みぞおちの痛み…膵臓病のサインを見逃さない! 増えている4つの病気
みぞおちの痛み…膵臓病のサインを見逃さない! 増えている4つの病気
更新日:2025年11月20日
公開日:2025年11月12日
教えてくれた人:糸井隆夫(いとい・たかお)さん

東京医科大学 消化器内科学分野主任教授。1991年東京医科大学卒業、97年同大大学院修了(医学博士)。同大学消化器内科講師、准教授などを経て、2016年より現職。国際診療部長も兼任。専門は膵がん、胆道がん、胆管結石、乳頭部腫瘍。主な監修・編著書は、『膵臓の病気がわかる本』(講談社刊)など。
近年、膵臓の病気にかかる人が増加!
膵炎は膵液がもれ出して炎症を起こし、膵臓の細胞が破壊されてしまう病気です。膵炎は、突然発症し命の危険性もある「急性膵炎」と、慢性的な炎症が生じる「慢性膵炎」に分けられます。
急性膵炎は過去30年の間に年間患者数が4倍も増え(上のグラフ)、慢性膵炎も増加傾向にあります。
「膵臓がんの患者数も30年前の約3倍になっていますし、健康診断などで偶然、膵のう胞が見つかる人も少なくありません。膵臓の病気が増えているのは、食生活の欧米化とアルコール摂取量の増加などが関係していると考えられます。女性の場合は、胆石や暴飲暴食が膵臓の病気につながることがあるので要注意です」と、東京医科大学消化器内科学分野主任教授で膵臓の専門医である糸井隆夫さんは指摘します。
ここから、膵臓の4つの病気について解説していきます。
急性膵炎(きゅうせいすいえん)

急性膵炎は、突然激痛に襲われる“おなかのやけど”で、膵管のすき間から膵液がもれて膵臓を溶かし、激しい炎症を引き起こす病気です。みぞおちの周囲の激痛、吐き気などが現れ、意識を失うこともあります。
中高年の女性は...




