目元のたるみ、頬のたるみ、二重あごにほうれい線……

顔のたるみをシェイプアップ!試すべきデイリーケア

安仁屋 僚
監修者
かなで美容クリニック
安仁屋 僚

公開日:2021.10.08

更新日:2023.11.18

すっぴん隠しに便利だからとマスク生活を続けていませんか? 表情筋は衰える一方です! 顔たるみの原因別に生活習慣の見直しやマッサージ、ツボ押し、表情筋トレーニングや美顔器によるリフトアップなど、ホームケアの方法を紹介します。

老けて見える要因!顔はなぜたるむ?

顔はなぜたるむ?

鏡を見たときに気になる乾燥小ジワは、顔のたるみの第1段階です。小ジワだからと侮っていると、第2段階である深いシワへと変化していきます。

ケアせずにいるとシワ部分の筋肉が衰えていき、最終段階の顔のたるみが生じます。また、シワ以外のたるみの原因にも注意が必要です。

顔の主なたるみ

顔に現れる代表的なたるみは、目元・ほうれい線・マリオネットライン・二重あごです。これらのたるみがあることで、年齢を感じさせる顔になってしまいます。さらに、頬もたるんでいくため、顔が全体的に下垂し間のびした印象を与えます。

顔や頭の筋肉の衰え

顔の筋肉には、喜怒哀楽といった表情を出す「表情筋」がいくつもあります。また、頭にある「前頭筋」と「側頭筋」も、顔の表情に関わる筋肉です。

表情筋
表情筋

顔や頭の筋肉は、体の筋肉と同じように加齢により衰えていくものです。筋肉は全て皮膚でつながっているため、一部が衰えると支えられなくなった他の部分にも影響を及ぼし、顔のたるみにつながります。

さらに、40種類以上ある表情筋のうち、普段から使われているのは、たったの30%ほど。使われない表情筋は、年齢に関係なく衰えてたるんでしまいます。

極端なダイエット

断食や食事制限、過度な運動など、極端なダイエットも、たるみの原因になります。今まで脂肪によって保たれていた肌のハリが、ダイエットにより失われるからです。

ゆっくり痩せると、皮膚は体の変化に合わせて縮まっていきます。しかし、急激に痩せた場合、脂肪の減少に皮膚が追いつくことができません。結果的に、痩せた体に皮膚が合わず余ってしまい、脂肪を支えられずに顔のたるみになると言われています。

食いしばりの癖やマスク生活での無表情

ストレスを感じると、歯を強く噛み合わせる「食いしばり」の癖を持っている人は、あごの筋肉がコリ固まってしまいます。長いマスク生活においても、表情が乏しくなり筋肉がコリ固まっている人もいるでしょう。

筋肉がコリ固まると、弾力がなくなり引っ張りあげる力が失われ、口まわりのたるみにつながります。また、筋肉のコリは、血液やリンパの流れが悪くなる原因の一つです。

血液やリンパの流れが悪いと、肌の新陳代謝が滞り、ハリに必要なコラーゲン繊維やエラスチン繊維などが作られにくくなり、たるんでしまいます。

【目元のたるみ】の原因は目を酷使する生活習慣

【目元のたるみ】の原因は目を酷使する生活習慣

起きている間、目は常に瞬きを繰り返しています。さらに、見る・読むなどの動作で酷使され続けることも、目元のたるみを引き起こす原因になります。

まぶたのたるみ

まぶたは、「眼輪筋(がんりんきん)」と呼ばれる目のまわりの筋肉が衰えることで、たるみます。なかには、視界に影響を及ぼす「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の症状が出る人もいるでしょう。

また、クレンジングや洗顔時、花粉症などで目がかゆいときに、まぶたをこする行為も、たるみの原因となります。まぶたの皮膚は、とても薄くデリケートなため、摩擦により伸びて、たるんでしまうからです。

レンズの上下で遠視用、近視用と併用しているタイプのような老眼鏡を長時間使用することも、目の疲れからたるみの原因になります。

目の下のたるみ

目の下のたるみも、まぶたと同じく眼輪筋の衰えが原因です。目の下がたるむと影ができて黒いクマが目立つようにもなります。他にも、加齢や紫外線が原因で、肌の弾力を保つのに必要なコラーゲン繊維やエラスチン繊維がダメージを受けてたるむことも珍しくありません。

