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- 9月:野菜を干して、漬けて、夏の元気の素に
料理研究家・横山タカ子さんの季節のしつらいをお届けする連載企画。今回のテーマは「夏野菜」。信州の料理研究家・横山タカ子さんは、夏場に豊富に穫れる野菜を、おいしく食べ切るため、よく晴れた日に干すなど、ひと工夫をしています。
野菜をたっぷりとれるうれしさ。夏の食卓が豊かに
キュウリ、ナス、ミョウガ、夏場はおいしい野菜が豊富に穫れますね。この恵みの野菜を無駄にせず食べ切りたい。そんなとき作るのは、「野菜の干し漬け」です。野菜をたっぷりとれるうれしさがあり、夏の食卓が豊かになるんです。
キュウリ、ナス、ミョウガは薄く切り、全体の2%の塩をふり、重石をして水が上がるまで1~2時間置きます。水をよく切り、ざるに広げ、陽に当てます。この日はよい天気で、5~6時間干せば十分でした。
大量の野菜の水分が飛び、驚くほどかさが減って、昔の人の知恵はすごいなと思います。干し上がった野菜をボウルに移し、漬け汁(以下を参照)を全体にかけ、保存瓶に入れ、冷蔵庫に保存すると約1か月もちます。
そうめんのつゆに入れたり、カレーに添えたり。鍋にゴマ油、少ししょうゆを加えて炒めると、つくだ煮風に変化します。暑い日々を元気に乗り切りましょう。
漬け汁の作り方
しょうゆ大さじ2、かつおだし大さじ4、みりん大さじ1と1/2、砂糖小さじ1と1/2、刻んだ昆布10cm、小口切りの唐辛子1本を混ぜます。
今月のお茶うけ: じゃがいものこねつけ
今月は、残りご飯とじゃがいもで作る、信州の郷土料理「じゃがいものこねつけ」を紹介します。炊飯器でご飯を炊くとき、中くらいのじゃがいもを2個入れて一緒に炊けば、ゆでる手間が省けますよ。
私は、夫がじゃがいも好きなのでよく作ります。簡単で、主食にもなる一品。ぜひお試しください。
【作り方・レシピ】
- ゆでたじゃがいも150gは、細かく切り、残りご飯150g、みそ大さじ1と合わせてこね、6等分にして、小判形に丸める。
- フライパンに少しの油をひいて熱し、1を6個並べ、両面を焼く。お好みで、砂糖とはちみつ少量を添えてもOK。
執筆者プロフィール:横山タカ子さん
よこやま・たかこ 1948(昭和23)年、長野県大町市生まれ。長野の郷土食の知恵を生かした家庭料理や保存食を提案。NHK「きょうの料理」などテレビ・ラジオで活躍。年に300日は着物で暮らし、古きよき生活の知恵を取り入れたライフスタイルも人気を集めている。著書に『四季に寄り添い 暮らしかさねて』(信濃毎日新聞社刊)など。
撮影=小林キユウ 構成=野田有香(編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2020年9月号に掲載したものを再編集しています。
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