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【書評】寮美千子著『なっちゃんの花園』他3冊

公開日:2021/12/11

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雑誌「ハルメク」の編集部員がおすすめする新刊情報を毎月お届けします。今月は、著者・寮美千子さんが偶然出会った、在日二世であることから過酷な人生を送ってきた「なっちゃん」の、勇猛果敢な生き方を綴った本など3冊をご紹介します。

【書評】寮美千子著『なっちゃんの花園』他3冊

寮 美千子著『なっちゃんの花園』

寮 美千子著『なっちゃんの花園』
西日本出版社刊 1320円

著者の寮美千子さんが夫と散歩しているとき川岸に見つけた、花咲き乱れる庭。それは80歳を超える在日二世の「なっちゃん」が丹精した庭でした。実はその花はナガミヒナゲシという繁殖力旺盛な外来種。その出会いをきっかけに寮さんは、なっちゃんの壮大な人生に耳を傾けることになります。

在日であることがいかに過酷な人生を強いるか――小学校で壮絶ないじめに遭い、50代で夜間中学に通うまで字の読めない人生を果敢に歩んだなっちゃん。結婚、子育て、仕事……次々問題が発生しますが、その都度自力で片をつけていきます。その生き方は実に見事。そしてこの偶然の出会いを一冊の本になるまでに昇華させた寮さんの行動力、コミュニケーション力に勇気をもらえます。

内田洋子著『海をゆくイタリア』

内田洋子著『海をゆくイタリア』
小学館文庫 726円

長年イタリアに暮らし、市井の人々の生きざまを描いてきた著者。25年ほど前、縁あって古い帆船「ラ・チチャ号」と出合い、6年間、イタリア半島を港から港へとまわりながら、船の上で暮らしたことがあったのだそうです。本書は、船に訪ね来る友人や寄港地の知人たち、共同船主になったシルヴェリオはじめ海仲間との親交を通して聞いた話を、カプリ、パレルモ、ヴェネツィア……12都市を巡る140日間の航海日誌のような形式でまとめた一冊です。

甲板で繰り広げられる食事のシーンや人々が語る言葉に、イタリアの自然や歴史、文化が凝縮されていて、本当に豊かな人生とは何か、まるで共に船の上で過ごしながら、語り合い、考えているような気持ちになりました。

安奈 淳著『70過ぎたら生き方もファッションもシンプルなほど輝けると知った』

安奈 淳著『70過ぎたら生き方もファッションもシンプルなほど輝けると知った』
主婦の友社刊 1760円

宝塚歌劇団の男役・トップスターとして活躍し、「ベルサイユのばら」のオスカル役でも知られる安奈淳さん。退団後、実は30代から病を患い、50~60代では一時、命も危ぶまれるほどの状態だったといいます。入退院を繰り返す壮絶な闘病を機に、家中のさまざまな物を処分。本当に気に入った物だけが手元に残ったことで「今ある物をとことん輝かせる」という考え方に行きつきます。

本書ではそんな安奈さんの現在の暮らしと、シンプルなのにおしゃれなファッションスタイルを写真たっぷりに紹介。物も人間関係もすべて心地よいものを選べばいい――そんな潔い生き方に、憧れずにはいられません。

※この記事は2021年12月号「ハルメク」に掲載された内容を再編集しています。


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