更年期の不調:気になる症状と対処法

更年期のお悩み、尿漏れ・頻尿。トレーニングで改善も

公開日:2018/07/02

更新日:2022/02/28

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尿漏れも頻尿も更年期にとても多い悩みです。くしゃみや咳をした瞬間に尿が漏れる、頻繁にトイレに行きたくなるなど、いつもトイレの心配をしなければならないのは憂うつですね。軽症ならトレーニングで改善できるので、早めにケアを始めましょう。

更年期のお悩み、尿漏れ、頻尿。トレーニングで改善も

更年期の「腹圧性尿失禁」は骨盤底筋群の衰えが原因

尿道を支える骨盤底筋群の衰えが原因

重い物を持ったときや笑ったりくしゃみをしたりした瞬間に尿漏れが起こる、という場合に考えられるのは「腹圧性尿失禁」です。

主な原因は骨盤底筋群という筋肉の衰えとゆるみ。骨盤底筋群とは、その名の通り骨盤の底の部分、尿道や肛門周囲にある筋肉のこと。

尿道を支える骨盤底筋群の衰えが原因

更年期には女性ホルモンの減少によって全身の筋肉が衰えますが、骨盤底筋群も例外ではありません。

骨盤底筋群は膀胱や尿道、子宮、直腸といった内臓を下から支え、尿道や腟を締める働きもあります。ところが、ここが弱まることで尿道をしっかり締めることができず、くしゃみなどで腹圧がかかったときに尿が漏れてしまうのです。

骨盤底筋群は出産の経験がある人ほど衰えやすい傾向があります。

また、尿失禁にはもう一つ別のタイプもあります。「切迫性尿失禁」といい、尿意を感じてトイレに行ったら急激に尿意が強まり、間に合わずに漏れてしまうというもの。

やはり骨盤底筋群のゆるみも関係ありますが、更年期障害による自律神経の乱れで膀胱が過度に収縮してしまうことや、女性ホルモンの減少で尿道や膀胱の粘膜が薄くなり、尿意を強く感じやすくなる「過活動膀胱」が原因となります。

過活動膀胱は脳や神経の障害で起こる場合もありますが、更年期の女性では骨盤底筋群の衰えやゆるみと自律神経の乱れが原因となることが多いようです。

頻尿は尿漏れを気にしすぎるとなりやすい

頻尿は尿漏れを気にしすぎるとなりやすい

尿漏れがたびたび起こるようになると、予防のためにこまめにトイレに行きがちですが、その行動がかえって過活動膀胱に拍車をかけ、頻尿になってしまうことがあります。

頻尿になると外出先では常にトイレの心配をしなければなりません。そのため、映画や演劇、コンサート、スポーツ観戦などが、心から楽しめなくなったという人も少なくありません。なかには尿漏れの不安から、思うように外出できなくなってしまったというケースもあります。

また、夜間の頻尿は睡眠不足の原因にもなります。ひどいときは夜中に2〜3回トイレに起きなければならず、心身ともに負担が大きくなります。

過活動膀胱は薬で治療できるので、頻尿で困っている人は婦人科や泌尿器科を受診して早めに相談しましょう。

体の中の水分の調整や冷えを改善する漢方薬もおすすめ

また、頻尿や尿漏れは漢方薬で改善できる場合もあります。

「西洋薬は飲みたくない」「尿漏れを根本改善したい」そんな方には自然由来の治療薬として泌尿器科でも使われている漢方薬がおすすめです。

漢方医学では尿漏れや頻尿は、体の中の水分の巡りが悪いために、排尿・排泄、水分代謝の機能が低下することで起きるとされています。また、体の冷えによって排尿のトラブルが生じるとも考えられています。

そのような体の中の水分の調整や冷えの改善などを漢方薬は得意としているのです。

一般的に、漢方薬は自然にある生薬を組み合わせて作られており、医薬品として効果が認められていますが、例えば西洋薬で頻尿によく用いられる抗コリン剤の副作用のように、口の渇きなどの副作用がみられないのが特徴です。

また、症状の緩和だけではなく、体質の改善に働きかけることで根本的な解決を目指すので、同じ症状を繰り返したくないという思いに応えてくれます。

頻尿や尿漏れに悩む女性におすすめの漢方薬

  • 猪苓湯(ちょれいとう):さまざまな尿のトラブルに尿量を増やし、頻尿や排尿しても出しきっていないような残尿感、排尿痛を改善してくれます。
     
  • 八味地黄丸(はちみじおうがん):疲れやすく冷えのある方の頻尿に体を温め、泌尿器系、生殖器系の機能を補う働きがあります。夜間頻尿や尿漏れ、残尿感のほか、腰痛などにも用いられます。


漢方薬は、ご自分の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

また、八味地黄丸など高齢の男性向けの漢方薬と考える人も多いのが現状で、自分に合う漢方薬を探すのは大変です。

しかし、最近では、オンラインで薬剤師とAI(人工知能)が漢方薬を選んでくれる「あんしん漢方」などのサービスもあるので、一度無料相談をするのもおすすめです。

骨盤底筋を鍛えるトレーニングが効果的

骨盤底筋を鍛えるトレーニングが効果的

膀胱の過度な活動を自分でコントロールするトレーニング法もあります。

膀胱内にある程度尿がたまってから排尿する習慣をつけるのです。トイレに行きたいと思っても、もう少しだけ我慢してみましょう。くり返し続けることで膀胱の過活動が緩和されます。

腹圧性尿失禁の改善には、骨盤底筋群を鍛える体操がおすすめです。

初心者は寝て行う方法が簡単です。あお向けに寝て両ひざを立て、おしりは床にぴったりとつけます。そのままの状態で腟と肛門をキュッと引き締めます。3秒間キープし、力を抜きます。1日5回を目安に行いましょう。ほかの筋トレ同様、やめると再び筋肉がゆるんでしまいます。できるだけ毎日続けることがポイントです。

コツがつかめたら、椅子に座った姿勢でもできるようになります。テレビを観たり、本を読んだりしているときなどを利用してトレーニングするとよいでしょう。

ところで尿漏れや頻尿があると、お茶や水などの水分を摂るのを控える人がいますが、これはいけません。脱水症や熱中症を起こす恐れがあり、特に夏場は危険です。また、水分摂取を控えて尿の量が極端に減ると、膀胱炎などの尿路感染症を起こしやすくなります。水分はきちんと摂りましょう。

監修者プロフィール:横倉恒雄さん(横倉クリニック)

横倉恒雄さん(横倉クリニック)

よこくら・つねお 医学博士。医師。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。婦人科、心療内科、内科などが専門。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。著書『病気が治る脳の健康法』『脳疲労に克つ』他。日本産婦人科学会認定医 /日本医師会健康スポーツ医/日本女性医学学会 /更年期と加齢のヘルスケア学会ほか。

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ハルメクWEB編集部

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