熟年夫婦クライシスはある日、突然に

55歳の吉岡ヨシ子は、お見合い結婚した4歳年上の夫・康と地方の郊外で二人暮らし。一人息子はとうに独立している。経済的にも恵まれ、はたから見れば不自由のない家庭だった。

結婚30年、仲良く暮らしていたはずの夫婦に何が起きたのか――。

※漫画「うちのツマ知りませんか？」（はちみつコミックエッセイ）からお届けします。

いつもと何も変らない夜、だったはずが――

「お醤油買ってくる」

そう言って家を出たヨシ子を、少しおっちょこちょいな妻だと思いながら見送った夫・康は、再び眠りについた。いつもと変わらない、夫婦二人の夜のはずだったが……。

朝起きたら、妻が家から消えていた

朝になっても、家に妻の姿はなかった。夫に何の連絡もないまま、忽然と姿を消したヨシ子。胸に不安を抱えつつも、夫はいつも通り出社する。

仕事をしながら、ヨシ子の行き先を必死に考えてみるものの、手がかりは何一つ浮かばない――。

おぼろげな記憶を頼りに、妻が働いていたパート先へ電話をかけてみるが、返ってきたのは思いもよらぬ言葉だった。

「いい加減、もう帰っているだろう」そう思いながら帰宅した夫を待っていたのは――。

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「うちのツマ知りませんか？」

野原広子・著（はちみつコミックエッセイ）

第25回手塚治虫文化賞短編賞受賞作家・野原広子の最新作。結婚30年、穏やかに仲良く暮らしていたはずの妻が、ある日突然失踪する。夫にはまったく心当たりがなく、理由もわからないまま、不安と疑念だけが膨らんでいく。

妻はなぜ姿を消したのか——。最後のオチは、決して他言しないでください。

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