想像以上にクタクタ…残暑バテを解消!免疫力を高める「秋の休み方」
想像以上にクタクタ…残暑バテを解消!免疫力を高める「秋の休み方」
更新日:2025年10月19日
公開日:2025年09月24日
教えてくれた人:鈴木知世(すずき・ちせ)さん

1969(昭和44)年、東京都生まれ。仁愛中国鍼灸院院長。鍼灸師・東洋医学研究家。近著に『あなたのココロとカラダに寄り添う 更年期とのつき合い方』(河出書房新社刊)がある。
夏に疲れ切った体を、秋にいかに養うかが免疫力を決定づけます
季節ごとの養生法に詳しい鍼灸師の鈴木知世さんは「秋の過ごし方は特に重要」と言います。
「秋、食欲不振やだるさなど『残暑バテ』に悩む方が増えています。それもそのはず、近年の酷暑や、異常気象が起こす気圧・湿度などの急激な変化で、夏にため込む心身の疲労は昔の比ではありません。暑さによる熱が体の内側にこもってしまい、特に頭痛やめまいなど頭部に症状が出やすくなっています。年齢を重ねればなおさら対策が必須です」
夏の疲れをスッキリ取るために「秋ならではの休み方の工夫を」と鈴木さん。
夏の間、体は過酷な環境と闘ってきました
人は常に、脳や自律神経の働きによって環境の変化に対応しています。夏の間、猛暑の屋外と冷房の効いた室内との寒暖差や、異常気象による急激な気圧・湿度の変化にさらされた結果、あなたの心身は想像以上に“くたくた”の状態です。

秋は体を「省エネモード」に切り換えて!
秋は夏の疲れをとりつつ、冬に向けて生命力を蓄える季節。日没が早まるのに合わせて、夏より1時間早く寝床に入る。汗をかく運動は控え、汗をかいたらしっかり拭いて体の冷えを防ぐなど、より「休む」ことに重点を置いた生活を意識しましょう。

- 夏より1時間早く寝床に入る
- 汗をかく運動は控える
- 予定は詰め込まず時間に余裕を持つ
秋は体を「動かす」より「休める」ことに比重を置く
「まずは体を『動かす』より、『休める』方に比重を置き省エネモードにすることです(上の解説参照)。また東洋医学では、免疫機能の要は『肺』とされ、普段から深い呼吸ができれば、不調や感染症などの病気から体が守られると考えられています。
西洋医学でも、呼吸が自律神経に作用して免疫細胞を活性化させることが知られていますね。空気が乾燥し呼吸器に負荷がかかりやすい秋だからこそ、肺をケアして呼吸を整えることを意識しましょう」
他にも乾燥への対策を怠らないでほしいと鈴木さん。
「空気が乾燥すると皮膚や粘膜も水分を失い、免疫細胞が集中している腸も機能が低下します。水などを小まめに飲むことも大事ですが、キノコや果物など水分の多い食べ物は、消化される間、継続的に体を潤してくれます。ぜひ積極的にとってくださいね」
次回は秋の免疫力を高める3原則を紹介します。
取材・文=新井理紗(ハルメク編集部)、撮影=中西裕人、イラストレーション=いなばゆみ
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年10月号を再編集しています