スマホやパソコンを長時間見ている人も、目のまわりの血液やリンパの流れが悪くなり、筋肉が衰えたるみます。

ドライアイ

涙の分泌量が少なく乾燥しているドライアイは、目の疲れや痛みを感じたり、かゆみやかすみなど、さまざまなトラブルを起こします。その一つが目元のたるみです。

ドライアイの人やコンタクトレンズをしている人は、瞬きをするときにまぶたとの摩擦が強く起きるため、目の下がたるみやすい状況です。

症状が悪化すると、まぶたにたるみで起きる、眼瞼下垂になってしまうリスクもあるため注意しましょう。

【ほうれい線】の原因は頬のたるみ、表情筋の衰え

【ほうれい線】の原因は頬のたるみ、表情筋の衰え

小鼻から唇の両端を結ぶように表れるシワが、ほうれい線です。ほうれい線は、加齢により頬がたるむとくっきりと浮かんで目立つようになり、顔の印象が変わります。

頬が下がり口元がたるむ

加齢により頬を支えている筋肉が衰えると、重さに耐えられなくなり、次第に口元がたるんでいきます。ハリや弾力も失われ、ほうれい線が深く目立ってしまうことに。

また、「梨状口の拡大(骨量の低下)」では顔の骨も体の骨と一緒で加齢に伴い吸収されていき、ほうれい線などの溝をつくる原因となります。

さらに、クレンジングや洗顔など、顔をゴシゴシ洗うのもたるみの原因の一つです。乾燥や摩擦により、ほうれい線が深くなる場合もあるため、こすらずに優しいケアを心がけましょう。

加齢や紫外線によるコラーゲン繊維やエラスチン繊維の減少

肌のハリや弾力を保つには、コラーゲン繊維やエラスチン繊維は欠かせません。

加齢によるコラーゲン繊維やエラスチン繊維などの減少がたるみ・シワの原因に
加齢によるコラーゲン繊維やエラスチン繊維などの減少がたるみ・シワの原因に

コラーゲン繊維とエラスチン繊維が規則正しく揃っていると、肌はハリや弾力を保てます。しかし、どちらか1つでも失って崩れてしまうと皮膚を支えられず、シワやたるみが生まれてしまうのです。

コラーゲン繊維とエラスチン繊維は、加齢により生み出す力が弱くなるため、年を取るにつれて減少傾向にあります。さらに、コラーゲン繊維の1本1本も細くなっていくため、若い頃よりもシワやたるみが生じやすくなります。

また、2種類ある紫外線(A波・B波)のうち、紫外線A波は、真皮にあるコラーゲン繊維やエラスチン繊維、ヒアルロン酸をつくる線維芽細胞(せんいがさいぼう)がある部分まで到達し、傷つけます。

紫外線A波はコラーゲン繊維を硬くする活性酸素も発生するため、どんどん肌のハリがなくなり、たるみの原因となってしまうのです。

こうして、加齢や紫外線によるダメージで、年齢を重ねた肌は次第に弾力を失い、シワやたるみを引き起こしてしまいます。

紫外線A波の影響もたるみ・シワの原因に
紫外線A波の影響もたるみ・シワの原因に

咀嚼の減少、肌の糖化、代謝の低下、ストレス、血行不良

ほうれい線ができる原因には、私たちの生活のさまざまなことが関係しています。

例えば、食事。咀嚼が減少すると、口まわりの筋肉が衰え、たるみにつながります。また、食事から摂取した余分な糖質がタンパク質と結びつく肌の糖化も、細胞にダメージを与えて、たるみやシワ、くすみなどが発生する原因となります。

代謝の低下やストレス、血行不良なども、肌のたるみにつながるため、注意が必要です。

【二重あご】の原因はスマホ・デスクワークの姿勢

【二重あご】の原因はスマホ・デスクワークの姿勢

二重あごには、たるみや皮下脂肪、むくみ、姿勢などが関係しています。中でも、スマホ操作やデスクワークの姿勢は、二重あごやフェイスラインのたるみを招くため、注意しましょう。また、舌の筋肉の衰えやリンパの流れが滞ることも、二重あごを作り上げてしまう原因です。

