年末年始を元気に過ごす!原因不明の不定愁訴の対策法を紹介
年末年始を元気に過ごす!原因不明の不定愁訴の対策法を紹介
公開日:2025年12月23日
原因不明だけどできる対策はある
検査をしても特に問題がないのに、体がだるかったり、不安感に襲われたり…。そんな原因不明の体調不良を指す不定愁訴。不調を抱えたままだと人との約束が難しく、何かと忙しい年末年始も不安ですよね。
前編では、不定愁訴の考えられる要因について解説しましたが、今回の後編では、つらい症状を和らげる対策を紹介していきます。
不定愁訴は「病気じゃないから我慢するしかない」と抱え込みがちですが、できる対策はあります。症状緩和をサポートするセルフケアで、不定愁訴と上手に付き合っていきましょう。
生活習慣で意識したいこと3選
不定愁訴のつらい症状を和らげるポイントは、生活習慣や食事にあります。
生活習慣でまず意識したいのは、以下の3つです。
1.毎朝、朝日を浴びる
朝起きたらカーテンを開けて、自然光を浴びるようにしましょう。
朝日には体内時計をリセットする働きがあります。そのため、「朝日を浴びる」習慣をつけることで、昼間は活動モードの交感神経が、夜間は休息モードの副交感神経が優位になりやすいリズムが整えられ、自律神経のバランス改善につながります。
また、朝日を浴びると、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが脳内で分泌されます。
セロトニンは自律神経のバランスを調整する働きがあり、不足するとめまいや頭痛、うつ病のリスクが高まるといわれています。
朝日を浴びる時間の目安は15秒ほどです。くもりや雨の日でも光の量は十分にあるので、毎朝窓際で空を見上げる習慣をつけましょう。
2.週に2~3回の運動習慣
運動はストレスの解消につながる他、自律神経のバランスを整える働きもあると言われており、不定愁訴の対策として有効です。
中でもおすすめなのは有酸素運動。無理のない範囲で、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を取り入れましょう。
運動量の目安は、週に2~3回、1日30分程度です。
朝日を浴びながらウォーキングやジョギングをすれば、セロトニンの分泌も促されて一石二鳥です。
3.意図的にリラックスする時間を作る
不定愁訴の要因の一つとされる自律神経を整えるためには、ストレスと上手に付き合っていくことが大切。そこでおすすめなのが、日々の生活の中で意図的にリラックスする時間を作ることです。
方法は、音楽を聴く、ペットと触れ合うなど、自分がリラックスできるものなら何でも大丈夫。映画やスポーツ観戦で心を動かすことも、自律神経によい影響を与えます。まとまった時間が取れない場合は、寝る前に数分間、深呼吸や瞑想をするだけでもいいでしょう。
自分が「楽しい」「心地よい」と感じられる時間を積極的に作ることが、ストレス解消につながります。
がんばりすぎない栄養管理を
食事の対策では、前提としてまず栄養バランスを意識しましょう。
栄養バランスのいい食事は、不定愁訴の要因として考えられる自律神経やホルモンのバランスを整える土台になります。
とはいえ、栄養バランスを毎日の食卓で細かく計算するのは難しいもの。そこで頼りになるのが、栄養素の働きによって食品を「赤色」「黄色」「緑色」の3色に分類した三色食品群です。
<3色の食品と働き>
- 赤色……血や肉になり、体を作るもとになる食品。肉、魚、卵、大豆、牛乳など。
- 黄色……体のエネルギーのもとになる食品。ご飯、パン、芋類、砂糖、はちみつ、油など。
- 緑色……体の調子を整え、病気になりにくくする食品。野菜、果物、海藻など。
この3色を、1日を通してまんべんなく取るようにすれば、自然と栄養バランスのよい食事になります。
例えば、トーストにバターを塗っただけの朝食は、黄色の食品(パン・油)だけなので、赤色や緑色をプラスすればいいということになります。そこで目玉焼き(赤色)にレタスや果物(緑色)を加えると3色が揃います。
このように考えると、ちょっとした工夫で栄養バランスのよい食事になります。
毎食きちんと3色が揃わなくても大丈夫。「1日のどこかで3色が入っていればいい」くらいの考え方でOKです。がんばりすぎない栄養管理の方が、無理なく長く続けられますよ。
症状緩和に役立つ栄養素をプラス
栄養バランスの良い食事を基本として、次に紹介する栄養素の摂取を心掛けるのも、不定愁訴の症状緩和の助けになります。
1. 鉄や造血作用を持つ栄養素
不定愁訴の考えられる要因の一つ「鉄欠乏」を防ぐには、鉄や造血作用を持つ栄養素の摂取が必要です。
鉄には、動物性食品に含まれるヘム鉄と、植物性食品に含まれる非ヘム鉄の2種類があり、両方を意識して取り入れると鉄を効率よく補えます。
・ヘム鉄……レバー、牛肉、カツオなど。
・非ヘム鉄……小松菜、ほうれん草、水菜、納豆など。
摂取する際のポイントは、吸収率の高いヘム鉄から取ること。また、コーヒーや緑茶に含まれるタンニンは鉄の吸収を阻害してしまうので控えめにしましょう。
2. 女性ホルモンに似た働きをするイソフラボン
更年期の不定愁訴では、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを多く含む大豆製品を積極的に取り入れるのもおすすめです。
納豆や豆腐を献立にプラスしたり、間食のお供に豆乳を添えるなどすれば、無理なくイソフラボンを摂取できそうです。
3.ローヤルゼリー
ミツバチ産品のローヤルゼリーは、3大栄養素であるタンパク質・炭水化物・脂質をはじめとして、各種ビタミン・ミネラルなど40種類以上もの栄養素がバランス良く豊富に含まれています。
ローヤルゼリーを継続して飲用することで、更年期に起こりやすい不安感、および腰・背中の痛みが改善されたことも確認されており、女性の不調改善に役立つ素材として注目されています。
原因不明で、一人で悩んでしまいがちな不定愁訴は、「無理をしないで」という心と体からのメッセージかもしれません。まずは今回紹介した健康的な生活習慣や食事を意識して、忙しい年末年始も元気に動ける心と体に整えていきましょう。
■取材協力:山田養蜂場 健康科学研究所
■監修者プロフィール:石原新菜(いしはら・にいな)さん

イシハラクリニック副院長。秋田栄養短期大学客員教授。ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ理事、フェムテック・ジャパン理事。主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書に『病気にならない蒸し生姜健康法』『やせる 不調が消える 読む冷えとり』等70冊を数える。




