喉が渇きにくい冬こそ脱水リスク増!
冬は“隠れ脱水”に注意!“ドロドロ血液”が引き起こす血管トラブルとは【医師解説】
冬は“隠れ脱水”に注意!“ドロドロ血液”が引き起こす血管トラブルとは【医師解説】
公開日:2025年12月02日
医師が警告「冬は脱水に気づきにくい季節です」
冬は汗をかきにくく、喉の渇きも感じにくい季節。「水分はそんなに必要ない」と思ってしまいがちですが、実は冬こそ“隠れ脱水”が起こりやすい時期です。大正製薬が実施した調査でも、多くの人が「冬脱水のサイン」を感じているのに、水分不足に気付いていないことがわかっています(※)。
済生会横浜市東部病院・患者支援センター長の谷口英喜先生は、冬こそ脱水にしっかり注意すべきだと言います。
「冬は汗をかきにくく喉も乾きにくいため、体の水分が不足しても自覚しづらい。気付いたときには血液が濃くなり、だるさ・頭痛・こむら返りなどの不調につながります。50代以降は血管リスクも上がるため特に注意が必要です」
まずは、あなたの体がどれくらい水分不足になっているか確認してみましょう。
冬の不調はここをチェック!脱水サイン
以下の項目に、いくつ当てはまりますか?
- 朝起きると口や喉が乾く
- 肌がかさつく、目がしょぼしょぼする
- 尿の色が濃い(黄色〜琥珀色)
- 夕方になると頭が重い・だるい
- 便秘・お腹の張り
- 寝ている間に足がつりやすい
- 集中力が続かず、気分が沈みがち
2つ以上当てはまれば“冬の隠れ脱水”の可能性大です。
なぜ冬に脱水?気付かない3つの理由
理由1:喉が渇きにくい
暖かい空気で喉の“渇きセンサー”が鈍り、体が水を必要としていても気付きにくくなります。
理由2:“見えない汗”=不感蒸泄が増える
暖房による乾燥、呼吸や皮膚からの蒸発で、実は冬でも水分は失われ続けています。
理由3:寒さで飲む量が減る
冷たい飲み物を避けたり、寒いトイレを我慢したりして、無意識に水分を控えてしまいがちです。
こうした積み重ねで体内の水分が減ると、血液中の水分も減り、“ドロドロ血液”に。
50代以降は血圧変動が大きく、暖房の効いた部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動すると血圧が急変しやすい「ヒートショック」のリスクも高まります。
今日からできる冬の“水分対策”4つ
対策1:こまめに“1日8回”飲む
喉が渇いてからでは遅いもの。起床後・朝食時・午前中・昼食時・15時・夕食時・入浴前・入浴後(就寝前)の合計8回、少量ずつでも飲む。回数を増やすのがポイントです。
対策2:選ぶならノンカフェイン
麦茶・水・白湯が基本。コーヒー・緑茶・アルコールは利尿作用が強く、かえって脱水を招くことがあります。
対策3:“水分を食べる”料理を1品
味噌汁、スープ、鍋などの“水分食”は冬の最強アイテム。温まりながら効率よく水分を補えます。
対策4:水分を吸収しやすくする栄養
- タウリン(牡蠣・魚介類)
- オメガ3脂肪酸(ブリ、サバ、マグロなど)
- カリウム(野菜・豆類)
- クエン酸(レモン・梅干し)
- マグネシウム(ナッツ・海藻・玄米)
水分+栄養を同時に補うと、体が整いやすくなります。
医師推奨!冬の最強“鍋メニュー”
谷口先生のおすすめは、牡蠣ブリ鍋(牡蠣が苦手な方はそのほかの魚介鍋)の大根おろし添え。そして、締めに玄米ごはん!
鍋は食事から水分をたっぷり摂れ、体が温まることで、免疫力の維持に役立つと言われています。
牡蠣やその他貝類は、タウリンやたんぱく質が豊富。中でもブリはオメガ3脂肪酸、カリウムも摂れておすすめです。
レモン汁を加えた大根おろしをポン酢に合わせると、クエン酸も摂れる上、大根おろしの酵素がたんぱく質の吸収をサポート。締めは玄米を選ぶと、マグネシウムも摂れます。
冬の不調の背景には、気付きにくい“隠れ脱水”が潜んでいます。喉が渇く前に一口の水、体を温める食事、栄養バランスを意識して、冬の体調トラブルを防ぎましょう。