前かがみの姿勢習慣

スマホ操作やデスクワークをしているとき、無意識のうちに前傾姿勢になっている人は少なくありません。肩が内側に丸まっている巻き肩の人は、バストの下垂や二重あごの原因になります。

作業中は姿勢改善につながるストレッチを行い、美姿勢を目指しましょう。

前傾姿勢を改善するストレッチ

  1. 椅子に座った状態で背筋を伸ばし、手の平を上に向けて後ろで両手を組みます。
  2. 鼻から息を吸って、ゆっくり口から吐きながら後ろに肩をギューッと引きます。
  3. 無理のない範囲で、2の状態のまま頭を後ろに倒します。そのまま3つ数えたら頭を戻し、肩の力を抜いてください。

舌の筋肉の衰え

舌の筋肉の衰えも二重あごの原因です。あご下にある、舌を動かすための「舌骨筋群(ぜっこつきんぐん)」は加齢により衰えていくため、血液やリンパの流れが滞り、むくみがちになります。

普段あまり使われることのない筋肉なので、舌の運動をして鍛えましょう。

  1. 口を閉じた状態で、歯の表側を沿うように右回りに20回まわします。
  2. 左回りも同じように20回まわします。
  3. 1と2をセットとし、1日3セット行いましょう。

リンパの流れ

顔がむくみやすい人や、顔を下に向けるだけであごの肉がもたつく人は、リンパの流れが滞っている可能性があります。二重あごに関わるリンパ節は、耳たぶの後ろにある「耳下腺(じかせん)」と鎖骨、脇の下です。

リンパの流れを促すために、クリームやオイルを使ってリンパマッサージをしましょう。

  1. 第二関節を曲げた人差し指で、あごの裏をグリグリと押しながら耳下腺へと移動しましょう。老廃物などを耳下腺へと流すイメージで行います。
  2. 耳下腺を、親指以外の4本指で優しくほぐします。
  3. そのまま、4本指の第一関節と第二関節を使って首筋を鎖骨に向かってなで下ろしましょう。
  4. 人差し指と中指で鎖骨を挟み、少し圧をかけて中央から外側に流します。
  5. 脇の下にあるリンパ節へ流してそのまま揉みましょう。

左右の耳下腺と鎖骨、脇の下を同じように行ってください。

また、ツボ押しをするとリンパの流れが良くなるため、マッサージと一緒に行いましょう。

  • 承漿(しょうしょう)

あごの中央にあるくぼみが「承漿(しょうしょう)」です。左右の人差し指を重ねて、徐々に力を入れてゆっくり5秒間押します。3回繰り返しましょう。

  • 廉泉(れんせん)

あごのラインを、耳に向けて滑らせていくとスッと指がはまるくぼみが「廉泉(れんせん)」です。左右の親指を重ねて上へゆっくりと5秒間押し上げます。こちらも3回繰り返しましょう。

そのほか、表情筋トレーニング動画などもチェックして、顔たるみ解消を目指しましょう。また、KPACOT「目元美顔器」Semiyoa「美顔器」など、市販の美顔器の使用もおすすめです。

長い時間、重力などの影響を受けてできる、顔のたるみ。重力には逆らえませんが、たるみが起きるメカニズムや原因は、毎日の生活習慣にも潜んでいます。

ボディケア・フェイスケアの基本に忠実に、まずはシワを予防しながら顔のたるみをつくらない、進行させないお手入れをしていきましょう。

監修者プロフィール:安仁屋 僚さん(グローバル ビューティー クリニック)

監修者プロフィール:樂(かなで)美容クリニック院長 安仁屋 僚先生

担当科 :皮膚科、美容皮膚科、美容外科
経歴:琉球大学医学部卒業後、赤十字病院、都内大学病院皮膚科にて急性期~慢性期の皮膚疾患、外科手技を幅広く学び、研鑽を積む。複数の皮膚科・美容皮膚科クリニック勤務を経て、2023年にグローバル ビューティー クリニック・東京院長に就任。

※この記事は2021年10月の記事を再編集して掲載しています。


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