【50代60代ヘア髪型】若見せショートヘアが人気
2024.10.122021年06月26日
白髪染めから解放された魅力ある髪型の作り方
70代髪型|ショートのグレイヘア×着物でおしゃれに
すてきなグレイヘアのスタイルの女性に、移行期の乗り切り方や白髪との付き合い方などを聞くこの連載。70代の安久井千穂子さんは昨年グレイヘアデビューしたばかり。おしゃれの幅が広がって、これからの人生がますます楽しみになっているそうです。
70代髪型のお手本!軽やかなグレイヘアで着物も楽しむように
梅雨空の日の撮影。「あいにくの雨ですねぇ」。鮮やかな萌黄色の着物にショートブーツという軽やかな装いでカメラの前に立った安久井さん。グレイヘアの混じったアシンメトリーのショートボブスタイルが装いを一層軽やかな印象にして、どんよりとした空模様を吹き飛ばすほどさわやかです。
「着物はね、今年から楽しむようになったんです。このヘアスタイルにして着物が合うようになったのもきっかけの一つかしら」
モヒカンとスキンヘッド以外の髪型は経験済み!
「モヒカンとスキンヘッド以外はほぼ制覇した」と自身で振り返るように、これまで安久井さんはさまざまなヘアスタイルを経験してきました。すべては、子どもの頃から大好きだったおしゃれを楽しむため。「おしゃれって、髪型まで含めて初めて完成するものでしょう。その時々にはまっているファッションに合わせて、ボブにしたり、ショートヘアにしたり、いろいろ試してきました」
安久井さんのおしゃれ好きの背景には「母親の存在が大きい」と言います。「母自身は大正生まれで戦争も経験し、おしゃれを自由に楽しめなかった世代。その分、娘の私にはおしゃれをさせたかったようで、小さい頃からかわいいワンピースなんかよく着せてくれて。以来、ずーっとおしゃれを楽しみながら生きてきて、気づいたら私、70歳を超えてました(笑)」
そんな安久井さんがグレイヘアに移行したのは、2018年秋のこと。「髪型はいろいろ試してきて、変えるとしたらあとは色だけかなって思って。年齢的にもグレイヘアにすることには特に抵抗はありませんでした」
グレイヘア移行期は、パーマで黒髪と白髪を自然になじませて
移行期は普段通っている美容院の美容師に相談し、パーマをかけることで白髪染めをやめた後もナチュラルに黒髪と白髪をなじませていったと言います。ちなみに、このウェービースタイルは、1988年公開の映画『エリザとエリック』のエリックをイメージしたのだそう。
グレイヘアになって、1年足らず。黒髪からのイメージチェンジに周囲はどんな反応だったのでしょう。
「夫は『いいね』って言ってくれました。気分いいですよ(笑)。グレイヘアに踏み切れない人の一番の理由って『老けて見られないか』ってことだと思うんですが、自分らしくおしゃれをして背筋を伸ばしてきちんとしていれば、大丈夫!」。そう言って、こんなエピソードを教えてくれました。
20代のとき、夫の転勤に伴いパリで3年半暮らしていたという安久井さん。その時に目にしたパリマダムたちの美しさが、今でも鮮明に目に焼き付いていると言います。
「日本は若さがもてはやされがちでしょう。当時なんて特にそうだったの。一方で、パリは年齢を重ねた女性たちが胸を張って、すごく自信をもって生きているんです。しかも、モテる(笑)。日に焼けてシミが出た肌やたるんだ二の腕だってあえて隠すことはしないし、ミニ丈のスカートをはく人もいれば、ヒールで颯爽(さっそう)と歩く人もいる。かっこよかったなぁ。とにかく、カルチャーショックでした。年をとるって女性としてかっこよくなっていくことなんだ、ありのままでいいんだって、新たな気づきをもらいました」
この原体験があったからこそ、自身のグレイヘアへの移行には何の迷いもなかったと言います。
ヘアケアもナチュラルに移行してきたという安久井さん。現在はシャンプーを使わずお湯だけで洗う“湯シャン”に切り替え、セットは椿オイルのみ。「最初は頭皮のにおいが出ていないか気になっていたけれど、意外と大丈夫みたい。湯シャン効果で髪にコシが出てきたように思います」。愛用の柘植(つげ)のブラシも「自然素材のいいものを」という思いから購入したのだそう。
70代のおしゃれ、ありのままで人生を楽しんでいこう!
グレイヘアになって、これまでより自然体でおしゃれを楽しめるようになったという安久井さん。でも「私にとってあくまで髪色はおしゃれの一つですから。しばらくしたら、また着たい洋服に合わせて黒く染めているかもしれないわね」と笑います。
「若く見せたいわけじゃないけど、若々しくありたい。それが私の理想。大事なのは人目ばっかり気にせず自分らしく人生を楽しんでいこうっていう心の持ちようなんじゃないかしら。ありのままでいること、グレイヘアであることが“当たり前”に受け入れられるようになってきた今の時代の流れって、単なるブームというだけではなくて、すごく意味のあることだと私は思っています」
取材・文=小林美香(ハルメクWEB編集部)、撮影=中村彰男、ヘアメイク=木村三喜
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