菅沼薫さんに聞く、今の自分に合う美容法

抜け毛予防の正しい頭皮の洗い方とブラッシング

公開日:2019.06.05

更新日:2023.11.15

更年期を過ぎた女性の髪悩み“抜け毛”は、ヘアサイクルの乱れと頭皮環境を整えることで予防とケアができます。今回はその具体的な方法の1つ、洗う前のブラッシングとシャンプーによる頭皮のクレンジングについて、菅沼薫さんについて教えてもらいました。

シャンプー前のブラッシング
抜け毛予防の正しい頭皮の洗い方とブラッシング

シャンプー前に頭皮ブラッシングの習慣を!

シャンプー前のブラシを

これまでターンオーバーの乱れを整えて肌健やかな状態に戻すスキンケアと同様に、ヘアサイクルの乱れと頭皮環境を整えることが、抜け毛を防ぎ健やかな髪の維持につながるとお話ししてきました。

ここで思い出して欲しいのが、スキンケアの基本「洗顔」です。この基本は、頭皮にもあてはまります。

顔の場合、メイク落としと洗顔を行いますが、頭皮の場合もブラッシングとシャンプー、2つのプロセスを行うのが理想的です。これは、シャンプー前に頭皮をブラッシングすると、毛穴についた余分な皮脂や汚れが浮き上がり、きれいに落とすことができるため。

シャンプー前のブラッシングが大事

毛先が丸くなったブラシを使えば、ブラシの先端が頭皮を抑え、程よい刺激となり血行がよくなる効果もあります。ぜひ取り入れてみてください。このとき、ブラッシングで髪をとかしすぎるとキューティクルを壊すことがあるので、気をつけて! 髪は、絡まっている部分をほぐす程度にと考えてくださいね。

ニオイケアの効果もある、シャンプーのポイント

ところで、シャンプーは髪を洗うイメージがあるかもしれませんが、それはちょっと違います。髪についた汚れのほとんどは、シャンプー前にぬるま湯ですすぐだけで、とれてしまいます。シャンプーは、頭皮や毛穴に詰まった余分な皮脂や汚れを落とすためのもの。今まで髪中心に洗っていた人は、地肌を洗うようにしてください。

毛穴に詰まった脂は、頭髪の匂いの原因にも。若い頃はこの匂いが気になって、朝と夜にシャンプーをしていた人もいるでしょうが、年齢を重ねると皮脂の分泌量が減るので1日に2回も洗う必要はありません。毎日洗うのが理想的ではありますが、気にならなければ2日に1度のシャンプーでもいいでしょう。

シャンプーも泡が大事?!「指をジグザクに滑らす」が基本の洗い方

さて、洗顔では泡で洗うことが大事だとお話ししました。これは、キメの細かい泡が毛穴の奥にまで入りやすく、汚れをしっかり落とすことができるためで、洗髪でも同じことが言えます。シャンプーはしっかり手で泡立ててから頭皮につけ、指の腹で優しく洗っていきます。

シャンプーをするときの手

洗うときは、指の腹で頭皮を軽く押さえながら頭頂部に向かってジグザグに滑らせていきます。この時、指に力を入れすぎて頭皮を摩擦で刺激しないよう気をつけてください。爪を立てるなんて、もってのほか!頭皮を傷つけてしまいます。

 

シャンプーの選び方は、頭皮に合うかどうか

年齢を重ねたら高価なシャンプーを使うべき?という質問をよく受けます。ですが、この答えは化粧品と同じで、肌に合っているものが一番。値段より、その時の頭皮の状態で選びましょう。

抜け毛が気になる人向けのシャンプーは、男性用と女性用に分かれています。これは、前回お話ししたように、抜け毛の原因が男女で違うため。頭皮を刺激しすぎない、洗浄成分がマイルドなものが多く、抜け毛を防ぎ、発毛を促すための成分が配合されているのが特徴です。

頭皮も人それぞれ。ベタつき、フケなど頭皮の状態や悩みに応じた商品を選んでください。髪のボリュームをアップさせるもの、逆に広がりを抑えるものなど、洗い上がりの質感の違いや香りもシャンプー選びの重要な要素の一つ。

皆さんも、頭皮が健やかで心地いいと感じるものを探してみてくださいね。

次回は、ボリュームアップをする髪の乾かし方、ツヤ、白髪、大人の髪悩み対策をお伝えします。

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ボリュームアップをする髪の乾かし方、ツヤ、白髪、大人の髪悩み対策

取材・文=田中優子、撮影=山下コウ太


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菅沼 薫

ビューティ&ライフ サイエンティスト、武庫川女子大学客員教授、sukai美科学研究所代表。日本顔学会会長をはじめ、化粧品成分検定協会理事、日本香粧品学会学術委員などを務める。美容雑誌「VOCE」における化粧品比較実験を長年手掛ける。化粧品と肌のスペシャリストとしてメディアでも活躍中。

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