60代は神様の贈り物「責任と自由」どちらも大切に

浅野ゆう子!57歳で選んだ結婚と「無理はしないで」輝く方法

浅野ゆう子!57歳で選んだ結婚と「無理はしないで」輝く方法

更新日:2025年10月15日

公開日:2025年09月03日

13歳でデビューしてから50年。「この年までずっと仕事を続けてこられたのは本当に幸せなこと」と語る俳優の浅野ゆう子さん。野際陽子さんとの関係や、ご自身の結婚生活など等身大の思いを聞きました。

 

浅野ゆう子さんプロフィール

あさの・ゆうこ。1960(昭和35)年、兵庫県神戸市生まれ。74年に歌手デビューし、日本レコード大賞新人賞受賞。ドラマ「太陽にほえろ!」で俳優デビュー。80年代後半から90年代前半にかけて「抱きしめたい!」などのトレンディドラマで活躍。95年公開の映画「藏」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞。その後もテレビ、映画、舞台と幅広い分野で活躍している。

60歳を過ぎたら我慢せず「無理なものは無理」と言っていい

小学6年生でスカウトされ、神戸から単身上京し歌手デビューした浅野さん。デビュー当初からドラマにも出演していました。「歌もお芝居も演じるというのは同じ。でも私は歌よりお芝居をしている方が自分らしくいられると気付き、俳優1本でやっていこうと決めたのが20代中盤でした」

28歳のときに浅野温子さんとともに主演した「抱きしめたい!」以降、数々のトレンディドラマに出演。多忙を極めた30代の頃、ある人に「恋をした」と振り返ります。

「私の母役や姑役を演じてくださった野際陽子さんとの出会いは大きかったですね。当時野際さんは50代。デニムにスニーカー、ベースボールキャップにプラダのリュック姿がかっこよくて、お人柄も素晴らしい方で、“この人と一緒にいたい”と、私は恋をしていました。それから長年仲良くさせていただいて、恋から家族愛に変わっていきました」

トレンディドラマのブームが終わり、40代になった頃、「この先どう生きていけばいいか迷っていた私に、野際さんは『あなたは一芸に秀でている人だから』とおっしゃってくださって。その言葉におだてられて仕事を続けることができました」と浅野さん。

もう一つ宝物にしている野際さんの言葉があるといいます。

「50代目前の誕生日にいただいたお手紙に『女は50歳からよ』と書かれていたんです。たぶん野際さんは50代で離婚を経験されて非常に自由になって楽しかったんだと思います。“私もまだまだこれから”という気持ちになれました」

2017年、野際さんは3年の闘病を経て肺がんで亡くなりました。「生前に『家族葬がいい』と野際さんがおっしゃったので、『じゃあ私は最後にお別れできないですね』と言ったら『あなたは家族でしょ』と。それで最後までそばにいさせていただきました」

57歳にして初めて結婚を決断した理由

buritora / PIXTA

「女は50歳からよ」という言葉どおり、浅野さんは57歳で一般男性との結婚を決断しました。

「それまでたぶん一人で生きていくんだなと思っていました。一人なら自分の責任だけとればいいけれど、パートナーと一緒に生きるということは、互いに相手の責任も全部背負う覚悟が必要ですよね。50代半ばを過ぎて私もようやく大人になったというか、責任と覚悟を持てるくらい強くなったんだと思います」

結婚後しばらくしてコロナ禍に。ステイホーム中は料理にはまったそう。

「私一人ならご飯に何かをかけて丼にすれば十分なんですが(笑)、彼はお酒を飲む人なので、おつまみが必要なんですね。ネットのレシピ検索にも助けられ、毎日数品おかずを作っていました。でも今はコロナ禍のような時間はないので、無理せず料理はできるときだけです」と浅野さん。

2024年10月、浅野さんは自身のインスタグラムに92歳の誕生日を迎えた母親との2ショットを掲載。「神戸で暮らす母のもとに毎月通っています。私の仕事を一番喜んでくれるのが母ですし、元気でいてくれることが大きな励みです」

「60歳を過ぎたら、できないものはできない、無理なものは無理と言っていいんです」と強調します。

「60歳以降は神様がプレゼントしてくださった時間だと思います。その時間をいかに楽しく自分が満足して過ごせるかを一番に考えるべき。たとえ夫や家族に何か言われても『私は私ですから』と言っちゃっていいと思います。私も今そうやって生きてますし、残りの時間も楽しみたいです」

取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部)、撮影=中西裕人、スタイリング=井阪 恵、ヘアメイク=園部タミ子

※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年2月号を再編集しています。

 

HALMEK up編集部
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