家族関係、病気…心のモヤモヤが消える!
瀬戸内寂聴の人生相談3「大病を患ってから孤独に」
瀬戸内寂聴の人生相談3「大病を患ってから孤独に」
更新日:2024年11月05日
公開日:2020年07月01日
相談3:大病を患い、気分の落ち込みから立ち直れません
今春、大腸がんと診断されて手術を受け、現在は療養中です。免疫力を上げるためにも心を前向きにと思うのですが、体調不良を抱えて気分の落ち込みから立ち直れません。
3年前に夫を亡くし、大病を患い、孤独の淵に取り残された気がします。私に生きる意味はあるのかと考えてしまいます。(62歳・新潟県)
瀬戸内寂聴さんのアンサーは?
好きなこと、楽しいことを見つけること。苦しみが実りに変化します
私は88歳のとき、背骨の圧迫骨折で起き上がれなくなって、生まれて初めて半年間、寝たきりになりました。92歳のときには再び圧迫骨折と、胆のうがん、うつまで経験しました。でもまた元気になりました。
確かに病気と向き合うことはつらいことで、これこそ本当の孤独を試される試練です。私も「神も仏もないのか」と思うほどのつらさを延々と味わいました。でもあるとき、自分なりの楽しみを見つけたことで、這い上がることができました。
それは、句集を作ることでした。これまで数多くの小説やエッセイを出版してきた私ですが、句集は1冊も出していません。今どき私の句集なんて売れはしません。でも自費出版ならと決意しただけで、気持ちがワクワクして、いつの間にか後ろ向きの気持ちは吹き飛んでいました。
そして、病気の孤独の中で感じたことを句集『ひとり』(深夜叢書社刊)にまとめ、自費出版することができました。こうして苦しみは、人生の実りにつながりました。
振り返ると生まれて1世紀に近い生涯で苦しいことにぶつかったときは、自分が一生懸命になって、できることを見つけては、生き抜いてきました。
自分のことばかり述べましたが、あなたはまだ60代で、輝かしいほど若い。好きなこと、楽しみを見い出すことで、生きる意味が必ず見えてくるはずです。
瀬戸内寂聴
せとうち・じゃくちょう 1922(大正11)年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で女流文学賞受賞。73年に平泉中尊寺で得度、法名寂聴となる(旧名晴美)。92年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、2011年『風景』で泉鏡花文学賞受賞。98年『源氏物語』現代語訳を完訳。『釈迦』『死に支度』『わかれ』など著書多数。
取材・文=清水麻子、五十嵐香奈(ともにハルメク編集部) 撮影=大島拓也
※この記事は雑誌「ハルメク」2017年12月号に掲載した記事を再編集しています。
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