コロナ感染者の4人に1人が発症

コロナ抜け毛に悩む人が増加!特徴&対策を医師が解説

浜中聡子さん(クレアージュ エイジングケアクリニック総院長)
監修者
クレアージュ エイジングケアクリニック総院長
浜中聡子

公開日:2021.10.20

更新日:2021.10.20

新型コロナウイルス感染症の後遺症に悩む人が増えています。倦怠感や呼吸苦、味覚・嗅覚障害などさまざまな症状が知られており、抜け毛もその1つ。コロナ抜け毛の特徴と対策をクレアージュ東京エイジングケアクリニック院長・浜中聡子さんに聞きました。

第5波から約2か月…「コロナ抜け毛」に注意!

国立国際医療研究センターが実施したコロナ後遺症についての調査によると、新型コロナウイルス感染症の後遺症は、倦怠感、呼吸苦、咳嗽(がいそう:せきのこと)、味覚・嗅覚障害などが主な症状で、20代以降の全世代で高頻度に認められるそう。

病院を退院した新型コロナウイルス感染症患者に電話で聞き取り調査をした結果、発症から約2か月で48%、約4か月たっても27%の人に何らかの後遺症が見られることや「約4人に1人が脱毛症を発症」し、「コロナの症状を発症後、約2か月後に脱毛症が顕在化している」ことがわかりました。

実際、クレアージュ東京エイジングケアクリニックの「コロナ抜け毛相談窓口」への問い合わせ数の推移をみると、4月・7月と大きな山ができており、新規感染者数が増加してから約2か月後に問い合わせ数が増えているのがわかります。

「コロナ抜け毛後遺症」問い合わせ数の推移
「コロナ抜け毛後遺症」問い合わせ数の推移

新型コロナウイルス感染症は、これまで感染拡大と収束を繰り返しており、第5波は7月~8月に訪れました。

感染力の強いデルタ株により感染者数が爆発的に増え、ピーク時は自宅療養者が13万人を超えるなど、過去最大の流行を記録した第5波。その反動として、9月下旬から10月は「コロナ抜け毛」の相談数がさらに増えている状況だと言います。

コロナ抜け毛の特徴と気を付けるべき生活習慣

では、新型コロナウイルス感染症の後遺症として、なぜ髪の毛が抜けるのでしょうか? クレアージュ東京エイジングケアクリニック院長・浜中聡子さんに聞きました。

浜中聡子さん(クレアージュ東京 エイジングケアクリニック院長)
クレアージュ東京 エイジングケアクリニック院長・浜中聡子さん

「コロナ抜け毛の症状には2種類あります。一つ目が、新型コロナウイルス感染症から回復する過程や、後遺症として髪の毛が抜けるというものです。一般的に病気にかかると免疫力低下・炎症反応が起こり、髪の毛に栄養が届きにくくなり、抜け毛につながります。二つ目は、コロナ禍の環境変化によるストレスが原因で、抜け毛が進行してしまうことを指します」

浜中さんによると、コロナ抜け毛の症状の特徴は、主に以下の2つとのこと。

  • 抜け毛だけでなく、体のだるさや頭痛・微熱など、他の後遺症も併発している人が多い
  • 髪の抜け方が部分的ではなく、全体的にごっそりと抜けてしまう

また、無症状の感染者でも「髪を洗う際に抜け毛が多くなった」と後遺症を実感する人が増えているそうです。

抜け毛対策におすすめの生活習慣1:タンパク質を取る

コロナ抜け毛の症状も、通常の休止期脱毛症と同じように、生活習慣を見直すことで症状の悪化を防ぐことができるそう。今すぐできる対策として、食生活の改善があります。

「栄養バランスの乱れから抜け毛につながるケースは多いものです。髪によいとされる食材は、良質なタンパク質を豊富に含む『魚介類、豆類、海藻類、野菜類、ナッツ類、キノコ類、いも類』の7種類。これらの食材を意識することで、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、炭水化物を満遍なく取ることができます」

よく「ひじきが髪の毛に良い」と聞きますが「海藻類だけを食べていればいい」というのは間違いなのだそう。髪の大部分を構成する“タンパク質”をまずはしっかり取るのが大切です。

抜け毛対策におすすめの生活習慣2:6時間睡眠&運動

コロナ禍の自粛生活で生活リズムが崩れている人も多いようですが、睡眠不足・運動不足は抜け毛の原因になるそう。

「ずっと家にいると夜更かしをしがちですが、髪の健康のためには、規則正しい生活を送ることが大切です。22時~2時頃に分泌される成長ホルモンによって髪は成長します。夜更かしをして睡眠時間がずれると、髪の成長を妨げてしまう可能性があるので、1日6時間以上の十分な睡眠をとって朝早く起きることを心掛けましょう」

また、ウォーキングなどの適度な運動も血流を改善するため、髪の健康によいそう。テレワークなどで座りっぱなしが続いたときは、ウォーキングやランニングなど軽い運動をするのがおすすめです。

コロナ抜け毛の発毛治療は専門病院へ相談を

コロナ抜け毛の治療は専門病院へ相談を

クレアージュ東京エイジングケアクリニックでは、コロナ抜け毛の症状の改善に特化した治療プログラム「コロナ抜け毛専用治療プログラム」も実施しているそう。

「発毛を促進するミノキシジルの処方に加え、栄養状態を良くする治療も行っています。例えば、糖質・電解質・アミノ酸などを含む点滴治療、栄養剤の摂取、免疫向上や髪の成長をサポートを目的としたプロテインの摂取など。医師の診察のもと必要な治療法を選んで、その人の髪の状態に合わせた方法で提供しています」

コロナ抜け毛の治療期間は個人差がありますが、約6か月から1年程度とのこと。

抜け毛は見た目の印象にも影響する、デリケートな問題です。少しでも不安なことがあれば、コロナ後遺症に詳しい専門病院に相談してみてはいかがでしょうか。

監修者プロフィール:浜中聡子さん

クレアージュ東京エイジングケアクリニック院長。14年にわたり女性の髪の悩みに携わってきた女性専門・頭髪治療の第一人者として、「クレアージュ東京エイジングケアクリニック」にて、心身ともに健康で充実した毎日を過ごすことができるよう、医療面からのサポートを行っています。

取材・文:竹下沙弥香(ハルメクWEB)

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