好奇の目・偏見にさらされても、変わらずいられた理由
2024.10.062023年11月03日
ハルメク365 プレミアム★インタビュー
シリーズ|彼女の生き様 山田詠美
山田詠美さんに 人生のあれこれをじっくりお聞きしました!
恋愛、不倫、結婚…山田詠美さんが思う人間関係の本質
50代女性なら一度は、青春時代、山田詠美さん描く恋愛小説の世界に没頭したことがあるのではないでしょうか?そして、鮮烈なデビュー後の誹謗中傷を目にしたことが……。
自伝的小説『私のことだま漂流記』には、黒人米兵とクラブ歌手の同棲生活を描いた『ベッドタイムアイズ』でデビューした当時、山田さんの身の回りで起こった心無い批判や誹謗中傷について明かされています。
「今ならリベンジできるかな、と思って(笑)」と微笑む山田さんですが、苦しい時期を耐えて自分を信じて書き続けられたのは、家族や友人のおかげ、と振り返ります。
時にスキャンダラスに語られがちだった小説、自身の恋愛、結婚、離婚……。でも、それらの本質とは何なのか、60代になった山田詠美さんが語り、改めて私たちに気付かせてくれます。
周囲の目が気になって一歩を踏み出せないとき、大切なものを手放してしまいそうなとき、シンプルに心に響く山田さんのお話に、きっと勇気づけられるはずです。
「明日、死ぬかもしれない」と思って生きる
夫や恋人との別離、友人の死、そしてニューヨークで「9・11」と呼ばれる同時多発テロが起きたときに受けた衝撃……多くのものを失う経験は、山田さんに一つの強い思いを抱かせました。
「明日死ぬかもしれないよ」
ですがこの経験が、今の山田さんの生き方を変え、根底にあり続けているといいます。最愛の両親を、介護を経て立て続けに看取った日々もそう。50代で10歳年下の夫と再婚してからの、何気ない日常もそう。それは、恐れではなく、むしろ大きくて穏やかな愛に包まれた世界観です。
人生後半を生きていくのに、何をよりどころにすればいいだろう、と考えることが増える大人女性たちに贈る、「プレミアム★インタビュー 山田詠美」。じっくりお読みください。
写真=林ひろし
【シリーズ|彼女の生き様】
山田詠美《全5回》
山田 詠美
やまだ えいみ
1959(昭和34)年、東京生まれ。明治大学文学部中退。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞を受賞しデビュー。87年に『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。近著に『私のことだま漂流記』『血も涙もある』、最新刊に『肌馬の系譜』。芥川賞の選考委員を2003年から務める。