夏の紫外線によるお疲れ肌、内側と外側の両面ケアで元気を補充!

夏の紫外線によるお疲れ肌、内側と外側の両面ケアで元気を補充!

公開日:2025年09月18日

猛暑の紫外線によるお疲れ肌、内側と外側の両面ケアで元気を補充!

夏の紫外線でダメージを受けた肌。そのままにしているとシミやシワの原因になります。秋の肌ケアは、スキンケアなどの外側からと、食事などの内側からの両面アプローチが大切。夏の肌ダメージを持ち越さないための方法を医師の石原新菜さんに伺います。

石原新菜
監修者
石原新菜
監修者 石原新菜 イシハラクリニック副院長

秋の肌は思った以上に疲れている

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猛暑の夏を過ごした後の秋の肌は、思っている以上に疲れをためこんでいます。

中でも、紫外線によるダメージは肌にさまざまな悪影響を及ぼします。夏の間、日焼け止めや日傘で紫外線対策をしていたとしても、知らないうちに浴びた紫外線は、シミやそばかすの原因になるだけでなく、肌のハリを保つ大切な成分にも影響を与えているのです。

「最近、肌がごわつく」「化粧ノリが悪い」と感じているなら、それは紫外線ダメージが蓄積しているサインかも。体の外側と内側、両面からのケアで、紫外線ダメージを回復していきましょう。

肌の老化の8割は紫外線が原因?

紫外線が肌に与える影響は、大きく分けて二つあります。

一つは短期的な影響。日焼けによる赤みや炎症、メラニンの生成によるシミ・そばかすの悪化などです。これは比較的目に見えやすく、紫外線を浴びた直後~数日で現れることもあります。

そしてもう一つは、長期的な影響です。紫外線によって周辺細胞がダメージを負うと、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンを分解する酵素が分泌され、コラーゲンやエラスチンが壊れる原因になります。それによって引き起こされるのが「光老化」と呼ばれる現象。シワやたるみが目立ち始めるのは、この光老化のサインです。

私たちが感じる「年齢による肌の変化」には、実は紫外線が大きく関わっていて、加齢そのものによる老化は2割程度、残りの8割は紫外線による光老化だという専門家の指摘もあります。つまり、紫外線によるダメージをリカバリーするケア次第で、これから先の肌の状態を大きく変えられるのです。

外側のケア は「冷却」と「保湿」が基本

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紫外線によるダメージをリカバリーするためには、体の外側と内側の両面からの対策が欠かせません。

外側からのケアで重要なのが「冷却」と「保湿」の二つです。

日差しを浴びた後の肌のほてりは、紫外線による炎症反応が引き起こしています。この状態を放置すると、シミやシワ、たるみの原因につながります。

日差しによって肌のほてりを感じたときは、冷水でぬらしたタオルや、薄い布でくるんだ保冷剤を肌にあてて熱を逃がしましょう。冷やすことで炎症が落ち着き、ダメージを軽減できます。

また、保湿も欠かせないケアです。紫外線を浴びた後の肌はバリア機能が低下し、刺激に敏感な状態になっています。まだ暑さが残る季節でも、化粧水・乳液、クリームでしっかりと保湿ケアを行いましょう。

いつも使っているスキンケアで刺激を感じるようなら、ダメージを負った今の肌には合っていない可能性があるので、できるだけ低刺激性のアイテムを選び、バリア機能を正常な状態に戻せるように対策を。秋は夏の疲れに加えて空気の乾燥も進む季節なので、ミストタイプの化粧水を持ち歩いてこまめに潤いを補給するのもおすすめです。

内側のケアは抗酸化作用と保水力のある食べ物の摂取を

 fortton / PIXTA

内側からの対策では、肌の弾力やハリを取り戻す食べ物を取り入れていきましょう。

秋の肌は、夏に浴びた強い紫外線によって肌内部の活性酸素が増加し、そのダメージによって乾燥しやすくなっています。さらにコラーゲンやエラスチンといった肌の弾力やハリを保つ成分が分解され、シワも起こりやすい状態。そのため、活性酸素の発生を抑制する=抗酸化作用が強い食品や、肌の保水力を維持する食品を摂取するなど、体の内側からも弾力やハリを取り戻すケアを取り入れていくのがおすすめです。

抗酸化作用のある栄養素の代表格は、ビタミンCやビタミンEです。ビタミンCは柑橘類やキウイなどの果物、ピーマンやブロッコリーに含まれ、ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類、かぼちゃやにんじんなどの緑黄色野菜に多く含まれています。

Rhetorica / PIXTA

一方で、肌の保水力を高めるのに役立つ成分は、セラミドやコラーゲン、エラスチンです。セラミドが多く含まれている食べ物の代表格は生芋こんにゃく。100g食べると1日に必要な量のセラミドを補えるので、こんにゃくを選ぶ際は表示をチェックして、ぜひ「生芋」こんにゃくをチョイスしましょう。他にブロッコリーやきのこ類もおすすめです。

コラーゲン・エラスチンは、どちらもたんぱく質の一種で、肉や魚の皮にはコラーゲン、筋にはエラスチンが多く含まれています。両方の成分を含むのは、鶏の手羽先や牛すじ、軟骨、皮つきの魚などです。好みに合わせて献立に取り入れてみましょう。

他に、紫外線ダメージを受けた肌には、皮膚や粘膜のうるおいを保つ作用のあるビタミンA(βカロテン)、肌の新陳代謝を促すビタミンB2やB6などもぜひ取り入れたい栄養素です。ビタミンA(βカロテン)はにんじんやほうれん草、かぼちゃなど、ビタミンB2はサバ、卵、ブロッコリー、アボカド、納豆、牛乳、アーモンドなど、ビタミンB6はマグロ、カツオ、玄米、ブロッコリー、ナッツ類などに含まれています。

これらの栄養素や成分をバランスよく食事に取り入れると、体の中で活性酸素を除去し、肌の弾力を守る助けになります。

毎食栄養バランスを完璧に整えるのは大変なので、例えば昼がそばやうどんなど炭水化物中心の食事だったら、夜は魚や野菜をたっぷり取るなど、後で調整すればOKです。1日~3日単位で考えて、無理なく肌をサポートしていきましょう。

外側と内側、両面から肌を整えるローヤルゼリーにも注目

mimi@TOKYO / PIXTA

体の外側・内側の両面から肌を整える成分として、近年ではローヤルゼリーも注目されています。

ローヤルゼリーには保湿効果があり、抽出エキスを肌に塗ることで角層水分量が高まったという報告があります。また、ローヤルゼリーを飲用することで角層水分量が高まり、毛穴の開きや目じりのしわが改善、色素沈着の抑制などが見られたという結果も確認されています。

夏のお疲れ肌を立て直すには、「外側のケア」だけでも「内側のケア」だけでも不十分です。クールダウンや保湿といった外側からのケアと、食事や健康食品など内側からのケアを組み合わせることで、肌は本来のリズムを取り戻し、健やかな状態へと生まれ変わっていきます。

夏のダメージをそのままにしておくと、冬の乾燥シーズンに一気に老け見えが進むリスクがあります。この先の肌を守るために、秋はしっかりと両面からのケアを始めましょう。

取材協力:山田養蜂場健康科学研究所

■監修者プロフィール:石原新菜(いしはら・にいな)さん

イシハラクリニック副院長。秋田栄養短期大学特任教授。ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ理事、フェムテック・ジャパン理事。主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書に『病気にならない蒸し生姜健康法』『やせる 不調が消える 読む冷えとり』等70冊を数える。

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