瀬戸内寂聴さん「死んだら、怖さも懐かしさも無に…」
2022.11.092022年08月20日
人生の先輩たちの名言に学ぶ・2
瀬戸内寂聴さん「あなたは60代で輝かしいほど若い」
「ハルメク」のインタビューや記事で掲載した人生の先輩たちの名言から、これからの生き方のヒントを学ぶ連載企画。前回に続き今回も、瀬戸内寂聴さんの輝く名言を紹介します。「あなたはまだ60代で、輝かしいほど若い」という寂聴さん。その理由とは?
できることを見つけては、生き抜いてきました
88歳のとき、背骨の圧迫骨折で起き上がれなくなって、生まれて初めて半年間、寝たきりになったという、瀬戸内寂聴さん。
「大病を患い、気分の落ち込みから立ち直れない」という読者に「確かに病気と向き合うことはつらいことで、これこそ本当の孤独を試される試練です。私も『神も仏もないのか』と思うほどのつらさを延々と味わいました。でもあるとき、自分なりの楽しみを見つけたことで、這い上がることができました」とやさしく寄り添います。
実際、病から立ち直った寂聴さんはその後、病気の孤独の中で感じたことを句集『ひとり』(深夜叢書社刊)にまとめ、自費出版したそう。
「振り返ると生まれて1世紀に近い生涯で苦しいことにぶつかったときは、自分が一生懸命になって、できることを見つけては、生き抜いてきました」
生きる意味が必ず見えてくるはずです
2021年11月9日に99歳で生涯を閉じた、瀬戸内寂聴さんですが、最期の最期まで作家として書き続けている姿が印象的でした。
もう60歳だから、病気だからと、人生を諦めるのではなく、今の自分に与えられた環境で、好きなこと・楽しいことを見つけて「生き抜く」こと。
「あなたはまだ60代で、輝かしいほど若い。好きなこと、楽しみを見い出すことで、生きる意味が必ず見えてくるはずです」
その言葉通り、人生をまっとうした寂聴さん。生前の言葉に学び、これからを前向きに生きるヒントにしたいものですね。
瀬戸内寂聴さんのプロフィール
せとうち・じゃくちょう 1922(大正11)年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で女流文学賞受賞。73年に平泉中尊寺で得度、法名寂聴となる。92年『花に問え』で谷崎潤一郎賞受賞。98年『源氏物語』現代語訳を完訳。2006年、文化勲章受章。他に『死に支度』『わかれ』『求愛』『いのち』、句集『ひとり』など著書多数。
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