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2021.07.062022年09月27日
心と体の免疫力を高める「笑いの力」#1
免疫細胞が活性化する!「笑い」の健康効果を医師解説
コロナ禍で人と会う機会が減ってしまい、最近あまり笑っていないかも……という方も多いのでは?「笑いほど副作用がなく元気になれる薬はない」と言うのは医師の昇幹夫さん。その理由や、笑いの健康効果とともに運動効果も得られる体操を全3回で解説します。
昇 幹夫(のぼり・みきお)さんのプロフィール
麻酔科、産婦人科の専門医。「日本笑い学会」副会長として笑いの医学的効用を研究。現在は「元気で長生き研究所」所長として全国で講演。著書に『最新版 笑いは心と脳の処方せん』(二見書房刊)、『笑って長生きー笑いと長寿の健康科学』(大月書店刊)など。
「笑い」の健康効果は医学的にも認められている
「笑いの力は、心だけでなく体の健康にも役立つのです」と、昇さん。
「笑うことで、がんやウイルス感染などの体の異常を察知して抵抗する『NK細胞』という免疫細胞が、活性化することがわかっています。この細胞は、加齢やストレスで弱体化しやすいので、笑いで活性化できるということは大きな発見でした。他にも笑いによる健康効果は、近年続々と判明しています」(昇さん)
実験で検証された「笑い」の効果
昇さんによると、「笑い」の効果はさまざまな実験で検証されています。
1:免疫細胞の数値が正常に
がんや心臓病患者を含む19人に、吉本新喜劇を3時間見せたところ、免疫細胞である「NK細胞」の活性度が、高過ぎた人も低過ぎた人も正常化されました(※1)。
2:血糖値の上昇を抑制
糖尿病患者に500kcaLのお寿司を食べてもらい、漫才を見せたところ、血糖値の上昇が抑えられました。また、より笑った人の数値の方が下がっていました(※2)。
3:ストレスホルモンが減少
落語を聴く前後で、唾液中のストレスホルモン「コルチゾール」「クロモグラニンA」を測定したところ、落語を聴いた後はどちらも減少していました(※3)。
※1:伊丹仁朗 笑いと免疫能、心身医学、34(7)、566-571、1994
※2:村上和雄他 2型糖尿病患者における 「笑い」の食後血糖値上昇抑制効果、糖尿病、47、supplement1、220、2004
※3:大阪府立健康科学センター年報(平成15年度)
口角を上げるだけでもOK!笑うフリでも効果は同じ
しかし、面白くないのに笑うのは難しいもの。昇さんは「笑う動作をするだけでも効果がある」と話します。
「笑うフリでも脳が錯覚して、同じだけの健康効果が得られます。楽しいときに笑うのは当たり前。つらかったり、ストレスがたまっている状態『にもかかわらず笑う』を実践してみてください。毎日少しでも笑う動作をしてみれば、思った以上に元気になります。心と体の免疫力が上がり、自然と前を向けますから」(昇さん)
感情として笑っていなくても、微笑む程度の笑顔をつくれば脳は笑っていると勘違いし、免疫力がアップすることが実験でも検証されているそう。それならいつでもできそうですね。
次回からは、「笑い」の健康効果はもちろん、高い運動効果も得られるおすすめの体操「笑(わら)トレ」を紹介します!
取材・文=塚本由香(ハルメク編集部)
※この記事は雑誌「ハルメク」2021年5月号を再編集、掲載しています。
心も体も整う「笑トレ」を動画で見る
「笑う動作で自然と深い呼吸になり、自律神経が整ったり、体温が上昇したりして免疫力も高まる」と話すのは、笑いを体操として取り組む「笑(わら)トレ」講師の高田佳子(たかだ・よしこ)さん。
この動画では高田さんが笑トレの基本の動きを解説。最初は恥ずかしくても、笑う動作をしているうちに体と心の変化を実感するはずです。ぜひご一緒にお試しください。
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