脳科学で解消!夫婦のイラもや#3
自分ばかりが我慢はイヤ! 夫への怒りや負の感情を解消するには?
自分ばかりが我慢はイヤ! 夫への怒りや負の感情を解消するには?
更新日:2026年03月13日
公開日:2026年01月27日
教えてくれた人:大嶋信頼(おおしま・のぶより)さん
心理カウンセラー。株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。延べ10万件以上の臨床経験を持つ日本の心理カウンセリングの第一人者。『脳を休めればすべてがうまく回り出す』(WAVE出版刊)など著書多数。
【脳科学的対処法】“期待しすぎな自分”に気付き、負の感情を生むサイクルを知る

いつの間にか出来上がった力関係に縛られて、夫に言いたいことを我慢している、いつか相手が変わってくれることに期待している。
こうした関係性を修復するためには、まず、「相手に対して下手に出るのをやめましょう」と、心理カウンセラーの大嶋信頼さんは言います。
「自分より相手を上に見たり、優れていると捉えると、ストレスに関わる脳領域を刺激し、不快感や怒りをもたらします。続けて孤独に関わる脳領域が刺激されて孤独感が増幅し、さらに期待をつかさどる脳領域が刺激。そこで産生されるドーパミンがストレスに関わる脳領域を再び刺激して……と、連鎖を繰り返す結果、負の感情は大きく育ってしまうのです」
負の感情の連鎖が何度も繰り返されるのは、脳にとって大きな負担になります。脳は炎症を起こしたような状態になってしまい、認知機能も低下してしまうと、大嶋さんは指摘します。
「わかるはずのことがわからない、見えるはずのものが見えていないのも、本来の自分の能力を使えていないから。改善するためにも、下手に出るのはやめ、さらに、相手に期待する気持ちに気付いたら『そんなことはどっちでもいい』と思いましょう」
負の感情を生む脳の働きが抑制され、落ち着きを取り戻せます。すると脳の炎症も次第に治まり、認知機能も回復。「本来の自分を取り戻すことができ、自分らしい生き方ができるようになります」
脳のシステムによって期待が怒りを生み、怒りが孤独を呼ぶ
【期待】自分の抱く「こうあるべき」 「こうしてほしい」という考え

期待や欲望に関与して働くのが、中脳にある「腹側被蓋野(ふくそくひがいや)」。動機付けに関わる神経伝達物質「ドーパミン」を分泌し、「外側手綱核」を刺激します。
【怒り】期待が現実とズレたとき「なぜ?」と失望する気持ち
不快感や嫌悪刺激など、嫌なことが起こったことをいち早く検出する「外側手綱核(がいそくたづなかく)」。挑発を受けると「背側縫線核」へ延びる神経細胞が活性化。
【孤独】「誰にも理解されていない」という感覚

「背側縫線核(はいそくほうせんかく)」は孤独に関わる脳領域。神経伝達物質の「セロトニン」を産生。「外側手綱核」から刺激を受けると「腹側被蓋野」へ延びる神経細胞が活性化し、攻撃行動が激化。
「期待」「怒り」「孤独」は、人間関係の中で誰もが経験しうる感情ですが、その繋がりを理解することで、自分自身の心の状態と向き合う一助となります。
期待が大きければ大きいほど、それが満たされない時の落胆は大きく、強い怒りや孤独感につながります。
実は、期待しなければ「怒り」も「孤独」も感じないものなのです。
取材・文=大門恵子(ハルメク編集部)、イラストレーション=あべさん
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年6月号を再編集しています。




