お金の使い方で人生後半が変わる？

50代の6割が“趣味に投資”！お金の使い方で人生が変わる理由

公開日：2025年11月11日

50代女性の6割が、毎月1万円以上を“趣味に投資”。節約より“心の満足”を優先する人が増加中。ヨガ・旅・登山など、好きなことにお金をかけることで心が整い、生きる活力が生まれる——そんな「50代からの趣味投資」が新常識になっています。

節約より「満足」！50代女性が“自分のために使う”理由

「最近、好きなことにお金をかけていますか？」そう聞かれて「節約が第一」と答える人は、以前より少なくなっているのではないでしょうか。

「アクティブシニアの趣味・活動トレンド調査（※）」によると、実は50歳以上の約6割が趣味や活動に“月1万円以上”を支出しているのだそう。支出の目的として最も多かったのは、「気分転換」「健康維持」「仲間との交流」。お金を使うことが“自分の心と体を整える行為”へと変化しているのです。

かつては「家族のため」「子どもの教育費のため」と、使い道が他人中心だったお金。けれど50代になると、少しずつ意識が変わってきます。子育てや仕事が一段落し、手元に残る時間とお金を「自分の充実のために使いたい」と考える人が増えています。

調査では、「1〜3万円」を趣味や活動にかける人が最も多く（37.3％）。習い事や文化活動、旅行などに“定期的に投資”することで、心のバランスを保つ人が増えているようです。

「52歳のときに、大学の社会人講座で偶然、顔ヨガに出合いました。その時の自分の顔の変化に感動して、もっと学んでみたいと表情筋トレを学び、今ではトレーナーとして教える側に。年を重ねる楽しみを感じれるようになりました」（58歳・杉田美和さん）

“自分のためにお金を使う”ことを肯定できたとき、心がふっと自由になる。この感覚こそ、50代女性が「趣味投資」を始めるきっかけなのかもしれません。

調査で人気の趣味は「スポーツ」「旅行」「文化活動」。特に50代女性にとって、旅や学びは単なる娯楽ではなく、“心の栄養補給”のようなものです。さらに「週3回以上」活動する人が約4割、「週1〜2回」まで含めると実に8割近く。趣味や活動が“特別なことではなく日常の一部”になっている様子がうかがえます。

行ったことのない場所に出掛け、新しい人と出会う——その刺激が、生活にハリを与えてくれる。「モノを買う」より「体験にお金を使う」人が増えた背景には、コロナ禍を経て得た実感もあるのかもしれません。

「時間は有限。だったら“自分が心地よくなれること”にお金を使いたい」という意識が根づき始めています。

「台湾が大好きで、年に数回旅行しています。費用はかかるけれど、行くたびに元気になれるんです。現地の人との交流をもっと深めたいと“台湾華語サークル”を運営しています。仲間ができたことで、日本での暮らしにもハリが出てきました」（56歳・宇田川昌美さん）

“お金をかけた体験”は、思い出として残り、人生を温めてくれるもの。旅行や趣味を通じてつながった人との関係も、何よりの財産です。

調査によると、約8割のシニアが「週1回以上」趣味や活動に参加しています。もはや特別なイベントではなく、“日常の一部”として定着しているのです。

それは単に「遊び」ではなく、心のメンテナンス。毎週決まった時間に好きなことをすることで、生活にリズムが生まれ、メンタルの安定につながるといいます。

「40代後半でタンゴを習い始めました。タンゴは「3分間の恋」。日常でいろいろなことがあっても、タンゴを踊るこの瞬間だけは今に集中して楽しめる。そんな世界に夢中になりました」（60歳・小林理香さん）

“使うこと”は、“整えること”

お金をかけるからこそ、真剣に向き合い、続けられる。好きなことに夢中になれる時間が、心の余白を作ってくれます。

一見、趣味や旅行は「贅沢」に見えるかもしれません。けれど、心と体の健康、人とのつながり、学びの継続——これらをすべて支えているのが“好きなことに使うお金”です。

ある意味、それは老後への「投資」でもあります。趣味や活動がある人ほど、生活習慣病のリスクが下がり、孤独感も軽減されるという研究結果もあります。つまり、「今の自分を満たすお金の使い方」が、結果的に“未来の自分を支えるお金の使い方”になるのです。

50代は、老後を守るために我慢する世代ではありません。むしろ「今をどう楽しむか」で、その後の10年、20年の幸福度が変わります。“心が満たされるお金の使い方”こそが、50代女性がこれから育てていく新しい資産です。

“使う力”は、“幸せを選ぶ力”

誰かのために頑張ってきた時代を経て、ようやく自分の時間が戻ってくる50代。その時間をどう使うか、どんなことにお金をかけるかは、自分をどう生きるかと直結しています。

「貯めるより、楽しむことに使いたい」——そんな50代女性の生き方が、これからの“豊かさ”を定義していくのかもしれません。