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- 細胞レベルで老化防止!老け見えの原因は酸化ストレス
同じ年なのに、なぜか若く見える人いますよね。それはもしかして「食べているもの」が違うからかも? おいしく食べて美しくなりたい! 消化器内科医で美腸・美肌評論家の工藤あきさんに、老け見えの原因「酸化ストレス」を防ぐための食べ物を聞きました。
教えてくれたのは工藤あき(くどう・あき)さん
消化器内科医、美腸・美肌評論家。一般内科医として地域医療に貢献する一方、腸内細菌・腸内フローラに精通。腸活×菌活を生かしたダイエット・美肌・エイジングケア治療にも力を注いでいる。また「植物由来で内面から美しく」をモットーに、日本でのインナーボタニカル研究の第一人者としても注目されている。
老化スピードはコントロールできる!
人は誰でも平等に年をとりますが、残念ながら、老化のスピードが早い人と遅い人がいます。見た目だけではありません。体の中も、脳も、実年齢より早く老化してしまう人がいるのです。
そんな老化のスピードを左右する重大な要素が「食事」であることは、前回解説しました。
さらに、ニュージーランドで行われている「ダニーデン研究」では、老化スピードの研究が近年進んでおり、2011年に38歳だった対象者、約1000人の健康状態を比較したところ、生物学的な年齢が30歳以下の人もいれば、60歳近い人までいたそうです。
同じ38歳なのに、その差はなんと約30歳!それぞれの生活習慣や既往症なども関係していますが、食事も大きな要因の一つと考えられるといいます。
単に見た目だけを意識した若づくりではなく、ちゃんと食事を通して、細胞や体が若い状態を維持することが、やはり大事になってきます。
シミ、シワ、そばかすは皮膚の酸化ストレスが原因!
細胞を若く保つためには、ターンオーバー(一定周期で生まれ変わる代謝サイクル)だけでなく、酸化と活性酸素、そして抗酸化物質について、知っておくことも重要です。例えば、リンゴを切って置いておくと、切り口が赤く変色します。これはリンゴの断面が空気中の酸素に触れて、リンゴに含まれる成分・ポリフェノールが違う物質に変化するためです。
このように、酸素が他の物質と結びつく反応を「酸化」といいます。鉄が錆びると赤くなるのも、やはり酸化による変化です。
そして、実は私たちの体の中でも「酸化」が起きています。酸素を吸って、二酸化炭素を吐き出す、これも酸化反応の一つなのです。
私たちが呼吸で取り込んだ酸素の一部は体内で活性化され、「活性酸素」になります。この活性酸素が体を錆びつかせます。けれど、活性酸素も完全な悪者ではなく、ウイルスや細菌を撃退する働きもあるため、実は人体には欠かせません。
問題は、活性酸素が増え過ぎること。過剰な活性酸素は、その強い酸化作用で正常な細胞や遺伝子まで攻撃してしまうのです。このように活性酸素が増え過ぎた状態を「酸化ストレス」といいます。
シミやそばかす、シワなどは、この酸化ストレスで皮膚の細胞が傷ついた結果。そして正常なターンオーバーも妨げられ、きれいな状態に戻りにくくなってしまうのです。
肌の酸化を止めるには、抗酸化物質を増やす食生活を
私たちの体には、活性酸素が過剰に発生するのを防ぎ、傷ついた細胞を修復・再生して酸化ストレスから体を守るシステム「抗酸化作用」が備わっています。この抗酸化作用を上回るほどの活性酸素が体内に増えてしまうと、酸化が進んでしまいます。
私たちの周りには、活性酸素を増やすものがたくさんあります。紫外線、食品添加物、排気ガス、タバコ、ストレス……。時間がたった揚げ物など、酸化した脂質もそうです。
そこで活躍するのが「抗酸化物質」。活性酸素を除去し、その害から守ってくれる物質です。抗酸化作用だけで追いつかないとき、食べ物やサプリメントで抗酸化物質を摂取することで、錆びないパワーを補うことができます。
例えば、肌の酸化の場合、抗酸化力を補う“援軍”はビタミンCやビタミンEなどを含む食品です。活性酸素のダメージが肌に及ぶのを防ぐのに役立つといわれています。
そして、数々の抗酸化物質の中でも、特に強力なのがポリフェノールです。
先ほど紹介したリンゴの例では、ポリフェノールが酸化して断面が変色しました。このように、ポリフェノールは自ら活性酸素と結びつく働きを持ち、“身代わり”として酸化することで、他の大事な物質が酸化するのを防ぐのです。
シミ、シワにはポリフェノールが必須!
顔や首元、そして手は、シワやシミができやすく、特に老化を感じやすい部分ではないでしょうか。
単純に目につきやすいから、というのもありますが、日の光に当たりやすいことも大きな要因です。この日光を浴びることで進む老化を「光老化」といいます。
日光に含まれる紫外線を浴びると、体の中に活性酸素が発生し、皮膚の細胞を酸化させて肌の老化だけでなく皮膚がんの原因にもなります。そこで、日傘を持ち歩いたり、日焼け止めを塗ったりして対策している方も多いと思います。
では、「食事」による紫外線対策をするには何を食べれば良いのでしょうか?
紫外線対策として積極的に食べたいのは、ずばり、ポリフェノールを多く含む食品です。
代表的なものは、
- ブルーベリー、ストロベリー、クランベリーなどのベリー類
- チョコレート
などがあります。
また、ポリフェノール以外にも、次のような物質・食品が紫外線対策にはおすすめです。
- リコピンを含むトマト
- アスタキサンチンを含むサーモン
- ビタミンCが豊富なパプリカなどの緑黄色野菜
- ビタミンEを含むナッツ類
これらに加えて、肌のターンオーバーを促進するビタミンB2が豊富なチーズを組み合わせると、より効果的でしょう。
反対に、肌の酸化につながりやすいNG食品もあります。次のような食べ物や習慣はできるだけ避けたいところです。
- 酸化した油だらけの揚げ物やスナック菓子
- ハム・ソーセージなどの保存料を含む加工肉
- 人工甘味料を含む清涼飲料水など
- お酒とタバコ
過剰に日光を避けるのも要注意!骨粗鬆症のリスクがアップ
肌を守るためには避けたい紫外線ですが、実は日光を過剰に避け過ぎるのも体には良くありません。
紫外線を浴びることは、活性酸素を生むと同時に、体内でビタミンDが作られるというメリットも生み出します。このビタミンDが不足すると、カルシウムが吸収されにくくなり、骨の新陳代謝に悪影響を与えます。そうすると骨がスカスカになって、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を招くのです。
ですから、ある程度日光を浴びることも体にとっては大切なのです。とはいえ、やはり紫外線による肌ダメージも怖いですよね。そんなときは、「食べ物」でビタミンDを上手に補いましょう。
ビタミンDは、次のような食品に多く含まれています。
- シャケ
- サンマ
- ウナギ
- しらす干し
- 干ししいたけ
食材で補える栄養素を上手に摂取し、光老化を防ぎつつ、骨や体、肌を若々しく保つようにしましょう。
次回は、酸化を防いでくれるポリフェノールについてさらに詳しく解説します。
※本記事は、『老けない人が食べているもの』(株式会社アスコム/1540円・税込)より一部抜粋して構成しています。
工藤あきさんの著書をチェック!
この連載の引用元である『老けない人が食べているもの』(アスコム刊)では、消化器内科医で美腸・美肌評論家の工藤あきさんが、シワ、シミ、ガサガサ肌など、あれ?老けたかな?と思ったときに実践したい、体の中から若返る食事法を解説。気になる人はあわせてチェックしてみてください。
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