ではわかりませんので、血液検査などを行って身体に影響がないか調べた方がよいでしょう」
猫が食べても安全な植物
インターネットで検索すると「ガーベラ」や「ハルジオン」などは食べても安全と紹介されていることがあります。しかし、松田さんは「安全とは言い切れない」と言います。
「ハルジオンを食べる猫を見ることはあるので問題はないと思われます。しかし元々猫は肉食の動物なので、植物に焦点を当てた研究をする人が少ないので実際に安全かどうか根拠のある研究論文が少なく、安全とは言い切れません」
花ではないのですが、一般的にネコが食べる植物は、下の2つです。
- 猫草(エンバク、大麦などイネ科の植物の若草)
- キャットニップ(イヌハッカ)…ただし、興奮する作用があります
花屋としても、ほとんどの花は美しさを保つために農薬が使われていることから、どんな種類でも猫が食べることは危険だと考えます。
猫を飼っている場合の花の飾り方は?
Q. 猫を飼いだしてからいたずらと健康被害が心配で花を飾る機会が減ってしまいました。猫を飼っている方のアイデアも知りたいです。
A. 飾る場所を工夫するのはいかがでしょうか? 猫を飼っている同僚に聞いてみたところ、やはり飼い猫が花にいたずらをしてしまうそうです。上記の通り健康被害がある花もありますので、そのお宅では猫が出入りしないテラスにお花を飾って楽しんでいるとのこと。もしくは視点を変えて、切り花以外にもベランダなどで鉢植えの花を育てて楽しまれてみてはいかがでしょうか。
また、松田さんにも伺いました。「猫は犬に比べて毒物となるものを口にすることは多くないですが、誤食癖があったり、遊んでいるうちに食べたりしてしまう性格の場合は要注意です。猫は、家の中を立体的に走り回る生き物です。花を置く場合には、ケースに入れて飾る、猫が入らない部屋のみに置く、倒れないような花瓶に飾るといったことも有効かと思います」
取材先:ガイア動物病院院長・松田唯さん
北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。2019年「ちょっと便利な動物病院」ガイア動物病院(東京都杉並区)開設。治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主様が選択できる診療を心掛けている。
花毎の本が発売されました。二十四節気と花をあわせることで季節の移ろいを伝え、日々の暮らしを彩ります。歳時記研究家の広田千悦子さんが、その月ごとの習わしや旬の花を使ったしつらい、食などを解説。美しい文章と写真、イラストに心が安らぎます。
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