花を購入するときのお悩みQ&A

長持ちする切り花は?手入れ方法は?疑問に花屋が回答

公開日:2021.04.30

更新日:2022.04.25

「花を知り、楽しむ」がコンセプトの第一園芸のWEBサイト・花毎(はなごと)の石川恵子さんがアンケートに寄せられた「お花のお悩み」にご回答! 花を買うときに悩む「長持ちする切り花の見分け方」「長持ちする手入れ方法」等を解決します。

長持ちする花を購入するには?状態と種類を解説

長持ちする花を購入するには?状態と種類を解説

こんにちは。花毎(はなごと)の石川です。今回はみなさまから寄せられた「お花のお悩み」にお応えしていきます!

Q. 花の鮮度が良いものを選びたいが、どこを見たらよいかわからない。

A. 植物の種類によって見かたはさまざまですので、一概に言い切れないのが難しいところですが、葉や茎で鮮度がわかる場合があります。
葉が黄ばんでいたり、しおれている、茎に張りがないかをチェックしましょう。葉物野菜をスーパーで選ぶときに、葉がシャキッとしたものを選ぶと思いますが、その感覚で選んでみるといいと思います。花は外側の花びらが茶褐色になっていたり、小じわが出ていたり、反り返っているものは日数が経っている場合が多いです。一方、つぼみが固すぎるものはそのまま開かない場合もあります。手入れに自信がない場合はほころびかけたものを選ぶとよいでしょう。

また、値下げされた花は入荷してから日数がたったものと考えてよいと思います。割り切ってこういった花を、短い日数楽しむという手もあります。

何より花売り場で、花を生けてある花びんやバケツの水が汚れているようなお店はそもそも花の管理が出来ていませんので、そういったお店で花を購入するのは避けましょう。

日持ちする切り花の種類とは? 

日持ちをする切り花の種類とは? 

Q. 日持ちを考えると、つぼみのお花を選んだ方がいいかなと思うのですが、見た目華やかに咲いているお花を買ってしまいます。

A. 日本ではつぼみを選んで長持ちさせることを優先させますが、海外の方は満開に近いものを選んで、すぐに華やかさを楽しむといったことも多いです。
何がいいかは人それぞれです。あまり考えずに自分の心が動いた花をそばに置いてあげてください。
ちなみにつぼみ=日持ちとは一概に言い切ることはできません。例えば画像のフリージアは先端に小さなつぼみがたくさんついていますが、切り花にするとほぼ咲くことはありません。シーンや用途に合わせて、つぼみや咲いた花を選び分けてみてはいかがでしょうか。

切り花を長持ちさせるための飾り方とは?

窓際に花を飾りたいけれど長持ちしない

Q. 切り花を長持ちするように生けたいので、水換えをするときに氷を入れたりして冷たくはしているが、窓辺に置くとどうしても水がぬるくなって日持ちしない。ただ、窓辺に飾りたい気持ちには変わりはないので良い方法があれば知りたい。

A. 氷が茎に触れたままの状態が続くと、逆に茎が傷んでしまう場合がありますので、常温の水道水で十分です。何より切り花は直射日光や風(エアコンも含みます)が苦手です。本来は避けた方がよいのですが、明るい窓辺に花を置きたい気持ちもよくわかります!その場合はこまめに水を変えて、切り口をその都度切り戻す、葉はなるべく取って生ける(葉からの蒸散を防ぐため)といった花の手入れの頻度を増すことで長持ちさせることが可能です。

Q. これから暑い季節になると、花が日持ちしなくなるのが悩みです。

A. 気温が高くなると花瓶の中にバクテリアが発生しやすくなり、切り花の水の吸い上げが悪くなるのが長持ちしなくなる原因の一つです。対策としては、〈毎日水を替える〉〈花びんも洗剤を使ってしっかりと洗う〉〈茎も水洗いする〉〈茎を少しずつ切り戻す〉といったことで花の持ちは各段に上がると思います。
>>「ずっときれい!切り花が長持ちする4ステップ」もチェック!

 

お仏壇に供えた花を長持ちさせるには?

お仏壇に供えた花を長持ちさせるには?

Q. お仏壇の花立は小さいので、毎日水を変えてももたない。

A. 仏具の花立にこだわらず、飾りたいお花のボリュームで花器を選んでみてはいかがでしょうか。多くの場合は、花立や花の種類でのタブーはないので、自由にお考えいただてもいいかと思います。

Q. 花が好きだった故人に、仏前用だけど、ちょっとオシャレな花が欲しいと思うときもあります。

A. とても素敵なお考えですね。お供えの花はお好きなお花を手向けることが一番のご供養だと思いますので、菊などスタンダードなお供え花にこだわらず、お気に召した季節のお花を飾ってみてはいかがでしょうか。花器もそのお花に合わせて都度変えてみるのもおすすめです。

 

花を長持ちさせるために行いたい水揚げのやり方

花用のハサミ
水揚げの水切りを行うときは、水の中で切るのがおすすめ

お花を購入して家に持って帰ってきたとき、切り花を長持ちさせるために行いたいのが水揚げです。花瓶に生けるまでに、切り花の茎に細菌が繁殖したり、空気に触れることで傷んでしまっていると、花がしおれやすくなります。生ける前に必ず水揚げを行うことで、植物が水を吸い上げる力が保たれます。また、しおれてしまった花も水揚げをすることで、再びみずみずしさを取り戻すことができる場合があります。

今回は、一番ポピュラーな水揚げ方法である「水切り」のやり方をご紹介します。水揚げをするときに使用するはさみは、「花屋がおすすめする、家庭向きの花用ハサミの選び方」をご参照ください。

■水切りの手順

  1. 水を、清潔なボウルなどにためる
  2. ためた水の中で、茎を斜めにカットする
  3. 15cmほどの深さの水に1時間ほどつけて、「深水」する(この時、新聞紙などで花が真っ直ぐになるように包むと紙が花のささえとなり水が上がりやすくなります)

『花月暦』(パイインターナショナル刊)1980円

花毎の本が発売されました。二十四節気と花をあわせることで季節の移ろいを伝え、日々の暮らしを彩ります。歳時記研究家の広田千悦子さんが、その月ごとの習わしや旬の花を使ったしつらい、食などを解説。美しい文章と写真、イラストに心が安らぎます。

 

■もっと知りたい■


  • 花を知り、楽しむサイト 花毎

花毎(はなごと)

花屋の第一園芸が運営する花にまつわるコトを楽しむWEBサイト「花毎」。二十四節気とともに感じる季節の花を軸に、買うだけではない花の楽しみ方をさまざまな角度からご紹介。書籍に『花月暦』(株式会社パイ インターナショナル刊)

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