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更年期障害の症状と対処法
更年期の抜け毛や薄毛の対策方法を髪のプロが解説!
クレアージュ エイジングケアクリニック総院長
浜中聡子
公開日:2018.07.02
更新日:2024.05.22
更年期障害の気になる症状・対処法を解説する連載企画。今回のテーマは「髪のトラブル」です。更年期は女性ホルモンの減少で抜け毛や薄毛など、髪のトラブルが増える時期。対策法とともに、更年期に薄毛になりやすい人のNG生活習慣もチェックしましょう。
更年期の抜け毛はホルモンバランスの変化が原因
更年期に抜け毛が増えるのは女性ホルモンの減少に加え、男性ホルモンの影響が強く出てしまうことが原因と考えられています。
女性にもごく微量ながら男性ホルモンが分泌されており、更年期に女性ホルモンの分泌が減ってくると、相対的に男性ホルモンの作用が高まってしまうのです。男性ホルモンの影響が強まると髪の成長が遅くなり、頭頂部の髪が薄くなります。
髪の毛は新毛、成長期、退行期、休止期という4つのサイクルで生え換わりますが、女性ホルモンが減少すると休止期が長くなって、新しく髪が生えてくるのに時間がかかるようになります。
髪がなかなか生えてこないのに、抜け毛は一定量あるため、髪が少なくなってしまうのです。
更年期に白髪が増えることもある!
個人差の大きい部分もありますが、更年期になると加齢とホルモンの影響で急に白髪が増える場合があります。
髪の毛根には髪を黒くするメラニン色素をつくる「メラノサイト」という細胞があるのですが、これが増殖しなくなったり、毛根に届かなくなったりすると髪が白髪になるのです。
詳しいメカニズムはわかっていませんが、更年期になって女性ホルモンの分泌が減少し、頭皮の血行が悪くなるとメラノサイトに十分な栄養が行き届かず、白髪が増えると考えられています。
要注意!更年期に薄毛になりやすい人のNG生活習慣
髪にダメージを与えるのは、女性ホルモンの減少だけではありません。食事の栄養バランスが乱れ、たんぱく質や鉄分などのミネラルが不足したり、紫外線を浴びすぎたりすると髪の老化が早まります。
ストレスも大敵です。強いストレスが加わると血管が収縮して血行不良を招き、頭皮に十分な血液が行き渡らなくなります。更年期は体調不良やイライラも重なる時期だけに、余計に髪に影響するのです。
白髪が目立つのが嫌で白髪染めやカラーリングを頻繁にくり返すのもダメージのもとです。また、シャンプーやコンディショナーの後にすすぎがしっかりできていないと、洗い残した汚れが頭皮を傷める原因になります。
さらに、乾燥も髪には大敵です。エアコンなどの空調の効いた室内にいると髪が乾燥しやすく、パサつきがいっそう悪化します。
食事や睡眠、頭皮マッサージやヘアケアで健やかに
髪の主成分はケラチンというたんぱく質です。そのため、食事で良質のたんぱく質を摂ることが大切です。低脂肪・高たんぱくの鶏のささ身や牛肉の赤身肉、魚、卵、牛乳などをバランスよく摂りましょう。
髪を健康に保つには、鉄や亜鉛、マグネシウムなどのミネラルも必須です。鉄分や亜鉛の多いレバーやあさり、ひじきや納豆、マグネシウムを多く含む牡蠣やいわし、ほうれん草、玄米、アーモンドなどを意識して食べるようにしましょう。
また、頭皮の血行促進にはシャンプー前のオイルマッサージが効果的です。
オイルは頭皮の新陳代謝を促すホホバオイルが含まれたものがおすすめ。頭皮を傷つけないように、指の腹を使って、心地よいと感じる強さで頭全体をマッサージします。
洗髪後はドライヤーで髪の根元を中心に乾かし、乾燥しやすい毛先には熱風をあまり当てないように気をつけます。
外出時には髪の紫外線対策も忘れずに。帽子をかぶる他、髪用の紫外線除けのスプレー剤などで頭皮ケアを心掛けましょう。
監修者プロフィール:浜中聡子さん
クレアージュ東京エイジングケアクリニック院長。女性の頭髪に関する悩みから更年期・女性ホルモンといった悩みが専門分野。14年にわたり女性の髪の悩みに携わってきた女性専門・頭髪治療の第一人者として、心身ともに健康で充実した毎日を過ごすことができるよう、医療面からのサポートを行っている。
撮影=中西裕人 ヘアメイク=小島けさき モデル=菊池洋華(トップ画像) その他のイメージ写真:PIXTA
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