
巻き爪解消を目指せる「正しい歩き方」
間違った歩き方は足トラブルを招き、健康寿命に影響があることを知ってましたか?正しい歩き方と足トラブル対策を専門家が解説!
公開日:2025年05月09日
50歳以降から増え始め、60~70代になると悩む人がグンと増える「脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」。その原因やなりやすい人、セルフチェックをはじめ、自分でできる改善法と最新治療法まで、3回に分けて専門医に聞きました。
徳島大学病院整形外科教授。1988年、徳島大学医学部卒業。トップアスリートの腰痛診療も手掛ける。著書は『運動を頑張らなくても脊柱管狭窄症がよくなる1分ほぐし大全』(文響社刊)など。東京腰痛クリニックでも診療。
推定580万人、65歳以上の10人に1人がかかり、ハルメクユーザーからも多くの悩みが寄せられている「脊柱管狭窄症」。腰や脚の痛み・しびれで歩行に支障が生じ、手術を検討している人も少なくありません。しかし、徳島大学病院整形外科教授の西良浩一さんは「毎日の簡単な体操で症状は改善します。仮に手術が必要になっても、局所麻酔でできる内視鏡手術も登場しています」と話します。
□歩くと腰や脚に痛みやしびれが出て歩けなくなるが、少し休むとまた歩ける
□立っていると腰や脚に痛みやしびれが出る
□腰を後ろに反らすと、痛みやしびれが出る
□腰を前に曲げたり、座ったり、横になったりすると症状が和らぐ
□足の裏に薄紙を貼ったような違和感がある
「患者さんの訴えで一番多いのは、少し歩くと腰や脚に痛みやしびれが出て、休み休みでないと歩けない『間欠性跛行(かんけつせいはこう)』。他にも立った瞬間に脚がジーンとしびれる、長く立っていられないという人も多いですね。
腰を反らせると症状が出て、腰を丸めるとラクになるのが、この病気の特徴です。最近、腰が曲がり気味で老けて見えるようになったという人は、脊柱管狭窄症のために腰をかばっている可能性も考えられます」。
脊柱管狭窄症は、背骨の内側にある脊柱管が狭くなり、その中を通る神経が圧迫されて、腰や脚に痛みやしびれが起こる病気です。西良さんによると、狭窄の原因は主に3つあるといいます。
「長年の体のクセで腰への負担が蓄積したり、加齢によって靭帯や軟骨などが変化したりして脊柱管が徐々に狭くなる。このタイプが最も多いですね。また腰椎がずれる『すべり症』が原因の方も女性によく見られます。
そして数は少ないですが、背骨が左右に曲がる『側弯(そくわん)症』に伴って脊柱管が狭くなる場合も。診断が難しく、原因不明とされている方の中にはこのケースが隠れていることがあります」
腰椎への長年の負担や加齢によって、椎間板の突出や靭帯の肥厚、椎体の変形などが生じて脊柱管が狭くなり、中を走る脊髄が圧迫されて脚の痛みやしびれの症状が現れる。
では、脊柱管狭窄症になりやすい人にはどんな姿勢や動作のクセがあるでしょうか。
反り腰かどうかは、壁を背に頭とお尻、かかとをつけてチェックを。腰に手のひら1枚分以上のすきまがあるなら、反り腰といえます。
一見姿勢がいいように見えるが、腰にかかる負担が非常に大きい。
体幹の筋肉が弱いと上半身が不安定で姿勢が悪くなりがち。猫背やぽっこりお腹の人は体幹が弱い可能性大です。
体幹深部の筋肉が弱いため、猫背やぽっこりお腹になり、腰にも負担が。
胸椎が硬い場合は、腕を伸ばして高いところの物を取ったり、洗濯物を干したりする動作時に腰に負担がかかりやすくなります。
胸椎の可動域が狭いので、腕を上に伸ばす動作時に腰が反ってしまう。
股関節が硬い場合は体を前に曲げる動作をするときに腰に負担がかかりやすくなります。
前かがみの動作時に股関節が十分動かず、代わりに腰が曲がって負担に。
「一番よくないのは反り腰です。他にも体幹の筋肉が弱かったり、胸椎や股関節が硬かったりすることも多いですね。これらのクセがあると、それを補おうとして腰が過剰に動くことになり、腰椎に負担がかかってしまうのです」と西良さんは説明します。
これらの体のクセが複数当てはまるという人も少なくありませんが、ご安心を。「体のクセを正せば、脊柱管狭窄症の症状は改善します」と西良さん。
次回は、寝ながら1分でできる、腰の負担を軽くする簡単な体操を紹介します。
取材・文=佐田節子、イラストレーション=山村真代、構成=大矢詠美(ハルメク編集部)
※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年10月号を再編集しています
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