50代…地味につらい「だる重疲れ」を自分で治す!
2024.06.062024年06月15日
疲労度がわかるチェックシート付き
50代からの蓄積疲労にご用心!効果的な解消法とは?
ここ最近、ずっと疲れが取れない……。それは年のせいだけではないかも!? 疲労専門医・中富康仁さん監修の「疲労度チェックシート」で確認してみましょう。蓄積された疲労の効果的な解消方法や、編集部おすすめサプリもご紹介します。
体からの3大アラートの一つ「疲労」
家事も仕事も若い頃のようになかなかテキパキと片付けられない、寝たけれど、ちっともスッキリしない、という50代の声をよく聞きます。
「あ〜疲れたぁ」「面倒臭いな〜」「だるいなぁ」などとしょっちゅう口をついて出るのは年を取った証拠なのでしょうか……?
「いや、単に年のせいだけではありません。疲れたと感じるのは、体からの警告(アラート)で、何かの病気が隠れている可能性もあります」と話すのは、慢性的な疲れや睡眠障害を訴える患者さんを診る「疲れ」の専門医・ナカトミファティーグケアクリニック院長の中富康仁さん。
「疲れた、と感じることは、“痛み”や“発熱”と同様に、体の異常事態を知らせる警告の一つです。どこかが痛かったり、熱が出たりしたら、あれ?おかしい、普段と違うと感じますが、疲れというのは、日常的に感じることもあるので、そのままにしがちです」
「疲れ」は病気との境目を判断するのが非常に難しく、放置するとさまざまな疲労関連の疾患につながる可能性もある、と中富さんは言います。
あなたの疲労度をチェック!
まずは、あなたの疲労度をチェックしてみましょう。当てはまる項目の点数を合計してください。
□朝の目覚めが悪い(1点)
□物忘れ、うっかりミスをしやすくなった(1点)
□友人と会うのが億劫になった(1点)
□休みの日は1日寝て過ごしている(2点)
□立ち続けるのが困難になった(2点)
□ため息が多くなった(2点)
□本を読んでも頭に入ってこなくなった、計算が遅くなった(3点)
□階段を上ると息切れがするようになった(3点)
□夜中に何度も目が覚めるようになった(3点)
診断結果はこちらです。
1~5点の人 : 注意
6~10点の人 : 要注意。早めの対処、専門医に相談をおすすめします
11点以上の人 :危険。続く場合にはすぐに専門医に相談をしましょう
疲労の蓄積は、日常生活の質を低下させる
疲労が溜まってしまうと、さまざまな症状が現れます。「家事や仕事でミスしたり、物忘れが増えたり、一日中眠気が取れないなどの症状につながります」(中富さん)
疲れが蓄積することで現れやすい主な症状
- 物忘れが多くなる
- 家事や仕事でミスが増える
- 文章が頭に入らない
- つまずきやすくなる
- 物を落としやすくなる
- 肩こり、腰痛がひどくなる
- 日中に眠気が出やすい
- 目が疲れやすい
- 寝ても症状が回復しない
「ここで注意したいのは、“疲労”と“疲労感”は違うということです。疲労感というのは、脳で疲労を感じている“感覚”です。疲れたと感じたとき、コーヒーやエナジードリンク、栄養剤などのカフェインが含まれているものを取りたくなりますよね? それはカフェインが一時的に疲労感を麻痺させるから。疲れを根本的に取り除いているわけではないのです」と中富さん。
「疲労感を感じていても、がんばって乗り切ることもできますが、それはいわば体力を前借りしている状態です。十分な休息や睡眠などを取らずに体にムチを打ち続けていると、生活習慣病を悪化させてしまったり、感染症にかかりやすくなったり、メンタルダウンしやすくなります」
活性酸素が発生して細胞や組織を傷つける
だから疲労感を感じたら、無理をしないで休むに限ります。
「人は、慢性的な睡眠不足や過労、ストレス過多の状態におかれると、神経や筋肉、細胞がより活発に活動することで、細胞のエネルギーがたくさん必要になります。そのためミトコンドリアという細胞の工場から、エネルギーが次々と生み出されますが、同時に活性酸素も出てきて、これが細胞や組織を傷つけてしまいます」
細胞や組織が傷つけられると、精神的疲労、運動性疲労、感染性疲労が起こるそう。これらが慢性的な疲労につながる原因です。
美肌効果だけじゃない! コエンザイムQ10に注目
では、疲労を蓄積させないために、いったいどうすれば良いのでしょうか。
疲労を感じたら、睡眠を取るなど、まずは「休む」ことが第一ですが、中富さんいわく、食事で「疲労回復に役立つ成分」を摂取するのもおすすめとのこと。
「コエンザイムQ10という物質の名前を聞いたことがある人も多いと思いますが、近年、このコエンザイムQ10(以下CoQ10)が疲労回復において注目されています」
CoQ10といえば、お肌を美しくする成分として有名ですが、疲労回復にもよいということがわかってきたそう。
もともとCoQ10は細胞内にある物質で「還元型」と「酸化型」があり、私たちの体内にあるのは、ほとんどが還元型のCoQ10です。還元型のCoQ10は、強力な抗酸化物質として疲労回復を助けてくれますが、残念なことに、年齢を重ねるごとに減少してしまうそう。
でも、CoQ10を毎日の食生活で補おうとするととっても大変! 例えばCoQ10の1日に必要な摂取量100mgを取るためには、ブロッコリーならなんと12kgも食べる必要があるんだとか。
「加齢による体力の低下で、疲労を感じやすい50代以降は、不足しがちなCoQ10をサプリメントなどで積極的に摂取するのが効果的です」
新型コロナ感染後のケアにも、コエンザイムQ10に高まる期待
このように疲労回復に役立つCoQ10ですが、実は新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ感染症)の後遺症に関しても、気になる研究データが報告されています。
「新型コロナ感染症の後遺症を含む慢性疲労症候群などの疲労関連疾患を訴える患者さんで、CoQ10のサプリメントを摂取していない157名の血液データを比較検討したところ、血中のCoQ10の濃度が低く、酸化ストレスが高いことがわかりました」
「大切なのは、自分が疲労を感じていることを認識して、対処することです。加齢とともに減少していくCoQ10をうまく補って、元気に過ごしましょう」
編集部おすすめ「還元型コエンザイムQ10」サプリ
仕事や家事に追われて疲労感を感じながらも放置している人は、美肌以外にもさまざまな効果が期待できるCoQ10を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。タブレットやグミなど、持ち運びにも便利なパウチタイプのサプリをピックアップしました。
【カネカ】わたしのチカラ ENERGY 30粒入り/約30日分 3200円(税込)
【UHA】グミサプリ 還元型コエンザイムQ10 マンゴー味 1814円(税込)
【DHC】 コエンザイムQ10ダイレクト 20日分 40粒 1467円(税込)
教えてくれたのは 中富康仁(なかとみ・やすひと)さん
ナカトミファティーグケアクリニック院長
2002(平成14)年、京都府立医科大学医学部卒業。同大学病院、関連病院に勤務後、同大学大学院にて脳科学の研究をおこなう。2009(平成21)年より、大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部・疲労クリニカルセンターにおいて疲労外来を担当。2014(平成26)年、ナカトミファティーグケアクリニックを開院。診療だけでなく、疲れにくい体を作るためのアドバイスもおこなっている。
※この記事は2022年8月の記事を再編集をして掲載しています。
※商品の情報は2024年6月時点のものです。
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