心も暮らしも身軽になるために、「捨てる力」を取り戻す!
心も暮らしも身軽になるために、「捨てる力」を取り戻す!
公開日:2025年06月25日
教えてくれたのはこの2人
古堅純子(ふるかた・じゅんこ)さん
幸せ住空間セラピスト。快適な住空間をつくるコツを提案し多数メディアで活躍。YouTubeチャンネル「週末ビフォーアフター」も大人気。週末ビフォーアフター初のマンガ化「古堅純子の片付け事件簿」(KADOKAWA)が話題
渡部亜矢(わたなべ・あや)さん
1965年、神奈川県出身。片づけ講師、実家片づけ整理協会代表理事。著書に「実家の片づけ 親とモメない『話し方』」(青春出版社刊)など多数。
ゴールを明確にして片付けると、その後もキープしやすい

自分なりに片付けても、またすぐ散らかって片付けが必要になる、そんな状態に陥っていませんか。原因はズバリ「片付けのゴール(目的)を決めずに手をつけるから」と指摘するのは、片付けのプロ・古堅純子さん。
「片付けて何をやりたいのか」「どんな部屋だと毎日がラクに楽しくなるのか」というゴールを明確にせずに闇雲に物を捨てて片付けても、ゴールにたどり着けず挫折してしまいます。
物があふれる暮らしの中で、鈍ってしまった「捨てる力」を今こそ取り戻して、心も暮らしも身軽になりましょう。
「捨てる力」を取り戻す、片付けの基準
基準1:自分がラクに管理できる物量か
ラクに管理できる物量は、数で決める方法と、スペースで決める方法があります。例えば食器は見える物は手に取りますが、見えない物は使わなくなるので、見渡せる範囲に収まる量が目安です。
基準2:よく使う物がすぐ取り出せるか
使う物と使わない物が混在していると、探し物が増えて日々のストレスに。使わない物は捨てるか、一時保管場所に置いて処分の検討を。よく使う物は取り出しやすい定位置を決めると、暮らしが快適になります。
基準3:やりたいことができる空間があるか
例えば「床の上でのびのびストレッチをしたい」「テーブルの上で花を生けたい」といった目標が明確にあれば、余分な物を捨てやすくなるだけでなく、片付いた状態を維持するモチベーションにもなります。
ラクに管理できる物量の目安を知りましょう
「年を重ねるほど管理できる物の量は減ってきます。自分が管理できない物、使い切れない物は手放しましょう」と話すのは、片付け講師の渡部亜矢さん。
そこで渡部さんに、管理しやすい物の量を伺いました(夫婦二人暮らしの場合)。料理が好き、食器集めやおしゃれが趣味など、人によって最適な量は異なりますが、ぜひ参考にしてください。

調理器具・キッチンツール
- 鍋……中・小各1個
- フライパン……1個、卵焼き用…1個
- おたま、トング、計量スプーン……各1本
- 菜箸……2~3組
- 包丁……中サイズ2本、ペティナイフ1本(パンを焼く人は+パン切りナイフ1本)
- キッチンバサミ……1本
鍋は水を入れてもラクに持てる大きさにしましょう。卵焼き器は小サイズのフライパンで代用できます。また、電気ケトル、電気圧力鍋、オーブンレンジなど、買い替えできるものは早めに買って慣れておくと、フライパンや鍋の数も減らせ、かつ安全でラクです。
食器・カトラリー
- 皿……大皿1〜2枚、取り皿2枚+来客用(帰省する子どもや孫の人数)
- 湯呑み2個、急須1個、コーヒーカップ2客
- 普段使いの箸、フォーク・スプーン・ナイフ……各2膳(本)+1(予備)
- ザル……1〜2個
- ボウル……大・小各1個
日本では和洋中とさまざまな料理を作るので食器の種類が多めです。用途によって持つのもよいですが、増え過ぎたり迷ったときは和食器を残すのがおすすめ。和食器は料理を問わず汎用性が高いので、ラーメンやパスタを和風皿に入れても違和感はありません。また軽い物や電子レンジで使える物を選ぶとよいでしょう。
家の物あれこれ
- エコバッグ……1~2枚
- 文房具……1セット(ハサミ類など用途が違う物は荷ほどき・荷造りする場所、リビング、キッチンなどに1つずつ置く)
タオル類
- バスタオル……2枚(毎日洗う人は4枚)
- フェイスタオル……2~4枚
- ハンドタオル……4枚
タオルや衣類は洗濯回数に応じて枚数は変わります。乾燥機付き洗濯機の人は少なめの目安でOK。バスタオルは乾きづらく、かさばるので、バスタオルをやめてフェイスタオルのみにするのもおすすめです。
バッグ、靴(女性)
【バッグ】
- 普段使い……大・小各1個
- 買い物バッグ……1個
- 冠婚葬祭用……1個
【靴】
- 日常用……2~3足
- おしゃれ用……1~2足(冠婚葬祭用含む)
- 長靴……1足
バッグも靴も、日常用はデザインよりも軽さや履きやすさを重視しましょう。下駄箱は防災用品を入れるのに好都合なので、スペースを確保するつもりで靴を減らすとよいです。女性用の靴を2足減らせば防災用リュックが1つ入ります。
次回からは、スッキリ身軽な3人の達人に学ぶ、50代からやっておくべき片付けを実例付きで紹介します。
取材・文=三橋桃子、塚本由香(ともにハルメク編集部)、イラストレーション=ハニュウミキ
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年11月号を再編集しています




