ヒヤシンスを花瓶で!新春らしい華やかな芳香を堪能
2023.01.072023年01月21日
プロに聞く!花を最後まで楽しむテクニック
春の香り「スイートピー」を楽しむ飾り方
春の気配を感じられる花「スイートピー」を部屋に飾りませんか?「花を知り、楽しむ」がコンセプトの第一園芸のWEBサイト・花毎(はなごと)の連載で、「二十四節気の花あしらい」を担当する谷中直子さんに、日持ちさせる花の飾り方を伺います。
スイートピーはどんな植物?
花屋の店先で最も早く春の到来を告げる花の一つがスイートピーです。晩秋から出荷が始まり、卒業式が行われる頃に最も多く出回ります。
スイートピーはシチリア島で発見され、1900年頃からイギリスで改良が進み、多くの品種が生み出されました。
和名ではカオリエンドウと呼ばれ、甘い香りや左右対称の蝶形花といったマメ科の花ならではの特徴があります。花の中でも特にカラーバリエーションが豊富で、黄、青、黒系以外の花色が存在しています。染色にも向いているため、前出の色など、自然では存在しない色に染められたスイートピーも出回っています。
スイートピー全体の花言葉は蝶が飛び立つような花の姿から「門出」などです。
- 出回り時期:11月~4月
- 開花時期:4月~6月
- 香り:あり
- 学名:Lathyrus odoratus
- 分類:マメ科レンリソウ属
- 和名:麝香連理草(ジャコウレンリソウ)、カオリエンドウ(香豌豆)など
- 英名:Sweet pea
- 原産地:イタリア・シチリア島
1月21日はスイートピーの日
スイートピーの生産者が呼びかけ、スイートピーの生産や普及促進を目的とした「日本スイートピーの会」が設立され、1月21日をスイートピーの日として記念日に登録しました。1月21日をスイートピーの日とした理由は、スイートピーの花は、1枚、2枚、1枚の3種類の花弁からできているから。
スイートピーのお手入れ方法
谷中「繊細な花びらは、蒸れやエアコンの風が苦手。なるべく涼しい場所で、エアコンの風を避けて飾ってみてください。もし、花瓶の中で下の方の花が水についてしまうようなら、もったいないですが、その花は切り取ってください。水についていると花も水も腐りやすくなります」(切り取った花のあしらい方は、下の方でご紹介しています。)
スイートピーの飾り方:無造作にふんわり生ける
スイートピーは冬から春にかけて、どこの花屋さんでも手に入りやすい人気の花です。今回使用したのは紫の「スプラッシュブルー」。白い花びらの上を藤色の絵具でサッと描いたような模様の花です(色を吸わせている訳ではなく天然です!)
スイートピーはカラーバリエーションも豊富で比較的安価なので、その時々の気分に合わせて楽しんでみましょう。
谷中「スイートピーをくるくる回して観察してみると、表と裏があることがわかります。多くの場合、正面から見たときに花のボリュームがあるのが表、花の背面や茎が見えるのが裏です。
ボリュームよく仕上げたい場合は表の向きを意識して生けると良いでしょう。
花の長さは切り揃えても、ランダムに花がついているのでナチュラルに見えます。最初は花屋さんで買った長さを生かしてざっくり生けてみましょう。
スイートピーは花びらが薄く蒸れやすい花なので、空気が通るようにふんわりと生けると、花一輪一輪がきれいに見える上に、花持ちもよくなるのでおすすめです」
スイートピーの飾り方:花材をプラスして春のはじまりを表現
スイートピーだけでも十分素敵ですが、スイートピーは主役にも脇役にもなれる花です。お手入れで短くなってきたら、花と枝ものを足してより春らしくイメージチェンジしてみましょう。
今回はほころび始めた木の芽が季節を感じる「土佐水木(トサミズキ)」と、切り花でも出回っているフリル咲きの「パンジー」を使いました。ベランダやお庭でパンジーを育てていらっしゃる場合は、少し長めにカットして使ってみては?
谷中「最初に枝もので大体の大きさを決めて、その足元にからめるようにスイートピー、パンジーを添えてみましょう。かっちり作ろうとせずに、ナチュラルに。左側に窓がある我が家に合わせて、光の方へ伸びていくようなイメージで生けてみました」
スイートピーの飾り方:水に浮かべて最後まで楽しむ
スイートピーは縦に花が付いているので、生ける際に下の花が水に浸かってしまう場合は、やむなくきれいな花を切る必要がある場合もあるかと思います。また、下の花から枯れていきますので、傷んだ花を摘み取っていくと、最後は一番上の花だけが残ります。どちらも捨てるには忍びない花です。こうした花を最後まで楽しむ方法を聞きました。
谷中「最後に残った一番上の花だけを枝に付いたまま飾ると、少し貧相に見えてしまうので、思い切って花だけをカットして、グラスに浮かべて楽しんでみてはいかがでしょう?
ワイングラスなどを使えば、少しの花でも、いろいろな方向から楽しめます。もちろんお手持ちの陶器のお皿などに浮かべても素敵です」
文=石川恵子(第一園芸・花毎)
花屋の第一園芸が運営する花にまつわるコトを楽しむWEBサイト「花毎」。二十四節気とともに感じる季節の花を軸に、買うだけではない花の楽しみ方をさまざまな角度からご紹介。花毎の書籍に『 花月暦』(株式会社パイ インターナショナル刊)
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※この記事は、花毎での連載「二十四節気の花あしらい」を基に制作しています。