春を感じる豪華な花「ラナンキュラス」の楽しみ方
2023.02.272023年02月18日
花でおしゃれな部屋作りをしよう
春の花ミモザの飾り方から学ぶ、枝物の飾り方・生け方
「花を知り、楽しむ」がコンセプトのサイト・花毎(はなごと)の石川恵子さんが、おしゃれな部屋を作る花の飾り方を提案します。今回は、季節感とボリューム感で、部屋を彩る、枝ものの花の生け方を教わります。春を代表する花「ミモザ」を使いました。
枝ものの花を部屋に飾るおすすめの理由
枝ものの花をおすすめする理由は、ずばり「季節感」と「ボリューム感」です。
丈が長く、一枝にたくさんの花が付いている、枝ものの花は実はとても生けやすく、便利な花材です。1本だけなら風情を感じる雰囲気に、そして複数の枝をまとめて飾ればとても華やかな空間になります。何よりボリューム感の割には、比較的安価に手に入ることもおすすめの理由です。
そして枝ものは、和室、洋室どちらにもぴったり。
晩冬から春にかけては梅、桜、桃、雪柳、コデマリ、ミモザ、椿といった、季節を先取りできる切り枝が豊富に出回ります。
季節のおすすめの枝ものの花
- 冬から春:梅、桜、桃、雪柳、コデマリ、ミモザ、椿
- 春から夏:コデマリ、ドウダンツツジ、アジサイ、バイカウツギなど
- 夏から秋:ドウダンツツジ、スモークツリー、ナツハゼなど
- 秋から冬:サンキライ、アカメヤナギ、ブルーアイスなど
枝ものを飾るときの、花器の選び方とバランスのとり方
枝ものを飾るには、ある程度重さのある器をおすすめします。
丈が長く枝自体に重さがあるものが多い上に、枝ものは水を好みますので、水がたっぷりと入る比較的大きめの花器があると便利です。また水をたっぷり入れると重さで安定するというのも、たっぷりと水が入る花器をおすすめする理由の一つです。
そこでおすすめなのが「水差し(ジャグ)」
写真のような「くびれ」のある器は特に花が生けやすく、取手のある水差しは片側に流れを作って飾ることもできますので、一つ持っていると使いまわしがききます。
また、透明感のあるガラスの花瓶に生けるのも素敵ですが、色が付いた陶磁器の器は花の表情が違って見えます。お好みの色合いの水差しがあると花を生けるのがぐっと楽しくなります。
花器の色は、補色関係にあたる色を選ぶと、目を引くようなおしゃれさを演出できますよ。
長持ちする、枝ものの水揚げ方法
基本的に生花店で買った花は、水揚げが済んだ状態で販売されていますが、長持ちさせるためには、自分でも切り戻して水揚げをしましょう。枝ものを生ける際の水揚げをするのに、おすすめの方法をお伝えします。
1.水につかる部分の葉などを全て取り除き、枝を斜めにカットします。
2.さら斜めにカットした部分に切り込みを入れます。
鉛筆より太い枝の場合は、さらに樹皮を4~5cm程度剥ぐのも効果的です。いずれの場合も手を切らないように注意しましょう。
ここからはミモザを使った2つの生け方をご紹介します。
枝ものの生け方 〈左右対称に生ける〉
(1)まずは葉が付いた部分を器の口に引っかけるように挿します。器とのバランスがよければ、写真のように1本だけでも素敵に見えますよ。
(2) 2本目は交差するように挿し、この時点で枝がXになるようにします。
(3)3本目以降は交差した枝を支えにして、左右交互に1本ずつ挿していきます。
枝ものの生け方 〈片側に流して生ける〉
(1)花や枝が多く付いている向きを意識して、生けます。特に1本目は下の部分にも花や葉が付いているものを使うと、全体の流れがまとまって美しく仕上がります。
(2)2本目も枝の流れを意識して、1本目の枝の上に置くように挿します。
(3)順に重ねるように、挿していくと、ボリューム感のある仕上がりに。
〈左右対称に生ける〉と〈片側に流して生ける〉2つのパターンに使ったミモザは、どちらも同じく10本。生け方を変えるだけで、雰囲気がガラリと変わります。
今回はわかりやすいようにガラスの花瓶を使いましたが、陶磁器の花瓶などを使えば、茎が気にならないので、より手軽に生けることができます。
どのような生け方の場合でも、葉が水につからないようにすること、器を清潔に保つことで、より長く花を楽しむことができます。
文=石川恵子(花毎)、撮影=山下コウ太
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